
エアリアルのアルバム20周年を記念して、今週は本日11月7日(発売記念日)まで毎日1つずつタイムカプセルを作ってきました。これは、ケイトのすばらしい8枚目のスタジオアルバムに関連するイベント、人、物品などを、その日ごとに集めたものです。多くの人にとって、まだ「新しい」アルバムだと感じられるはずで、とても20年経ったとは思えませんが、このアルバムからはまだまだ美しい贈り物が現れて続けています…ご一緒にエアリアルを振り返って楽しんでいただけたでしょうか。

エアリアル –今日のできごと

今日は、2005年11月7日の「エアリアル」のアルバム発売の20周年の日です。「スカイ・オブ・ハニー」のライブを、それも(かなり拡張した)完全版で聞けたことは、私にとって多くのファンにとっても本当に夢が実現したといえますが、今でもまだシュールに感じます。22回にわたるビフォー・ザ・ドーンの公演は全てのレベルで成功を収めました。「エアリアル」のお祝い投稿を続ける中で、ケイトがオープニングアクトにも「シー・オブ・ハニー」の2曲を入れたことを思い返すとゾクゾクします。
ですから今日は、このエアリアル・ウィークの最後のできごととしては、ケイトが最も壮大で時代に耐えるコンセプチュアルな作品2つと、その他のすばらしい曲をステージ上で演奏したということだけで、十分でしょう。ファンもそのようなことが現実に起こるとは夢にも思ってなかったのです。


ケイトは「シー・オブ・ハニー」収録のジャンヌ・ダルクを主題にした曲「ジョアンニ」をコンサートのオープニングで演奏することを選びました。ケビン・マカレアは、フランスのルーアンで大聖堂の鐘を録音していて、それをリハーサルで流しましたが、まさにジャンヌ・ダルクが運命に出会った場所なのです。ケイトは、より成熟した声に合わせるために曲のキーを変更しており、彼女によれば、「まずみんなが言ったのは『これはずごい。ピッチが合っている』ということでした」と回想しています。「もし曲のピッチを下げていなかったら、ピッチが合わなかったのです」。舞台奥のライトは、この曲が演奏されたときには炎が波打ちながら上がるような効果を生み出していました。ケイト「何千人もの兵士」と対面するのです。

キング・オブ・ザ・マウンテンは、ショーを観た多くの人にとってライブの1つのハイライトとなりました。アルバムバージョンから大幅に違うバージョンで、勢いをどんどんつけて破壊的な嵐を呼び起こし、ナインス・ウェーブのセクションにつなぎました。ケイトは曲の最後で「there’s a storm rising!」と叫んで締めくくり、金色の紙吹雪と雷の効果の爆発で終わり、ミノ・シネルが回すものすごいブルローラーの音が会場中に響きわたりました。
ライブアルバムがリリースされる前に、「キング・オブ・ザ・マウンテン(ライブ)」は、2016年10月16日にBBC6ミュージックで独占的に流されました。「これはすごい、すばらしい!」というのが、DJのショーン・キーベニーが8分のトラックを全曲流した直後のオンエアでの反応でした。スタジオにマット・エベリットもいて、この2人から「画期的」「美しい」「最高」などおしげない賞賛が続きました。リスナーとプレゼンターの両方からの反応があまりにもすごかったので、この番組では1時間後に再び全曲を流しました。
実のところ、コンサートについて、特に「スカイ・オブ・ハニー」については一日中でも話すことができるのですが、すでに話したことがありました。それは、ケイト・ブッシュ・ファン・ポッドキャストの「ビフォー・ザ・ドーン」についての3部作のエピソードの中でです。以下の30分の抜粋では、「スカイ・オブ・ハニー」のステージ全体について話しています。開演の夜の公演を見た記憶をできるだけ表現しようとしました。お楽しみください。









エアリアル – 今日の人
私は9月に「愛のかたち」について1日1つずつ30個のタイムカプセルをまとめた時に、多くのミュージシャンをハイライトまし(こちらでチェックしてください)。今日は、ケイトと再び「エアリアル」で仕事をした素晴らしい人々を簡単に紹介しようと思います。まさにケイト・ブッシュの「オールスター」で、その中にはすでに存命ではない人もありますが、エアリアルのような壮大なレコードの溝の中で永遠に生き続けるはずです。

