2025年9月11日木曜日

愛のかたち40周年:11日目

愛のかたちの40周年を記念するために、9月は毎日1つずつタイムカプセルを作ります。この偉大な作品に関連した人、出来事、モノを、1985年から現在までいろいろ集めます。

“Too-ree-ay, too-ree-o, too-ree-ay, too-ree-o, too-ree-ay’s what I say, to keep me going, to keep the shit away...”

愛のかたち ― 今日の人

ケイトとケビン・マカレア
ケビン・マカレアとテレビ共演したケイト(1985)

完璧なタイミングとタッチを備えた本当に素晴らしく有名なミュージシャンであるケビン・マカレアのケイトの作品への素晴らしい貢献は、1979年のツアーまで遡ることができます。ケイトはツアーでケビンと一緒に仕事をすることになったことについて、このように話しています。「私のようなスタイルでピアノを弾く人、またはそうしようと思えばできる人にはこれまで会ったことがないので、信じられないような発見です。私のスタイルは本当にシンプルなので、それが問題になります。プロのピアニストはどこでも派手に演奏する傾向があって、私の曲はシンプルなスタイルなのでうまくいかないのです」ケビンはツアーでピアノ、キーボード、サックス、12弦ギターを演奏しました。

ベルファスト出身のケビンはスキッドロウなどのバンドでキーボードを演奏し、Xレイ・スペックのボーカリストであるポリ・シトリンとセッションワークを行った後、1979年にライオンハート・ツアーに参加しました。エレクトロ・ミュージックに興味を持ったマカレアは、自分でシンセサイザーを作り、その一つを例のツアーで使用しました。アルバム「魔物語」のライナーノーツで、ケイトは彼に感謝しています。「ケビン・マカレアさんはいろいろ工夫してくれて、ショパンを弾いてくれました」長年にわたり、ケビンはベス・メイク・ハニー、クラナド、バーバラ・ディクソン、Drフィールグッド、エンヤ、デビッド・ギルモア、ロイ・ハーパー、カースティ・マッコール。シール、ポリ・シトリーン、キム・ワイルドといった人たちと仕事をしています。自身のバンドとして、ケルティック・オービッツもあります。

ドイツのテレビでケイト、デル・パーマーとともに神秘の丘を演奏するケビン(右)
ドイツのテレビでケイト、デル・パーマーとともに神秘の丘を演奏するケビン(右)

アルバム「愛のかたち」では、ケビンは「魔女」でシンセサイザーのシークエンスを担当し、「朝もやの中で」で自身がデザインしたシンセサイザーを演奏しています。2014年にはこれが一周し、1979年のツアーに続いてケイトとともにステージに上がった唯一のミュージシャンとなり、キーボードやイリアンパイプ、アコーディオンを演奏しました。

ジョン・キャリン(ビフォー・ザ・ドーンでキーボード、ギターなどを担当)はインスタグラムで写真を共有し、友人のケビンを「私がステージを共にした中で最も美しくスマートで才能がある人物の一人です。ケイト・ブッシュが1979年の最初のツアーから招待した唯一のミュージシャンで、ケイトのアルバムでも多く演奏し、愛のかたちではなんとデザインした自作のシンセを演奏しています」1984年には、ケビンはネーナの世界的ヒット99 Luftballonsの英語板の歌詞を書いています。大した才能です。

イリアンパイプを演奏するケビン・マカレア - ビフォー・ザ・ドーン、2014
イリアンパイプを演奏するケビン・マカレア - ビフォー・ザ・ドーン、2014(写真:ジョン・キャリン)

愛のかたち ― 今日のできごと

2月10日、ロンドンのグロブナーハウス・ホテルでケイトは、今は「Brits」として広く知られているBPIアワードのために、発売予定のシングル「愛のかたち」を演奏しています。アルバムからの3枚目のシングルで、1週間後にリリースされることになっていました。毎年恒例のイベントの6回目の開催で、ヒューイ・ルイス・アンド・ザ・ニュース、フィル・コリンズ、ティアーズ・フォー・フィアーズなどビッグネームが出演していました。

ケイトと共にステージに立ったのは、パディ・ブッシュジョナサン・ウィリアムズ(共にチェロ)、キーボードのデル・パーマー、ドラムキットにはスチュアート・エリオットと弟のリンゼイ・エリオット、そのセンターにチャーリー・モーガンがお似合いのソフト帽姿で電子ドラムキットを叩いています。パフォーマンスの最後には、ガウ・ハンターが登場してダンスし、素晴らしい瞬間を作ります。ケイトと前月にミュージックビデオを完成させたばかりでした。

1986年2月、BPI賞で愛のかたちを演じるケイト
1986年2月、BPI賞で愛のかたちを演じるケイト
パフォーマンスの最後にガウ・ハンターと踊るケイト
パフォーマンスの最後にガウ・ハンターと踊るケイト

ケイトは「愛のかたち」でベスト・ブリティッシュ・アルバムにノミネートされ、賞を競ったのは、フィル・コリンズのノー・ジャケット・リクワイアード、ダイヤー・ストレーツのブラザーズ・イン・アームス、ユーリズミックスのビー・ユアセルフ・トゥナイト、ティアーズ・フォー・フィアーズのザ・ビッグ・チェアでした。今ではこのアルバムは史上最高のアルバムの一つと見なされていますが、ケイトはコリンズに負け、イベントからの賞を受賞せずに家に帰ることになりました。それでも、神秘の丘でベスト・ブリティッシュ・フィメールとベスト・ブリティッシュ・ソングにノミネートされています。しかしケイトはその後、1987年の賞で勝利を収め、業界での揺るぎない地位を得ることになりました。

