2025年7月24日木曜日

ピーター・リチャードソンがエディンバラでケイト関連のコミックストリップ映画を上映

ケイト・ブッシュとコミック・ストリップGLC、レ・ドッグス

今年のエディンバラ・フリンジ・フェスティバルの一環として、カルト的な古典コミック・ストリップ映画の独占上映と、作家であり監督のピーター・リチャードソンとゲストとのQ&Aが行われます。ケイト・ブッシュのファンにとって特に興味があるのは、映画GLC(ケイトがサウンドトラックを担当、ゲストにアレクセイ・セイルを迎える8月3日午後1時の上映の一部として、チケットはこちら)とレ・ドッグス(ケイトが主演、ゲストにスティーブ・オドネルを迎える8月8日午後1時の上映の一部として、チケットはこちら)でしょう。

ここでは、あまり詳しくない人のために、ケイトがコミック・ストリップ・プレゼンツのテレビドラマに関与した背景を少し紹介します。ケイトは1980年代にイギリスで注目を集めたイギリスのオルタナティブ・コメディアンを以前から称賛しており、「ザ・ヤング・ワンズ」をお気に入りの番組の1つに挙げています。

コミックリリーフのためにローワン・アトキンソンと「ドゥ・ベアーズ」を演奏するケイト(1986)

こうしたことがきっかけで、1986年にはコミックリリーフでローワン・アトキンソンとデュエットし、エクスペリメントIVのミュージックビデオにはドーン・フレンチとヒュー・ローリーが出演しています。その後にも、レニー・ヘンリー(「ホワイ・シュッド・アイ・ラブ・ユー」)、スティーブン・フライ(「雪のための50の言葉」)、ロビー・コルトレーン(「魔女」と「ディーパー・アンダースタンディング」)、のL・フィールディング(「ディーパー・アンダースタンディング」)といった人と、自身の音楽や映像のプロジェクトで共演しています。

レニー・ヘンリーとドーン・フレンチとコミックリリーフを宣伝するケイト(1986)

2014年にビフォー・ザ・ドーンの連続公演が行われた頃には、次に上げるような人たちがゲストで来ていたのは、驚くようなことではなくなっていました。ビル・ベイリー、リッキー・ガ―ベイズ、ドーン・フレンチ、フランク・スキナー、スティーブン・フライ、ジョー・ブランド、ノエル・フィールディング、シャロン・ホーガン、スティーブン・マーチャント、サー・レニー・ヘンリー、スー・パーキンス、スティーブ・クーガン、スティーブン・マンガン、リック・グリムショー、デビッド・ウィリアムス、ジョジー・ローレンス、サイモン・アムステル、ショーン・ロッケ、そしてクランキーズまで。こんな人たちがケイトの仲間です。

ピーター・リチャードソンが前年にケイトの「センシャル・ワールド」のすばらしいミュージックビデオを監督していたことから、1990年2月15日にイギリスのBBC2では、ピーター・リチャードソンが脚本と監督を手掛けたコメディーのアンソロジーシリーズ「コミック・ストリップ・プレゼンツ」のエピソード「GLC:ザ・カーネージ・コンティニューズ」が放送されました。この30分の番組は、1980年代にグレーター・ロンドン・カウンシル(GLC)を(ロビー・コルトレーンが演じる)ケン・リビングストンが乗っ取り、その後マーガレット・サッチャー首相によってい解散されるまでを描いたハリウッド映画のパロディで、チャールズ・ブロンソンやシルベスター・スタローンのスタイルのアクション映画として物語を再構築したものです。

「GLC:ザ・カーネージ・コンティニューズ」でケン・リビングストンを演じるロビー・コルトレーン

ケイトはこの回のインストゥルメンタルスコアと「ケン」というタイトルの主題歌を作曲して演奏しています。歌詞には、こうあります「Who’s the man we all need? Ken! Who’s a funky sex machine? Ken!」2014年、ケン・リビングストンはこう発言しています。「ケイト・ブッシュの新しいツアーのチケットを買われるかどうかわかりませんが、前に素晴らしい曲を作っているのをお忘れなく。『Ken Is The Leader of the GLC[ママ]』という曲で、私の家にもあります。とても良い曲です」