順番に紹介しましょう。偉大なデル・パーマーは、「エアリアル」の素晴らしいレコーディング・ミキシング・エンジニアであるだけでなく、5曲のアルバム・トラックでもベースギターを演奏しています。キング・オブ・ザ・マウンテン、透明人間になる方法、ジョアンニ、サムウェア・イン・ビトウィーン、エアリアルがその曲です。
パディ・ブッシュは、妹のカムバック・シングル「キング・オブ・ザ・マウンテン」が2005年10月にチャートを席巻したとき、「The wind it blows…」という自分のバック・ボーカルを聴いてとても嬉しかったことでしょう。スチュアート・エリオットはケイトの作品の多くで才能を発揮しており、π~円周率、透明人間になる方法、サンセット、サムウェア・イン・ビトウィーンの4曲でドラムを演奏しています。
ジョン・ギブリンは、建築家の夢、3セット、ノクターンの3曲に非の打ちどころのないベースを加えましたた。エバーハルト・ウェーバーも、再びケイトと共演し、π~円周率やプロローグエレクトリック・アップライト・ベースを演奏しており、マイケル・ケイメンはプロローグとペインターズ・リンクのスコアを書き、アビー・ロードでケイトとともにオーケストラの作業を終えましたが、それから数週間のうちに、2003年11月に亡くなりました。今は亡きデル、ジョン、マイケルのことを改めて思い出しましょう。

スーパーヒーローと言えば、この下のアートワークは素晴らしいので、どこかで共有しなければならないと思っていました。アーティストのリアム・アレクサンダーは、ケイト・ブッシュのコミックブックのカバーの絵を、各アルバムに1つずつ全アルバムについて描いています。下には、エアリアルの2つのカバーを紹介しています。アルバムに収録されている全曲が、細部のどこかに描き込まれています。印刷したものを、本人のショップのこちらで購入できます。

エアリアル – 今日の作品
(katebushcollectables.comのご協力でお届けします)
ジョーダン・アトキンソンはビフォー・ザ・ドーンで購入できたケイトのグッズを手がけていますが、その細部へのこだわりは驚くほどです。彼のサイトではこのように書かれています:「ファイアブランド、ケイト・ブッシュ、ケイトのクリエイティブチームとの共同で、私はグッズのデザインを担当しました。ケイトのコンサートに関するビジョンを反映したグッズをいくつかデザインしました。アパレル、レスキューキット、ツアープログラムなどです。
羽根や鳥のイメージがたくさんありましたが、「スカイ・オブ・ハニー」に関連するアイテムの中には、特別なデザインのノクターンTシャツがあります。

ジョーダン・アトキンソンはこう書いています。「そして、ツアーの日程の月周期をベースにして、バックプリントを制作し、情報を含むようなコンセプトで制作することができました。ケイトから、「ノクターン」の歌詞を鳥の翼の中に描くようにリクエストがありました。これがクロウタドリに描き込んだ初期のコンセプトです。最終的には、Tシャツの後ろの翼に描き込んだものが選ばれました」




エアリアル – 今日のトリビア

エアリアルのジャケットに登場するサウンドウェーブを一週間見てきましたが、もちろん今ではこれがクロウタドリの鳴き声の波形であることは誰もが知っていますね。では、クロウタドリの唄の具体的にどの部分かを考えたことはあるでしょうか。ネット上では賢い人たちがそれを解明してくれています。大きな手がかりはエアリアルのブックレットのアートワークからタイミングが分かることです。このサウンドウェーブはちょうど2秒弱の音だということが分かります。

レコードからクロウタドリの鳴き声を分離すると、下のクリップのように、オリジナルのクロウタドリの声でサウンドウェーブを聞くことができます。
2005年、ケイトは黄色のサウンドウェーブグラフィックが前面と背面に施されたモーブコットンのTシャツを作りました。当時はオンラインストアでも販売され、プロモーション目的でも配布されました。マニアックな事実:背面のプリントには別のサウンドウェーブがありました…

しかし、象徴的なサウンドウェーブのイメージはまだ終わりではありませんでした。2018年、ケイトは拡大版のリマスタープロジェクトに向けてカタログ全体に行われていたサウンドのリマスタリングを伝えるために、エアリアルの鳥の声のサウンドウェーブのイメージを再度使用しました。エアリアル収録の透明人間になる方法のフレッシュなリマスターがテレビ広告に使用され、アイルランドの俳優ジョン・リンチがナレーションを務めました。
サウンドウェーブ付きのリマスターロゴは、ポスター、トートバッグ、リトグラフにも採用され、クライシスというホームレスのチャリティーの支援として、ロンドンのコールドロップヤードで2018年12月5日~10日の5日間、特別ポップアップショップイベントでのプロモーションに使用されました。このショップの詳細については、こちらニュースアイテムを参照してください。


ケイトが希望した素晴らしいデザイン作品の1つは、この素晴らしいフーディーのデザインでした。このサウンドウェーブは、ケイトのすべての曲のタイトルを小さな文字で書いたものに、リリィの歌詞を少し加えたものです。。これはスチュアート・クラウチの作品であるはずです。ケイトの公式サイトでは、これ(同じデザインのトートバッグも)を購入することができます。