1986年2月、BPI賞で愛のかたちを演じるケイト
1986年2月、BPI賞で愛のかたちを演じるケイト

愛のかたち –今日の作品

katebushcollectables.comのご協力でお届けします)

大空 – USA版12インチ

ケイトの7インチと12インチのシングルリリースでは、トラックリストにいくつかの興味深いバリエーションがあります。例えば、この大空(メテオロジカル・ミックス)USA版12インチのアナログ盤リリースは、グレーの「EMI America」ラベル(カタログ番号V-19213)のカードスリーブに入ったものです。他のすべての地域ではもう二度と(愛の形の素晴らしいB面)と朝もやの中でがB面ですが、このエディションは特別で、ナインス・ウェーブの最後の曲の代わりに大空のスペシャル・シングル・ミックスが収められています。アルバムを購入済みのアメリカのファンにとっては特別な価値があります。

愛のかたち ― 今日のトリビア

ディック・バードによるビフォー・ザ・ドーンでの「ウォッチング・ユー・ウィズアウト・ミー」のデザインモデル
ディック・バードによるビフォー・ザ・ドーンでの「ウォッチング・ユー・ウィズアウト・ミー」のデザインモデル

ケイトのビフォー・ザ・ドーン・コンサートのためのセットで12種類のデザインを作り直したものがあるのを知っていますか?

とても美しいナインス・ウェーブのウォッチング・ユー・ウィズアウト・ミーは、このアルバムの中での私のお気に入りの曲の一つで、一連の組曲の中で難破した主人公が経験するとても不気味な悪夢を表現しています。ケイトは1985年のファンクラブ会報でこの曲について次のように説明しています。「家に帰りたい気持ちについて歌っています。彼女が望んでいるのは、自分の周りに持ち物がある居心地の良い雰囲気があって、四方の壁としっかりした地面の安心感があり、が愛するものと一緒に過ごせることだけなのです。自分の精神がその場所にいることに気付き、火のそばの椅子に愛する人が座っているのを見つけますが、しんじられないことに、実際にはそこに実際にはいないようなのです。現実の存在ではないからです。そして、愛する人を見ることができても、彼の方は彼女を見ることができない。2人はコミュニケーションをとることができないのです。これは、これまで体験したことのない恐ろしい悪夢です。一見するととても快適な感じに見えているのに、実はその真逆だからです

ディック・バードのセットデザインモデル – 細部
ディック・バードのセットデザインモデル – 細部

ビフォー・ザ・ドーンのコンサートでは、ケイトはステージ上でパフォーマンスを含めてこの曲を視覚化しますが、デザインをディック・バードに依頼しました。ディックの言葉より:「今までロックンロールはやったことがないし、人生で最も並外れた18ヶ月でした。ある意味では、マグニフィセント・セブンのようなチームを編成することから始めたので、私にとってはとても珍しいことでした。ゆっくりとならず者や酔っ払いのチームをまとめ、素晴らしい戦闘クルーになるまで鍛え上げたのです。ケイトはこの魅力的なチームをゆっくりと形にしていきましたが、すべてが完全にオリジナルであることを望んでいました。そのため、いろいろ試してみました。私たちは実験をするためにハマースミス・アポロを1週間貸し切りにしたり、ノーサンプトンにあるすき間だらけの倉庫でシルクの幕やLED効果を試したりしました。一つのショーのためにこれほど多くの模型を作ったことはありません

シーンでアルバート・マッキントッシュとボブ・ハームズの後ろに登場するケイト
シーンでアルバート・マッキントッシュとボブ・ハームズの後ろに登場するケイト

いんしょ的なリビングルームのセットは、最終的なものが選ばれるまでに、12の異なるデザインを経て決定されました。番組では、静かに舞台上を滑り、海の波のように左右に傾いているため、前方のテレビが左右に滑っていました。隠されたパネルによって、ドアを閉めたときにケイトの「精神」が突然現れます。聴衆があっという声が聞こえた巧みなトリックでした。上では、ライフジャケットを着たキャストが建物の「屋根」から、俳優ボブ・ハームズとケイトの息子アルバート・マッキントッシュの間で繰り広げられる家庭内のコメディーのようなシーンを見下ろします。2人は「ママ」の帰りがなぜこんなに遅いか、不思議に思っているのです。

ディック・バードにとっては少年時代のアイドルと出会うチャンスでした。彼は笑いながら語ります。「13歳の時、私は狂ったように彼女に恋をしていました。彼女は私の初恋のような存在で、35年後に会うことになったのはとても奇妙な感じです。ディックの友人であり、衣装や小道具の作家であるロブ・オールソップが、ケイトの望みで影絵人形を使ってすでに仕事をしており、ロブからディックが人形を使って関わっていた作品を見るように勧めたのです

ディック・バード – セットデザイナー
ディック・バード – セットデザイナー

ケイトから電話を受ける前、ディックは少し不思議な言い方をされていました。彼の回想によると「45分ほど前に、誰かが電話をかけてきて、『この時間はお暇でしょうか、何のためにお聞きしているかは申し上げられないのですが』と言いました。それから45分後に電話が鳴り、それはケイト・ブッシュからでした。35年の片思いでしたよ。私はものも言えない状況でしたが、ケイトは『あなたの作品が本当に大好きです』と言ってくれて、私も『とんでもない、こちらこそです』と答えていましたた。彼女は非常に並外れた素晴らしい人です

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