2025年11月7日金曜日

エアリアル20周年:7日目

エアリアルのアルバム20周年を記念して、今週は本日11月7日(発売記念日)まで毎日1つずつタイムカプセルを作ってきました。これは、ケイトのすばらしい8枚目のスタジオアルバムに関連するイベント、人、物品などを、その日ごとに集めたものです。多くの人にとって、まだ「新しい」アルバムだと感じられるはずで、とても20年経ったとは思えませんが、このアルバムからはまだまだ美しい贈り物が現れて続けています…ご一緒にエアリアルを振り返って楽しんでいただけたでしょうか。

エアリアル –今日のできごと

ビフォア・ザ・ドーンのライブステージでのケイトとアルバート・マッキントッシュ(2014)
ビフォア・ザ・ドーンのライブステージでのケイトとアルバート・マッキントッシュ(2014)

今日は、2005年11月7日の「エアリアル」のアルバム発売の20周年の日です。「スカイ・オブ・ハニー」のライブを、それも(かなり拡張した)完全版で聞けたことは、私にとって多くのファンにとっても本当に夢が実現したといえますが、今でもまだシュールに感じます。22回にわたるビフォー・ザ・ドーンの公演は全てのレベルで成功を収めました。「エアリアル」のお祝い投稿を続ける中で、ケイトがオープニングアクトにも「シー・オブ・ハニー」の2曲を入れたことを思い返すとゾクゾクします。

ですから今日は、このエアリアル・ウィークの最後のできごととしては、ケイトが最も壮大で時代に耐えるコンセプチュアルな作品2つと、その他のすばらしい曲をステージ上で演奏したということだけで、十分でしょう。ファンもそのようなことが現実に起こるとは夢にも思ってなかったのです。

ハマースミスアポロでの「ビフォー・ザ・ドーン」の看板、2014年
ハマースミスアポロでの「ビフォー・ザ・ドーン」の看板、2014年
ノクターンを歌うケイト – ビフォー・ザ・ドーンのコンサート(2014)
ノクターンを歌うケイト – ビフォー・ザ・ドーンのコンサート(2014)

ケイトは「シー・オブ・ハニー」収録のジャンヌ・ダルクを主題にした曲「ジョアンニ」をコンサートのオープニングで演奏することを選びました。ケビン・マカレアは、フランスのルーアンで大聖堂の鐘を録音していて、それをリハーサルで流しましたが、まさにジャンヌ・ダルクが運命に出会った場所なのです。ケイトは、より成熟した声に合わせるために曲のキーを変更しており、彼女によれば、「まずみんなが言ったのは『これはずごい。ピッチが合っている』ということでした」と回想しています。「もし曲のピッチを下げていなかったら、ピッチが合わなかったのです」。舞台奥のライトは、この曲が演奏されたときには炎が波打ちながら上がるような効果を生み出していました。ケイト「何千人もの兵士」と対面するのです。

ミノ・シネルとオマー・ハキム、リズム・マガジン 2014
パーカッショニストのミノ・シネルとドラマーのオマール・ハキム、リズム・マガジン、2014年

キング・オブ・ザ・マウンテンは、ショーを観た多くの人にとってライブの1つのハイライトとなりました。アルバムバージョンから大幅に違うバージョンで、勢いをどんどんつけて破壊的な嵐を呼び起こし、ナインス・ウェーブのセクションにつなぎました。ケイトは曲の最後で「there’s a storm rising!」と叫んで締めくくり、金色の紙吹雪と雷の効果の爆発で終わり、ミノ・シネルが回すものすごいブルローラーの音が会場中に響きわたりました。

ライブアルバムがリリースされる前に、「キング・オブ・ザ・マウンテン(ライブ)」は、2016年10月16日にBBC6ミュージックで独占的に流されました。「これはすごい、すばらしい!」というのが、DJのショーン・キーベニーが8分のトラックを全曲流した直後のオンエアでの反応でした。スタジオにマット・エベリットもいて、この2人から「画期的」「美しい」「最高」などおしげない賞賛が続きました。リスナーとプレゼンターの両方からの反応があまりにもすごかったので、この番組では1時間後に再び全曲を流しました。 

実のところ、コンサートについて、特に「スカイ・オブ・ハニー」については一日中でも話すことができるのですが、すでに話したことがありました。それは、ケイト・ブッシュ・ファン・ポッドキャストの「ビフォー・ザ・ドーン」についての3部作のエピソードの中でです。以下の30分の抜粋では、「スカイ・オブ・ハニー」のステージ全体について話しています。開演の夜の公演を見た記憶をできるだけ表現しようとしました。お楽しみください。

