
愛のかたちの40周年を記念するために、9月は毎日1つずつタイムカプセルを作ります。この偉大な作品に関連した人、出来事、モノを、1985年から現在までいろいろ集めます。

愛のかたち –今日の人

もしアルバート・マッキントッシュの存在がなければ、「愛のかたち」のアルバムの曲が再びライブで演奏されるのを聴くことがなかったかもしれませんし、(驚くべきことに)ナインス・ウェイブ全編がステージ上で信じられないほどすばらしく演奏されることもなかったかもしれません。22日にわたって、アルバートは愛のかたち、神秘の丘、クラウドバスティング、そしてナインス・ウェイブの全編やA Sky of Honeyを母親と一緒に歌って、熱狂的な拍手を受けました。それは「愛のかたち」の物語の壮大な次章でした。そして私達ファンには、それのために彼に大きな恩義があります。

ケイトの息子は、ファンには「バーティー」としても知られていますが、これは2005年のアルバム「エアリアル」に収録のケイトの作品のタイトルで、現在はケイトが2011年に設立した独立系レコードレーベル「フィッシュピープル」で全制作でケイトと密接に関わって仕事をしています。1998年生まれのアルバートは、ケイトにとって明らかに全世界を意味しており、ためらうことなく世界に向けて彼について伝えることにしました。エアリアルのアルバムでは、彼を主題にバーティーというタイトルで、無条件の愛に満ち溢れた楽しい曲を書いています。
溢れるようなルネッサンス時代のギターと弦のサウンドで、このケイトの作品に非常にユニークなサウンドを意図的に与えています。BBCラジオのケン・ブルースには、こう話しています。「こんなに素敵な息子がいるのは素晴らしいことですこのような曲については、わたしに言わせれば特別になりすぎることは決してないでしょうし、あまり分かりやすすぎないアレンジをしてみたかったので、中世の音楽みたいにしようと思ったんです」

ビフォー・ザ・ドーンの時期には、バーティーの声はスカイ・オブ・ハニーでの太陽の声として聴こえます。彼の絵はキング・オブ・ザ・マウンテンのシングルカバー(そして2006年の公式エアリアルカレンダーも)を飾っています。また、ライラにフィーチャーされたマグダレン大学合唱団の一員でもありました。彼の声はディレクターズ・カット版のディーパー・アンダースタンディングにデジタル処理されて入っています(バーティーはミュージックビデオの最後にもカメオ出演していて、豪華なアルバムの写真にも鳥のマスクを被って「ルーク」として出演しています)。もっとも記憶に残るのは、「雪のための50の言葉」のスノーフレークで美しいリードボーカルを歌っていることでしょう。この鮮烈のパフォーマンスはケイトの反戦をテーマにした2024のアニメーション映像作品トガリネズミの子で世界から再発見されています。

アルバートはビフォー・ザ・ドーンでバッキング・ボーカリスト兼俳優(「ウォッチング・ユー・ウィズアウト・ミー」のシーンでの脚本による家庭での息子の役や「スカイ・オブ・ハニー」のペインター役)、感動的な新曲(書き下ろしの「Tawny Moon」)でのリード・ボーカリストとして出演しています。また、アルバートはプログラムではクリエイティブ・アドバイザーとしてクレジットされています。素晴らしいことです。2014年にライブに戻ることにした理由を尋ねられたケイトは、バーティの励ましによるものだといつも説明していました。モジョ誌に次のように語っています。「バーティー抜きでショーをやりたくなかったのは、バーティがプロセスの中で非常に貴重な要素になると思ったからです。実際にそうでしたし、彼のスケジュールに沿った時間にあたる必要があって、ちょうど都合がいい時期だったのです」ケイトはまた、ステージから数十年離れていた時期に再びライブに出演する勇気を与えてくれたアルバートにステージから何度も感謝しています。

2014年10月1日のビフォー・ザ・ドーンの閉幕日の夜、クラウドバスティングの最後のライブバージョンを演奏する前に、ステージでバーティーに感謝を捧げるケイト(とケイトに感謝するバーティー)。ケイト・ブッシュ・ファン・ポッドキャストからのクリップ。
愛のかたち –今日のできごと

