2011年11月26日土曜日

「失われたものは全て記憶に蘇る」: トロント・グローブ・アンド・メール

トロント・グローブ・アンド・メール のロバート・エヴェレット・グリーンさんは ディスク・オブ・ザ・ウィークで3/4評価:

ありふれた個人的経験はいままでブッシュにとって大きな主題ではありませんでした。 現実性を求めるために想像力が制限されたりしないシチュエーションのほうが好みでした。 しかし、どうでしょう。シェークスピアはベニスを直接知ってはいませんでしたし、 カフカはアメリカに行ったことはなく、ジュール・ヴェルヌは月に行ったことはありません。 彼女の靴をはいた誰かが雪と氷をロマンティックなシナリオの背景にしていたかも しれないのです。 … ブッシュは対象そのものと一体化するのを好みます。 … 笑いのためにやっているのではなく、 世の中が寝ていて失われたもの全てが想像の中でもう少しで届きそうなところまで取り戻される 深夜の現実化をしようとしているのです。 … ブッシュの音楽は夜中3時のジャズピアノトリオからジャズを取り除いたようなもので、 思索的で広がりがあり、 … ピアノで繰り返されるフレーズはアルヴォ・ペルトの簡素な宗教音楽から持ってきている のかもしれません 。 アルバムの大部分は静かで夜の雰囲気を醸しています。 … しかし、あの特徴的なソプラノの叫びはこのディスクではほとんど聞かれません。 雪のための50の言葉を本当に好きになるためには、 ぐつぐつと煮えながら時がたつにつれて良さがわかってくるような レコードに敏感でないといけません。 ブッシュのピアノの繰り返しのフレーズは8~9分ある曲に対しては 弱いと思っていますが、それ以外の部分で彼女がやっていることについては、 その精神やテーマ、そしてその美しさも含めて評価しています。

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