幕間に落とした緞帳に羽毛を描くベリンダ・クリシャム – 次に「スカイ・オブ・ハニー」が演奏されることを示す – ビフォー・ザ・ドーン(2014)
幕間に落とした緞帳に羽毛を描くベリンダ・クリシャム – 次に「スカイ・オブ・ハニー」が演奏されることを示す – ビフォー・ザ・ドーン(2014)
ブリジット・リーフェンシュトゥールがデザインを担当したケイトの「スカイ・オブ・ハニー」コスチューム – www.brigittereiffenstuel.com
ブリジット・リーフェンシュトゥールがデザインを担当したケイトの「スカイ・オブ・ハニー」コスチューム – www.brigittereiffenstuel.com
「画家」役のアルバート・マッキントッシュ – スカイ・オブ・ハニー – ビフォー・ザ・ドーン(2014)
サムウェア・イン・ビトウィーンを歌うケイト – スカイ・オブ・ハニー – ビフォー・ザ・ドーン(2014)
サムウェア・イン・ビトウィーンを歌うケイト – スカイ・オブ・ハニー – ビフォー・ザ・ドーン(2014)
コスチューム姿のボブ・ハームズ – スカイ・オブ・ハニー – ビフォー・ザ・ドーン(2014)
コスチューム姿のボブ・ハームズ – スカイ・オブ・ハニー – ビフォー・ザ・ドーン(2014)
ケイトと人形遣いのベン・トンプソン、人形の「テソロ」、写真家のティム・ウォーカー – スカイ・オブ・ハニーのリハーサル – ビフォー・ザ・ドーン(2014)
ケイトと人形遣いのベン・トンプソン、人形の「テソロ」、写真家のティム・ウォーカー – スカイ・オブ・ハニーのリハーサル – ビフォー・ザ・ドーン(2014)
ディック・バードが担当した舞台装置デザイン – スカイ・オブ・ハニー – ビフォー・ザ・ドーン(2014)
ディック・バードが担当した舞台装置デザイン – スカイ・オブ・ハニー – ビフォー・ザ・ドーン(2014)
鳥の仮面でエアリアルをケイトと演奏するデビッド・ローズ – スカイ・オブ・ハニー – ビフォー・ザ・ドーン(2014)
鳥の仮面でエアリアルをケイトと演奏するデビッド・ローズ – スカイ・オブ・ハニー – ビフォー・ザ・ドーン(2014)
世界中の各メディアで最高評価であった「ビフォー・ザ・ドーン」のレビュー
世界中の各メディアで最高評価であった「ビフォー・ザ・ドーン」のレビュー

エアリアル – 今日の人

私は9月に「愛のかたち」について1日1つずつ30個のタイムカプセルをまとめた時に、多くのミュージシャンをハイライトまし(こちらでチェックしてください)。今日は、ケイトと再び「エアリアル」で仕事をした素晴らしい人々を簡単に紹介しようと思います。まさにケイト・ブッシュの「オールスター」で、その中にはすでに存命ではない人もありますが、エアリアルのような壮大なレコードの溝の中で永遠に生き続けるはずです。

ケイト・ブッシュ・オールスターデル・パーマー、パディ・ブッシュ、スチュアート・エリオット、ジョン・ギブリン、エバーハルト・ウェーバー、マイケル・ケイメン

順番に紹介しましょう。偉大なデル・パーマーは、「エアリアル」の素晴らしいレコーディング・ミキシング・エンジニアであるだけでなく、5曲のアルバム・トラックでもベースギターを演奏しています。キング・オブ・ザ・マウンテン透明人間になる方法ジョアンニサムウェア・イン・ビトウィーンエアリアルがその曲です。

パディ・ブッシュは、妹のカムバック・シングル「キング・オブ・ザ・マウンテン」が2005年10月にチャートを席巻したとき、「The wind it blows…」という自分のバック・ボーカルを聴いてとても嬉しかったことでしょう。スチュアート・エリオットはケイトの作品の多くで才能を発揮しており、π~円周率透明人間になる方法サンセットサムウェア・イン・ビトウィーンの4曲でドラムを演奏しています。

