2021年7月17日土曜日

ジョー・キャシディーさんを偲んで

今週入ってきた悲しい知らせは大変なショックでした。それはベルファスト出身のシンガーソングライター、プロデューサー、作曲家、そしてフロントマンであったジョー・キャシディーさんが亡くなったという話です。 まさに昨年の秋、彼はアイ・ウォナビー・ケイト: リマスター拡張版のプロジェクトに、 バンドネームのバタフライ・チャイルドという名前でケイトのトップ・オブ・ザ・シティの とても美しいカバーバージョンを寄せていたところでした。 ご家族や近親の方々に私たちから哀悼の意をささげます。

アイ・ウォナビー・ケイトのプロデューサーでジョーさんを良く知るトーマス・ダニングさんはこう語っています:

ジョーさんは友人としても理想的な人で、とても才能があり仕事に打ち込む気前のいいミュージシャンでもありました。 彼は相手がプロのミュージシャンであってもなくても、自分で才能があると思っていてもいなくても、 たくさんの人に音楽をつくることの技術や楽しさを伝えてきた指導者ででした。 とても親切で大の動物好きだったことも、素敵なポップスやロックやオーケストラ作品の制作と同じように 印象的でした。 これから寂しくなりますが、ジョーさんの音楽への愛に触れられたことは本当にありがたいことでした。 残された最後の作品がアイ・ウォナビー・ケイトに提供された作品であったことは誇りに思いますし、 最後の "Put me up on the angels shoulders. Mmmm, Yes!" というのが まさに彼がいま在るところを示していると感じます。 私の人生の中のごほうびのような存在です。 トーマス・ダニング

ジョー・キャシディーの音楽のキャリアは3つの10年紀にまたがり、 その間にベルファストからマンチェスター、ロンドン、そしてシカゴから最後は2007にロサンジェルスへと移りました。 彼のキャリアは二様性の追求でした。自身のプロジェクトは インディーレーベルのラフトレードやH.arkに取り上げられる一方 アリスタ/BMG、Hit It!/Tommy Boy、Dedicated/BMG、RCA、ユニバーサルといった メジャーレーベルにも提供しています。 リバプール・シンフォニーやシカゴリリックオーケストラのメンバーからなる 弦楽四重奏団にも曲を書いていますし、「ベティー・ペイジ・アンセンサード」、 「スタン」、「ハリウッド」といった映画の音楽も手掛けています。 2011にはサンダンス・グランド・ジュリー・プライズの優勝作品「ウイ・リブ・イン・パブリック」や 2011のエミー賞作品「ホールド・アット・オール・コスト」にも参加しています。

彼のバンドバタフライ・チャイルドは シンフォニックなラブソングで有名ですが、バンドのアサシンズは エレクトロポップ系のダンス音楽です。どちらも熱心なファンが付いています。 さらに、大作曲家のジミー・ウェッブとグレン・キャンベルの曲のプロデュースなんてことも やっています。 アメリカとヨーロッパとの両方で演奏活動をしていて、ロラパルーザにも出ていますし、 ニューオーダーやミューズ、トラヴィス、デュラン・デュランなどのサポートもやっています。

ジョーがジャンルを超え、大陸をまたがって成功を収めたのは、 ローリング・ストーンが評するところの「シンプルなポップソングの才能」によるのだろう。 彼の曲はどれもその芯に音楽的にも物語としても心に響くメロディーがある。 ジョー・キャシディーのスタイルは、"パブで酔っ払って何かきれいなものを見たとして、 それが動くのをぼんやりと見ているというようなのが、頭の中でなっている音楽でしょう"

アイ・ウォナビー・ケイトでの自身のトップ・オブ・ザ・シティに ついてのジョーさんの言葉です:

トップ・オブ・ザ・シティにはずっと感じるところがありました。 レッド・シューズのアルバムを発売日に買って、すぐにこの曲が 特に好きになりました。 たとえばセンシャルワールドみたいな曲は完璧すぎて カバーしようとも思わないですが、 トップ・オブ・ザ・シティの場合は自分なりのアレンジをしてみて 遊んでみてもいいかなという気がしました。 最後にモリー・ブルームを出すところを含めて。 夜明け前のアルバムのライブバージョンも聞いてみて、 そこからも少しアイデアをもらってレコーディングに臨みました。 レコーディングはとても早く進みました。録音は自分だけで1日の間にすませて、 ミックスにはもう少し時間をかけましたけど。

ケイト・ブッシュはとんでもない存在です。声もダンスも、美しいしあの作曲の才は永遠でしょう。」 ジョー・キャシディー、2020

トーマスさんがこのトラックを無料ダウンロードで提供してくれています。

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