2011年11月23日水曜日

Allmusicでの4つ星レビュー: 「このようなものは他にはまず無い」

Allmusicのトム・ジュレックは雪のための50の言葉に4つ星をつけています:

「曲の長さにかかわらず、あるいはむしろその長さのためか、 彼女の作品の中ではもっともスペースがあり音を削ぎ落したものになっている。 いちばん目立つのはブッシュの声とアコースティック・ピアノ、 スティーブ・ガッドのゴージャスなドラムで、 他の楽器(オーケストラなども入っているが)あまり目立たない。 冬をテーマにした曲を収めた雪のための50の言葉は、東西の神話の世界 やファンタジーを織り込んでいる。 抽象的な表現だが、わかりにくくて聞きにくいということは無い。 … こんな不思議なポピュラー音楽は他に例を見つけられない。 スコット・ウォーカーズのドリフトやPJ・ハーヴィーの レット・イングランド・シェイクなどと似たところもあるが、 どちらとも似ていない。 ブッシュのアルバムがすごいのは、 ミステリアスでわかりにくい世界を指向しながら、同時に 魅力的なとっつきやすさも備えているところだ。 」

50の言葉がUKチャートの今週の中間発表で5位

BBCの公式チャートページNMEで、 ケイトはUKアルバムチャートの週中間集計で5位だと伝えています。

チャートでケイトのすぐ上はマイケル・ブーブレのクリスマスアルバムで、 ニューエントリー3つは全て 先週のUKの人気テレビ番組で放送されたものです。 音楽業界情報では、50の言葉の1週目の出足は ディレクターズ・カットよりも良いということですが、 前作は他のニューリリースが少なく競争が厳しくないときのリリースでした。 今週の最終チャートは日曜日の午後に発表されます。

50 Words For Snow

スウェーデンのテレビでのレビュー

スウェーデンのSVTから(情報はヘンリックさんより)。 いいレビューだといいんですが、スウェーデン語はあんまりなので:)

追記: スウェーデンのファンの人からの情報では、 クリップの中ではレビューワーはいままでのケイトのアルバムの中で一番の作品で、 とても好きだと言っているそうです。 ケイトはつねに姿を変え続ける雪のようだとも。 ありがとうございました。

「ケイト・ブッシュは変人のままで」: キャピタル・ニューヨーク

キャピタル・ニューヨークでのダフネ・カーによる50の言葉の素敵なレビュー:

オープニング曲の『スノーフレイク』 はいまの音楽とはかけ離れているように 聞こえて、過去20年間が飛んでいくような感覚です。 … そしてベースが入ってきてもその感覚は続きます。 張りつめて削ぎ落とされたエレクトリックな音は、 ポップスの世界ではずっと無かった音です。 ギターのチリチリした感じはフリップ卿もまだまだ健在と思わせるし、 スティーブ・ガッドのトムやブラシでのスネア、官能的なシンセパッドなど、 このレコードが受けた一番新しい影響は トーク・トークのもっともポップから遠いところからなんではないかと思わせる。 ブッシュ自身の70年代後半から80年代にチャートを席巻したヒットも 同様に記憶から飛んでしまう。残っているのは コード進行とかビロードのような彼女のボーカルだけ。 雪をテーマにしたこのアルバムの7つの曲をずっと聞いていると、 こういったアナクロニズムこそが大事なところだと思えてきます。 2011年のケイト・ブッシュは場違いかもしれませんが、 また、ケイト・ブッシュが拓いた道を続く多くのアーティストと 比べずにはいられないということも同時に言えます。 おそらく、この冬の小路はそのような息苦しいところから 逃れるための最良の方法だったんでしょう。 … ブッシュにかかると、どの楽器もどのフレーズも曲全体に有効に働く。 1つの音も無駄にはしないのは、まさに技といったところですが、 この完璧主義のために1993年から2005年にわたるギャップが生まれてしまったという ことでもあるわけです。 … このアルバムで、ケイトはいろいろなケイト・ブッシュを巡った末に 原点のケイト・ブッシュに戻ったと言えます。 … プログレのいろいろなものを取り込む勢いとニューウェーブの風変わりさとか不遜な態度 を吸収するところは、一時はヘンとか変わり者と言われましたが今は立派に認められて いますが、それとポップスのパッケージに改革をもたらそうという 情熱とがポップスの中でのアートの2大潮流です。 ロブ・ヤングのエレクトリック・エデン という素敵な本では、英国の新旧のフォークを『英国文化の秘密の庭園』と 称しています。 ヤングはブッシュのことをニューウェーブと言っていますが、 それは普通の意味ではなく、 オカルト風の声や自然や空のことを変な拍子やロック的でない楽器 で演奏する英国のミュージシャンの長い系譜のなかでのニューウェーブという ようなことで、バンパーステッカーには『イギリスのヘンを守ろう』などと 書かれているような感じ。