ジョン・ギブリンは、建築家の夢3セットノクターンの3曲に非の打ちどころのないベースを加えましたた。エバーハルト・ウェーバーも、再びケイトと共演し、π~円周率プロローグエレクトリック・アップライト・ベースを演奏しており、マイケル・ケイメンプロローグペインターズ・リンクのスコアを書き、アビー・ロードでケイトとともにオーケストラの作業を終えましたが、それから数週間のうちに、2003年11月に亡くなりました。今は亡きデル、ジョン、マイケルのことを改めて思い出しましょう。

ケイト – トレバー・レイトン撮影(2005)
ケイト – トレバー・レイトン撮影(2005)

スーパーヒーローと言えば、この下のアートワークは素晴らしいので、どこかで共有しなければならないと思っていました。アーティストのリアム・アレクサンダーは、ケイト・ブッシュのコミックブックのカバーの絵を、各アルバムに1つずつ全アルバムについて描いています。下には、エアリアルの2つのカバーを紹介しています。アルバムに収録されている全曲が、細部のどこかに描き込まれています。印刷したものを、本人のショップのこちらで購入できます。

リアム・アレクサンダーによるケイト・ブッシュのエアリアルのコミックブックカバー
リアム・アレクサンダーによるケイト・ブッシュのエアリアルのコミックブックカバー

エアリアル – 今日の作品

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ジョーダン・アトキンソンはビフォー・ザ・ドーンで購入できたケイトのグッズを手がけていますが、その細部へのこだわりは驚くほどです。彼のサイトではこのように書かれています:「ファイアブランド、ケイト・ブッシュ、ケイトのクリエイティブチームとの共同で、私はグッズのデザインを担当しました。ケイトのコンサートに関するビジョンを反映したグッズをいくつかデザインしました。アパレル、レスキューキット、ツアープログラムなどです。

羽根や鳥のイメージがたくさんありましたが、「スカイ・オブ・ハニー」に関連するアイテムの中には、特別なデザインのノクターンTシャツがあります。

ビフォー・ザ・ドーン「ノクターン」Tシャツ – ジョーダン・アトキンソンのデザイン
ビフォー・ザ・ドーン「ノクターン」Tシャツ – ジョーダン・アトキンソンのデザイン

ジョーダン・アトキンソンはこう書いています。「そして、ツアーの日程の月周期をベースにして、バックプリントを制作し、情報を含むようなコンセプトで制作することができました。ケイトから、「ノクターン」の歌詞を鳥の翼の中に描くようにリクエストがありました。これがクロウタドリに描き込んだ初期のコンセプトです。最終的には、Tシャツの後ろの翼に描き込んだものが選ばれました

ビフォー・ザ・ドーンの「ノクターン」Tシャツの、羽根に歌詞を取り入れたオリジナルデザイン – ジョーダン・アトキンソンによるデザイン
ビフォー・ザ・ドーンの「ノクターン」Tシャツの、羽根に歌詞を取り入れたオリジナルデザイン – ジョーダン・アトキンソンによるデザイン
ビフォー・ザ・ドーンの「ノクターン」Tシャツのデザインの細部 – ジョーダン・アトキンソンによるデザイン
ビフォー・ザ・ドーンの「ノクターン」Tシャツのデザインの細部 – ジョーダン・アトキンソンによるデザイン
ビフォー・ザ・ドーンのツアー日程の月周期を取り入れた鳥デザインのTシャツ – ジョーダン・アトキンソンによるデザイン
ビフォー・ザ・ドーンのツアー日程の月周期を取り入れた鳥デザインのTシャツ – ジョーダン・アトキンソンによるデザイン
ビフォー・ザ・ドーンの羽根デザインのピンバッジ(小さなKTシンボルを組み込んだもの) – ジョーダン・アトキンソンによるデザイン
ビフォー・ザ・ドーンの羽根デザインのピンバッジ(小さなKTシンボルを組み込んだもの) – ジョーダン・アトキンソンによるデザイン

エアリアル – 今日のトリビア

エアリアルのジャケットに登場するサウンドウェーブを一週間見てきましたが、もちろん今ではこれがクロウタドリの鳴き声の波形であることは誰もが知っていますね。では、クロウタドリの唄の具体的にどの部分かを考えたことはあるでしょうか。ネット上では賢い人たちがそれを解明してくれています。大きな手がかりはエアリアルのブックレットのアートワークからタイミングが分かることです。このサウンドウェーブはちょうど2秒弱の音だということが分かります。