エアリアル – 今日の鳥

今日はもちろん、主役のミスター・サウンドウェーブであるクロウタドリを選ぶしかないでしょう。アイルランドとイギリスで最も一般的に見られるツグミ族の一員です。真っ黒い羽と雄の黄色いくちばしですぐ分かります。しかし、雌はかなり茶色く、上胸に斑点があり、一見するとウタツグミに似ています。警戒したときや地面を走るときには、よく長い尾を立てます。
ケイトがどれだけクロウタドリを愛しているかを把握しようと、作家のリア・カルドスは、自身のお薦めの本「愛のかたち(33 1/3)」の中の章でケイトのキャリア全体から取った例を詳しく説明しています。本はこちらで購入できます。レアが紹介している例のいくつかを簡単に紹介します。
1980:ニック・プライスによる「魔物語」のカバーアートワークには、ケイトのスカートの下から飛び出すクロウタドリが描き込まれており、リアはそれについて「音符が生まれて後に続く」と書いています。
1985:ナインス・ウェーブの「魔女」では、海で遭難した女性が魔女だととして責め立てられ、「Help this blackbird! There’s a stone around my leg…」と叫びます。この言葉は、2014年のステージでは、ナインス・ウェーブとノクターンの両方で聴くことができました。
1993:2007年にオンラインで流出したホワイ・シュッド・アイ・ラブ・ユーの初期デモバージョンでは、「If I could sing like a Blackbird, just like my heart was filled with summer」という歌詞がありました。
1993:アンソニー・クリックメイが撮影した「レッド・シューズ」のプロモーション写真でのケイトの衣装について、レアはこう書いています。「黒と赤のガウンで、胸には真珠のような輝きの羽根があしらわれています。頭の上には、クロウタドリがファシネーターハットのように置かれています。

1993:「ライン、クロス、カーブ」のミュージックビデオの「じんせい、そして愛」ではケイトが「暗いダンススタジオに閉じ込められたクロウタドリを捕まえて放すが、ガラスの窓にぶつかって死んでしまいます。彼女はその亡きがらを拾い上げ、キスをします。赤い靴の呪いを解くために鏡の世界に入ったとき、クリックメイの写真にも使われた羽根のガウンに身を包み、その髪には翼を上に向けたクロウタドリが置かれています」とリア・カルドスは本の中で説明しています。
1996:作詞家のドン・ブラックはBBCラジオ2の番組「ゼイ・ライト・ザ・ソングス」でケイトについて次のような逸話を語っています。「数週間前にケイトに会いました。..彼女に好きな歌手がいるかと尋ねると、一番のお気に入りはクロウタドリで、2番目はツグミだという返事でした。ケイトは独特ですね」

2005:そして、エアリアルです。まず、クロウタドリののサウンドウェーブを使ったアルバムカバーのデザインがあります。クロウタドリは、「スカイ・オブ・ハニー」のいたる所に現れ、特に「エアリアル・タル」では、「ブッシュがインドのタラ音楽のスタイルで鳥の歌を模倣しています」とリア・カルドスは書いています。「そしてタイトルトラックのフィナーレでは、クロウタドリが曲の全編で登場し、それに合わせてブッシュが笑います」
2005年のモジョでのトム・ドイルによるインタビューでは、ケイトは次のように述べています。「まるで光を歌っているようです…そして、私たちには理解できない言葉だと考えてみると面白いですね。「出ていって。ここは私の場所よ」と聴こえるのもあります。「まあ、あなたは良いわよ」と言っているのもあります。でも、それ以上のものがあるのです。信じられないほど複雑です」
2011:リアは著書の中で、タイトルトラックの雪のための50の言葉の4番目が「Blackbird Braille」であると指摘しています。
2014:ビフォー・ザ・ドーン(上記の「今日のできごと」とポッドキャストの抜粋を参照)について、リア・カルドスは次のように書いています。「ブッシュは『魔女』の曲の終わりで一瞬黒い翼を身につけ、コンサートの終わりにも再び、『エアリアル』の最後の瞬間に翼をつけて飛行します」
リア・カルドスの「愛のかたち(33 1/3)」は、こちらで購入できます。

今週の羽のある仲間たち情報は、バードウォッチ・アイルランドのウェブサイトからいただきました。今日の作品についてはkatebushcollectables.comサイトのジェームスにお世話になりました。ブライアン・クローリーは美しい20周年記念グラフィックをつくってくれました。トリスタン、ピーター、クリス、デイブ、ダレル、ペッカ、ポール、そして助けてくれたすべてのKBの仲間に感謝します。何もかも、「エアリアル」を作って世に送り出してくれたケイトのおかげです。そしてこの1週間のお祝い投稿を読んでくれた皆さんにも感謝です。

最後に、2005年10月にEMIミュージック・アイルランドのメディア責任者として働いていたピート・マーフィーに感謝したいと思います。リリースの数週間前に、ここダブリンにある美しいオフィスでエアリアルを試聴させてもらったのです。そのときは胸が爆発するかと感じたものです。ケイトがこんなアルバムを作ってくれたらいいのにと思っていたようなアルバムで、自分の体が浮き上がってビルから空に昇る気分でした。上にあるのは、その忘れられない日にもらったピンバッジとはがきです。–ショーンより
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