Kate - Misty

なんという辛口批評! タブロイドでのケイトの採点は?

ロンドン・イブニング・スタンダードでのピート・クラークの4つ星: 「メインのテーマは良い: 曲は全部似ているようには見えるが、雪の結晶のようにどれも違ったかたちを見せる。 ちょっと時間をかけないといけないアルバムである。 …」  デイリー・メールのエイドリアン・スリルズからは 4つ星: 「 冬をテーマに展開する曲たちは … ケイトの依然として圧倒的なボーカルを、以前よりも豊かでアナログっぽい 音に載せてゆく。 最初は、主に本人の流麗なピアノの演奏で始まるが … 最高潮は2曲の魅力的なデュエットである。 … 古い枠組みに決して囚われないアルバム、そしてシンガーである。 」  デイリー・ミラーのゲイヴィン・マーティンは4つ星: 「空想的で削ぎ落としたアルバムは奇怪な甘さで、なかなかの作品。 色気のある新しい氷の時代のピアノ。」  ザ・サンは4点ケイトの氷漬け: 興味深いコンセプトアルバム … 奇妙にして創意に富み、シュールで刺激的。

「神秘に包まれた伝説のケイト・ブッシュは健在」: ヘヴィー・ミュージック

ヘヴィー・ミュージックでのディラン・テラによるちょっとしたレビュー:

ケイト・ブッシュの 神秘的な伝説は健在である … 雪のための50の言葉は急いで作ったような作品では無いようだが、 聞いていてもすぐには終わりそうにないような雰囲気を醸し出している … 超現実的な夢の世界と深い感情を描いていて … そして、上質の小説のように、なんの予備知識もなく聴いても たちまち引きこまれてしまう。

ゆっくり味わう必要があるが、待てばきっと報われる

ハーバード・クリムゾンでのレベッカ・J・マズールさんでの 3.5星:

ユニークなすごさを備えたアルバムで、そのスタイル、内容、構造はとても 魅力的で美しく、同時に奇妙でとっつきにくいところもあり、 … 異常に長い曲ばかりで、 … ミニマリストの語るストーリーというか … 何よりアーティスティックな表現と実験の場としてはすばらしいキャンバスだ。 その長さもあり、 メロディーのモチーフはあまり変わりなく何分間も同じ繰り返しだし、 曲を聞いていてもどこにいるか分からなくなる。 … 演奏の細やかさや、控えめで感情のこもったボーカル、曲の詩的な側面などを 味わおうと思うと、このアルバムはかなり集中して聴かないといけない。 ブッシュは曲の構成を広げることで、詩的な深みを恐ろしいほど作り出している。 … ユニークな素材にインスピレーションを得て豊かなイメージを ともなった歌詞の世界を作り出すさまはブッシュのいつものクリエイティビティの 証左である。 … アルバムを通して、控えめなユーモアのセンスも感じられる … ドラマティックなところではケイトの声は 不安げながら力強い不協和で高みまで上がり、 差し迫って絶望的な場面では低くガラガラになる。 … これは奇妙なアルバムである。 楽器の構成は最小限で、メロディーは掴みどころがなく、 歌詞はひねくれて感情的。 しかしこれは同時にケイトの創作性を遺憾なく表現した素晴らしい作品集でもある。 曲は音楽性もともかく、純粋芸術や詩作としても価値のあるものだ。 ゆっくり味わう必要があるが、時間をかければきっと報われる。