レコードからクロウタドリの鳴き声を分離すると、下のクリップのように、オリジナルのクロウタドリの声でサウンドウェーブを聞くことができます。

2005年、ケイトは黄色のサウンドウェーブグラフィックが前面と背面に施されたモーブコットンのTシャツを作りました。当時はオンラインストアでも販売され、プロモーション目的でも配布されました。マニアックな事実:背面のプリントには別のサウンドウェーブがありました…

オフィシャル「エアリアル」サウンドウェーブ・グラフィックTシャツ
オフィシャル「エアリアル」サウンドウェーブ・グラフィックTシャツ

しかし、象徴的なサウンドウェーブのイメージはまだ終わりではありませんでした。2018年、ケイトは拡大版のリマスタープロジェクトに向けてカタログ全体に行われていたサウンドのリマスタリングを伝えるために、エアリアルの鳥の声のサウンドウェーブのイメージを再度使用しました。エアリアル収録の透明人間になる方法のフレッシュなリマスターがテレビ広告に使用され、アイルランドの俳優ジョン・リンチがナレーションを務めました。

サウンドウェーブ付きのリマスターロゴは、ポスター、トートバッグ、リトグラフにも採用され、クライシスというホームレスのチャリティーの支援として、ロンドンのコールドロップヤードで2018年12月5日~10日の5日間、特別ポップアップショップイベントでのプロモーションに使用されました。このショップの詳細については、こちらニュースアイテムを参照してください。

ロンドンのコールドロップヤードで開催されたポップアップショップイベントでのサウンドウェーブによるブランディング、2018年12月
サウンドウェーブのデザインが入ったケイト・ブッシュのリマスターの宣伝ポスター – 2018年11月

ケイトが希望した素晴らしいデザイン作品の1つは、この素晴らしいフーディーのデザインでした。このサウンドウェーブは、ケイトのすべての曲のタイトルを小さな文字で書いたものに、リリィの歌詞を少し加えたものです。。これはスチュアート・クラウチの作品であるはずです。ケイトの公式サイトでは、これ(同じデザインのトートバッグも)を購入することができます。

歌のタイトルでサウンドウェーブを描いたデザインのケイト・ブッシュ・リマスターのフーディー
歌のタイトルでサウンドウェーブを描いたデザインのケイト・ブッシュ・リマスターのフーディー
リマスターでの曲のタイトル(2018) - 細部1~3
リマスターでの曲のタイトル(2018) - 細部4

エアリアル – 今日の鳥

クロウタドリの歌はかなりゆっくりで、まろやかでふわふわとした音色で、音域は広くかなり遠くまで届きます。音質はツグミに似ていますが、フレーズは繰り返さず、少しずつ変えて続けます。鳴き声には、興奮気味の「チッ、チッ、チッ」や「チャッ、チャッ」というものや馬のいななきのような音、かすかな「シュー」という音もあります。

今日はもちろん、主役のミスター・サウンドウェーブであるクロウタドリを選ぶしかないでしょう。アイルランドとイギリスで最も一般的に見られるツグミ族の一員です。真っ黒い羽と雄の黄色いくちばしですぐ分かります。しかし、雌はかなり茶色く、上胸に斑点があり、一見するとウタツグミに似ています。警戒したときや地面を走るときには、よく長い尾を立てます。

ケイトがどれだけクロウタドリを愛しているかを把握しようと、作家のリア・カルドスは、自身のお薦めの本「愛のかたち(33 1/3)」の中の章でケイトのキャリア全体から取った例を詳しく説明しています。本はこちらで購入できます。レアが紹介している例のいくつかを簡単に紹介します。

1980:ニック・プライスによる「魔物語」のカバーアートワークには、ケイトのスカートの下から飛び出すクロウタドリが描き込まれており、リアはそれについて「音符が生まれて後に続く」と書いています。
1985:ナインス・ウェーブの「魔女」では、海で遭難した女性が魔女だととして責め立てられ、「Help this blackbird! There’s a stone around my leg…」と叫びます。この言葉は、2014年のステージでは、ナインス・ウェーブとノクターンの両方で聴くことができました。
1993:2007年にオンラインで流出したホワイ・シュッド・アイ・ラブ・ユーの初期デモバージョンでは、「If I could sing like a Blackbird, just like my heart was filled with summer」という歌詞がありました。
1993:アンソニー・クリックメイが撮影した「レッド・シューズ」のプロモーション写真でのケイトの衣装について、レアはこう書いています。「黒と赤のガウンで、胸には真珠のような輝きの羽根があしらわれています。頭の上には、クロウタドリがファシネーターハットのように置かれています。