「愛のかたち」のストーリーは今年も続いています。昨年、ケイトと息子のアルバート・マッキントッシュが第67回グラミー賞にアートディレクターとして2部門にノミネートされたことが発表され、2025年2月にアメリカで授賞式が行われました。「愛のかたち」のバスカビル版は最優秀レコーディング・パッケージ賞にノミネートされ、ロスト・アット・シー・ボックスのアート・ピース(同じく「愛のかたち」のエディション)は最優秀ボックスまたはスペシャル・リミテッド・エディション・パッケージ賞にノミネートされました。
これまでもケイトは、1988年に最優秀コンセプト・ミュージック・ビデオ賞に愛のかたち、1991年には最優秀オルタナティヴ・ミュージック・アルバム賞にセンシャル・ワールド、1996年に最優秀ミュージックフィルム賞にライン・クロス・カーブでノミネートされています。これは、アルバム「愛のかたち」に関連した彼女の初のグラミー賞ノミネートで、ほぼ30年ぶりのノミネートでした。

ティモラス・ビースティーズのアートワークで飾られた愛のかたちのバスカヴィル版は、ケイトとチームがプロジェクトのために特別に開発・製造した太陽電池LEDライトが付いた初めてレコードとして、その革新性で有名でした。一方ケイトは、ロスト・アット・シー・ボックスのアートワークの販売ごとにウォーチャイルドに寄付を行っており、このチャリティには最近ではケイトの美しいトガリネズミの子のアニメーションのリリースでも支援しています。最終的に、ケイトとアルバートはその日の両カテゴリーで、チャーリー・XCXとショーン・レノンに賞を譲りましたが、それでもこれは素晴らしいことでした。
愛のかたち –今日の作品
(katebushcollectables.comのご協力でお届けします)

愛のかたちの「今日の作品」として、このような高価な「芸術作品」を取り上げるのは初めてですが、これは、チャリティーの「ウォーチャイルド」のためにかなりの金額を集めていたという意味で特別です。グラミー賞にノミネートされたロスト・アット・シー・ボックスの特別パッケージは2つの箱から成り、それぞれに「愛のかたち」のアルバムの片面が収められ、単4電池2つを動力にして赤く点滅するLEDが付いています。テキストは点字でも記されています。それぞれのレコードは白いビニールの溝のない方の面にUVプリントが施されています。
イタリアのデザイン会社ポッツォーリがサイトでケイトの関与について説明しています。「フィッシュ・ピープルがデザイン、リリースし、ステート51コンスピラシーが配給し、ポッツォーリがプロデュースしたこれらのプロジェクトは、ケイトにとって非常に個人的なものであり、作品のデザイン、仕様、開発、制作のあらゆる側面に関わっています。ステート51、ケイト、ポッツォーリの間の非常に協働的なプロセスで、ケイトは常に連絡を取り合い、毎週のプロジェクトミーティングに参加し、デザインの方向性を示し、材料や仕上げも指定しました。これらの作品は彼女のビジョンであり、ポッツォーリは単にそのビジョンを物理的な存在として作っただけです」

ケイトは次のように述べています。「アルバムと壁に掛けられるアートワークのハイブリッドを作ろうと考えました。チャリティー団体「ウォーチャイルド」のオークション用にデザインしたものをベースにしています。
ケイトの更新されたサイトでは、このボックスに合わせて開封ビデオも添えられていて、サー・イアン・マッケランによるナレーションがフィーチャーされています。
このアイテムについての詳細は、ケイトの公式サイトでお読みください。
愛のかたち –今日のトリビア
2014年のビフォー・ザ・ドーンでの「愛のかたち」で、ケイトは「Tie me to the Mast!」というオリジナル・アルバム・バージョンには収録されていない歌詞を歌っています。これは、オデッセイの中で、オデュッセウス(ラテン語ではユリシーズ)が、セイレーンの死の歌を安全に聞けるように、乗組員に船のマストに縛り付けさせたことに由来しています。

もちろん、叙情的なイースターエッグのようなもので、観客に前もってショーのナインス・ウェイブの部分での嵐と危険に備えるよう促すものでした。これは公演の中で異なった部分のコンセプトが互いに巧妙に流れ込んでいることの一例です。ノクターンでは魔女の歌詞が入り、真夜中のまどろむようなときにも水難の恐怖が示唆されています。
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