2025年9月7日日曜日

愛のかたち40周年:7日目

愛のかたちの40周年を記念するために、9月は毎日1つずつタイムカプセルを作ります。この偉大な作品に関連した人、出来事、モノを、1985年から現在までいろいろ集めます。

With just one hand held up high I can blot you out, out of sight Peek-a-boo, peek-a-boo, little Earth

愛のかたち ― 今日の人

今日紹介する愛のかたちの共演者は、アップライトベース、ギター、マンドリン、トランペット、トロンボーン、ティーチェストベースなど多彩な楽器を操る奏者です。ダニー・トンプソンはダブルベース奏者として最もよく知られているイギリスのマルチプレイヤーです。リチャード・トンプソンやジョン・マーティン、ニック・ドレイク、ドノヴァン、バート・ジャンシュなど、様々なミュージシャンと共演しており、イギリスのフォーク・ジャズ・バンドであるペンタングルの創立メンバーでもあありました。

ダニーのケイトとの最初の仕事は、ドリーミングのアルバムピンを引き抜けでのウッドベースでした。「ケイトはジョン・マーティンと一緒に会いに来たものです。素晴らしい女性です。ピンを引き抜けでは、サンプラーを通したベースを使いました。純粋なアコースティックサウンドの代わりに、自分たちで音を作りました。『これでいいでしょうか』と聞かれましたが、『私は仕事としてやっていて、お金はいただいているので、お好きにしてください』と言いました。もったいぶって『私のベースのサウンドを台無しにするな』とは言いません。アルバム「愛のかたち」では、ウォッチング・ユー・ウィズアウト・ミーでダニーが演奏しているのが聞こえます。「ケイトと仕事ができるのは夢のようです。ほとんどの人は、こうした象徴的な人は手の届かない存在だと思っているでしょう。でもご自宅に立ち寄ると、ケイトが「ダニーさん、お茶を飲みたいですか?」と言うのです。そしてスタジオに入ると、音楽に真剣に取り組む別の姿を見せます。素晴らしいアーティストと一緒に仕事をできるのは、素晴らしい職業です。

エバーハルト・ウェーバーと同様に、ケイトはダニーのユニークなベースの才能をどう使うのが一番良いかを分かっていました。ケイト・ブッシュ・クラブのニュースレターで、彼女はこう語っています。「ダニーに関しては、とてもライブなサウンドを使いました。アンビエントルームで弾いている音が魅力的だと感じたのです。ポール(・ハーディマン、エンジニア)は、ベースの音と部屋の雰囲気の良いバランスをとり、ダニーはジャングルキャットのような素晴らしい感触を曲に加えました。ダニ―はとても繊細なプレイヤーで、どういう曲であるかを知り、自分が何をするべきかを理解しようとする人です。まさに「感覚」の人です。

ダニー・トンプソン(1978年)
ダニー・トンプソン(1978年)

ケイトのキャリアの中で後には、ダニーはディレクターズ・カットのラバーバンド・ガールでベースを乗せるように頼まれています。また、2011年の雪のための50の言葉に収められた壮大な叙事詩の曲、ミスティーでも活躍しています。昨年、「ラウダー」誌のインタビューで、ダニーはケイトについてこう語っています。「素晴らしい創造的なプロセスでした。確実にコントロールしていました。最近も会いましたが、あいかわらず素敵な人です。本当にすがすがしく、立派な人というのはいつも『平常』で、なにごとにも影響を受けず変わらないのですね。周りで起こっていることには動かされず、本当に良いと思うことをしているだけなのです

愛のかたち ― 今日のできごと

ケイトとEMIは、「愛のかたち」のリリース前後の数か月の間、神秘の丘とアルバムのプロモーションについて真剣でした。その結果として、一連のテレビでのパフォーマンス(当時は当たり前のようにすべてリップシンクでした)があり、ケイトと何人かのKBミュージシャンがヨーロッパ中で楽しそうに新しい音楽を視聴者に届けているのを見ることができます。

1985年9月5日、ドイツのテレビ番組「エクストラツアー」での出演を今日は見てみましょう。シングルのジャケット画像を背景にスタジオの観客の前で収録していて、ケイトと一緒に登場しているのはマーチングドラムのチャーリー・モーガンとギターのデル・パーマーのみです。曲の最後でケイトがお辞儀をするときの、デルの楽しいロックンロールジャンプに注目です。すばらしい。

愛のかたち –今日の作品

katebushcollectables.comのご協力でお届けします)

ウォーチャイルドはかなり前からケイトのお気に入りのチャリティーで、自信の曲の音の波形をベースにしたアート作品をいくつか作って支援をしており、その中には「神秘の丘」の音の波形をベースにしたいくつかのバージョンもあります。ファウンデーションの記事より:「ケイトはまったく惜しむところなく時間をつかってくれて、そのコレクションで得られた資金は、今日私たちが住んでいる世界の中で、ウォーチャイルドUKにとってこれまで以上に貴重なものになるはずです」

以下は、2023年にケイトが自宅で署名した「神秘の丘」の2番目(かつ最後)のバージョンです。2つの配色があり、それぞれ75枚のプリントが用意されました。すべてのプリントにはケイト・ブッシュとサウンドウェーブ・アーティストのティム・ウェイクフィールドがサインしています。すべてのアートワークには1/75~75/75の番号が付けられています。詳細は、こちらのサウンドウェーブのサイトでご覧ください。

愛のかたち ― 今日のトリビア

週末なので手軽なのを1つ。大空スペシャル・シングル・ミックが、現在はフィッシュピープルの再発盤のすべてで1985年のオリジナル・アルバム・バージョンを置き換えており、2011年以降はアルバム「愛のかたち」の標準アルバムトラックになっています。後のパーカッシブな盛り上がりと対称的に、シングルミックスでソフトに始まるのが好みの人もいます。オリジナルアルバムのミックスを好む人もいます。ケイトは明らかにシングルミックスがお好きなようで。あなたのお気に入りはどちらでしょうか。

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