2011年11月22日火曜日

「パワフルな作品」: ステレオガム

ステレオガムではトムさんが今週のアルバムに選んでいます。 ケイトの新作が出て以来続いている転向者の一人です:

今まで、ケイト・ブッシュさんの作品についてはあまり気にせずに 過ごしてきましたがそれで十分にハッピーでした。 シングルの曲は知っていましたし、以降のアートポップ界のアーティストへの影響のことも わかっていました。 しかし、ひねくれたようなヘリウムボイスのようなボーカルとねじけたメロディーの ために、いままでにちゃんと聞いてみようとは思いませんでした。 大体のところ、ブッシュはみなさんと同じように盲点にあったのでしょう。 しかし、この新作の雪のための50の言葉は、私のような懐疑的な人も含めてもう一度 考えてみないといけないと思わせる作品でした。 一見すると、雪のための50の言葉には、いっぱいもったいぶった感じの 危険信号が灯っています。 目も当てられないようなカバーアート、構造のはっきりしない曲のつくり、 6分を下回る曲が1つもなく多くはとても長くなる曲の長さなど。 こういった良くないところがあります。 … しかしいったんこのアルバムの魅力に取りつかれてしまうと、 こういった弱点が全部(カバーアートを除いて)強みに見えてくるのです。 音楽的には雪のための50の言葉は余分なところのない繊細なアルバムです。 全神経を集中していなくてもぼんやりと聴いていてもいいような感じです。 楽曲としてはブラシのドラムといい、印象派的なピアノといい、 控えめなエレクトロニクスといい、はらはらと漂うような造りです。 ブッシュの圧倒的な声はほとんどのところささやくような感じにとどまって いますが、シンプルなフレーズでも十分に心に届きます。 歌詞も意図的に外したようで、 この曲たちがどれほど特別で風変わりなものかを忘れてしまうほどです。 … 一度アルバムを感じてしまうと、 最も現実離れした考えさえ鳥肌がたってしまうほどです。 … 愛のはかなさのテーマが際立ちます。 … ひとたびこのアルバムを受け入れてしまうと、とても強力なのです。

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