2011年11月23日水曜日

ゆっくり味わう必要があるが、待てばきっと報われる

ハーバード・クリムゾンでのレベッカ・J・マズールさんでの 3.5星:

ユニークなすごさを備えたアルバムで、そのスタイル、内容、構造はとても 魅力的で美しく、同時に奇妙でとっつきにくいところもあり、 … 異常に長い曲ばかりで、 … ミニマリストの語るストーリーというか … 何よりアーティスティックな表現と実験の場としてはすばらしいキャンバスだ。 その長さもあり、 メロディーのモチーフはあまり変わりなく何分間も同じ繰り返しだし、 曲を聞いていてもどこにいるか分からなくなる。 … 演奏の細やかさや、控えめで感情のこもったボーカル、曲の詩的な側面などを 味わおうと思うと、このアルバムはかなり集中して聴かないといけない。 ブッシュは曲の構成を広げることで、詩的な深みを恐ろしいほど作り出している。 … ユニークな素材にインスピレーションを得て豊かなイメージを ともなった歌詞の世界を作り出すさまはブッシュのいつものクリエイティビティの 証左である。 … アルバムを通して、控えめなユーモアのセンスも感じられる … ドラマティックなところではケイトの声は 不安げながら力強い不協和で高みまで上がり、 差し迫って絶望的な場面では低くガラガラになる。 … これは奇妙なアルバムである。 楽器の構成は最小限で、メロディーは掴みどころがなく、 歌詞はひねくれて感情的。 しかしこれは同時にケイトの創作性を遺憾なく表現した素晴らしい作品集でもある。 曲は音楽性もともかく、純粋芸術や詩作としても価値のあるものだ。 ゆっくり味わう必要があるが、時間をかければきっと報われる。

0 件のコメント: