2011年11月20日日曜日

「ブッシュの広大な空想の世界をめぐるゆっくりとした冬の旅」: Fワード

フェミニストのサイトFワード でのデビ・ウィザース(『ケイト・ブッシュと論説の冒険』の著者)による 50の言葉についての紙幅を取った賞賛:

ケイト・ブッシュは音楽を作るだけでありません、彼女は世界を構築します。 雪のための50の言葉はまさに、そのようなブッシュの想像力が作った多重世界のひとつで、 彼女の33年に渡るキャリアの中で曲作りの技巧と神がかったスタジオワークを 通じた実験や変身で聴衆を喜ばせ、困らせ、驚かせてきた歴史のひとつです。 … 彼女のコンセプト作品は、次から次に興味を移してゆくいまの時代には、まったく不適なものと 言えるかもしれません … しかし、もしあなたが雪のための50の言葉のチャレンジを受け止めて、 じっくりと聞くことを決心すれば、きっと深く報われることでしょう … ブッシュの音楽を聴くときには、ばかばかしいことを良いものとして受け止める 準備があると良いです。 そうすると、アルバムのなかでときどき現われる、ちょっとアレッと思ったり 聴いていてきまりが悪くなるような部分に対して用意が出来ますから。 しかし、それにも関わらず、ケイトを愛し信じていれば、 そのようなこっけいな飾り物の裏に深い意味があり、なにか他の大事なことが あるということを信じつづけることでしょう … 言っておかないといけないのは、私自身ケイト・ブッシュの作品は大好きですが、 同時に、土着の文化を分別なく無批判に取り入れてしまうことについてはどうかと 思うことがあります … このニューアルバムでは、エスキモーが雪を表す言葉を 50も持っているという伝説をあまりにも無批判に主題として取り入れて しまったように思います。 … 特に、タイトルトラックとワイルド・マンでは、そういうところが気になります。 そもそもチベット民族衣装に身を包んだ写真はケイトの宣伝用に適当なものでしょうか? … 雪のための50の言葉は、いままでと同じように まさにこの世界のなかで曲を書き、演奏し、制作しているソングライターがつくる音です。 その音楽はいくつもの世界を開き、創造性を刺激し、広がりを感じさせます。 おそらくいちばん大事なのは、音楽の美しさをまるごと味わおうと思えば注意を払って 深く聴きこまなければならないという音の世界に入ることを この時代のリスナーに要求しているということです。 … ケイト・ブッシュはヒーラーであり世界の間をつなぐ伝道師でもあります … しかしながら、ブッシュはもっと自分の作品づくりの中でもっと他の文化についての 理解をすることに注意すべきだと思います。 そのためにたくさんのファンを失っているのではないでしょうか。 このような輝きをもった作品を作っているのですから、とてももったいないことです。

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