2011年11月25日金曜日

「別世界のようで驚くほど魅力的な人間らしさ」: ヴァーシティー

ケンブリッジのヴァーシティーではロリー・ウィリアムソンの5つ星:

雪のための50の言葉とは? その概念自体、極端かつ過剰でばかばかしくさえもありますが、 まさにケイト・ブッシュだけが傑作を引き出すことのできる種類の 題材です。 その主題をめぐって1時間以上をかけて7曲がゆっくりと展開する間、 リスナーがひたすら感じさせられるのは1枚のアルバムの中に人が住めるような 世界を作り上げることができるブッシュの不思議な能力です。 … 崇高なものとばかげたものを等しく操ることができる有名な能力を思い出すが、 歌詞での遊びはまた、ブッシュの第二の本能とも言えるが、 雪のための50の言葉はもっともかけ離れた概念の間さえも 橋渡しをして7つの曲で一環した世界を作り上げています。 ワイルドマンでの孤独なイエティ、ミスティでの溶けてしまう雪だるま、 タホ湖で犬の名前を呼ぶ女性の霊など、姿の見えない登場人物たちに彩られた 風景です。 タイトルトラックで雪を表す言葉が並べられるさまは、 その軽みもあり、このレコードを通して流れる雪のはかなさを表しているようです。 恋人たちは別れる運命にあり、命を得た雪だるまは溶けてしまい、 1曲目で声を与えられた雪のかけらは見つけることができず、 結局なにもつかまえることはできません。 凍りついた世界は、その美しさにも関わらず厳しいものです。 ものを分かち、混乱させ、最後には現れる時と同じく静かに消えていきます … 生来の奇抜さを大事にしながらそれと離れることもできる 完璧なアーティストの仕事は、 別世界のようでもあり、同時に驚くほど魅力的な人間らしさも出している。

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