ケンは1990年のシングルラブ・アンド・アンガーのB面としてリリースされました。

また、1990年にBBCで番組が放送された翌週の2月26日にリリースされたシングル「ラブ・アンド・アンガー」の追加トラックとして、「ザ・コンフロンテーション」と「この家を出ていく前に」(どちらも同じ回のケイトのインスト曲)とともに、追加トラックとして収録されています。エピソードのサウンドトラックには他にもケイトのインスト曲やコーラスの小品、「神秘の丘」、「魔女」からの抜粋などがフィーチャーされています。

ケイトとピーター・リチャードソン ― 「センシャル・ワールド」のミュージックビデオのセットにて(1989)
ケイトの「センシャル・ワールド」のミュージックビデオを監督するピーター・リチャードソン(1989)
ピーター・リチャードソン
ピーター・リチャードソン

GLCの放送の数週間後、2000年3月8日に、もう1つ、ケイトファンにはもっと嬉しいことがあり、BBC2でピーター・リチャードソンが脚本と監督を担当したコミック・ストリップ・プレゼンツのエピソード「レ・ドッグス」が放送されました。ここではケイトは花嫁アンジェラの役で、結婚式を題材にしたシュールなコメディ映画の主演を務めています。「レ・ドッグス」はジェフリーとアンジェラの結婚式を祝うために大きなマーキーで演奏するバンドの名前です。

レ・ドッグスでのケイト・ブッシュ
「レ・ドッグス」でアンジェラの役を演じるケイト

披露宴の間に、新郎の父親と新婦が言い争いになり、銃撃戦が勃発して多くの客とレ・ドッグスが負傷したが、幸せなカップルは逃げ出します。現場をさまよったビクター(ピーター・リチャードソン)は、結婚式の写真を撮るよう頼まれ、アンジェラに夢中になっていることによる一連の夢のような幻想を見ます。出演はミランダ・リチャードソン、アレクセイ・セイル、ダニー・ピーコック、ジュリー・T・ウォレス、ティム・マキナーニー、キース・アレン、エイドリアン・エドモンドソン、スティーブ・オドネル。

レ・ドッグス」のシーンでのピーター・リチャードソンとケイト
ケイトを含むレ・ドッグスのキャスト
アレクセイ・セイル、ケイト、ミランダ・リチャードソン、ティム・マキナーニー、ダニー・ピーコック、ジュリー・T・ウォレス(「レ・ドッグス」)

ケイトはその後もコミック・ストリップと協力し、ピーター・リチャードソン脚本・監督のエピソード「ワイルド・ターキー」のためにホーム・フォー・クリスマス」を書いています。このエピソードは1992年12月24日のクリスマスイブに放送されました。この曲はルビー・ワックスとフィル・コーンウェル(ターキー)のシーンでフィーチャーされていて、エンドロールでも流れます。この曲は翌年の「モーメンツ・オブ・プレジャー」の12インチシングルに収録され、2018年にはコンピレーションCD「時・アザー・サイド」にリマスター版が収録されました。ピーター・リチャードソンは1993年の映画「ライン、クロス、カーブ」で狂った教授としてカメオ出演しています。

ケイトの歌が流れる中で優しいときを過ごす「ワイルド・ターキー」のルビー・ワックスとフィル・コーンウェル
ケイトの映画「ライン、クロス、カーブ」(1993年)での狂った教授役のピーター・リチャードソン

ピーター・リチャードソンのエディンバラ・フリンジの上映チケット:GLC(ケイトがサウンドトラックを担当、ゲストにアレクセイ・セイルを迎える8月3日午後1時の上映の一部として、チケットはこちら)レ・ドッグス(ケイトが主演、ゲストにスティーブ・オドネルを迎える8月8日午後1時の上映の一部として、チケットはこちら)。リサ・オリバーさんから知らせてもらいました。

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