アンソニー・クリックメイによる1993年のケイトの写真 – クロウタドリのヘッドピースと羽根のコスチューム。

1993:「ライン、クロス、カーブ」のミュージックビデオの「じんせい、そして愛」ではケイトが「暗いダンススタジオに閉じ込められたクロウタドリを捕まえて放すが、ガラスの窓にぶつかって死んでしまいます。彼女はその亡きがらを拾い上げ、キスをします。赤い靴の呪いを解くために鏡の世界に入ったとき、クリックメイの写真にも使われた羽根のガウンに身を包み、その髪には翼を上に向けたクロウタドリが置かれています」とリア・カルドスは本の中で説明しています。 

1996:作詞家のドン・ブラックはBBCラジオ2の番組「ゼイ・ライト・ザ・ソングス」でケイトについて次のような逸話を語っています。「数週間前にケイトに会いました。..彼女に好きな歌手がいるかと尋ねると、一番のお気に入りはクロウタドリで、2番目はツグミだという返事でした。ケイトは独特ですね」

「エアリアル」アルバムのアートワークにあるクロウタドリのサウンドウェーブ
「エアリアル」アルバムのアートワークにあるクロウタドリのサウンドウェーブ

2005:そして、エアリアルです。まず、クロウタドリののサウンドウェーブを使ったアルバムカバーのデザインがあります。クロウタドリは、「スカイ・オブ・ハニー」のいたる所に現れ、特に「エアリアル・タル」では、「ブッシュがインドのタラ音楽のスタイルで鳥の歌を模倣しています」とリア・カルドスは書いています。「そしてタイトルトラックのフィナーレでは、クロウタドリが曲の全編で登場し、それに合わせてブッシュが笑います」 

2005年モジョでのトム・ドイルによるインタビューでは、ケイトは次のように述べています。「まるで光を歌っているようです…そして、私たちには理解できない言葉だと考えてみると面白いですね。「出ていって。ここは私の場所よ」と聴こえるのもあります。「まあ、あなたは良いわよ」と言っているのもあります。でも、それ以上のものがあるのです。信じられないほど複雑です」

2011:リアは著書の中で、タイトルトラックの雪のための50の言葉の4番目が「Blackbird Braille」であると指摘しています。 

2014:ビフォー・ザ・ドーン(上記の「今日のできごと」とポッドキャストの抜粋を参照)について、リア・カルドスは次のように書いています。「ブッシュは『魔女』の曲の終わりで一瞬黒い翼を身につけ、コンサートの終わりにも再び、『エアリアル』の最後の瞬間に翼をつけて飛行します」 

リア・カルドスの「愛のかたち(33 1/3)」は、こちらで購入できます。

ケイトの詞集「透明人間になる方法」に入っているエアリアル・タルの歌詞

今週の羽のある仲間たち情報は、バードウォッチ・アイルランドウェブサイトからいただきました。今日の作品についてはkatebushcollectables.comサイトのジェームスにお世話になりました。ブライアン・クローリーは美しい20周年記念グラフィックをつくってくれました。トリスタン、ピーター、クリス、デイブ、ダレル、ペッカ、ポール、そして助けてくれたすべてのKBの仲間に感謝します。何もかも、「エアリアル」を作って世に送り出してくれたケイトのおかげです。そしてこの1週間のお祝い投稿を読んでくれた皆さんにも感謝です。

素敵な午後のお土産…

最後に、2005年10月にEMIミュージック・アイルランドのメディア責任者として働いていたピート・マーフィーに感謝したいと思います。リリースの数週間前に、ここダブリンにある美しいオフィスでエアリアルを試聴させてもらったのです。そのときは胸が爆発するかと感じたものです。ケイトがこんなアルバムを作ってくれたらいいのにと思っていたようなアルバムで、自分の体が浮き上がってビルから空に昇る気分でした。上にあるのは、その忘れられない日にもらったピンバッジとはがきです。–ショーンより

2025年11月6日木曜日

エアリアル20周年:6日目

エアリアルのアルバム20周年を記念して、今週は11月7日(発売記念日)まで毎日1つずつタイムカプセルを作ります。これは、ケイトのすばらしい8枚目のスタジオアルバムに関連するイベント、人、物品などを、その日ごとに集めたものです。多くの人にとって、まだ「新しい」アルバムだと感じられるはずで、とても20年経ったとは思えませんが、このアルバムからはまだまだ美しい贈り物が現れて続けています…

エアリアル – 今日のできごと

エアリアル宣伝ポスター – コロムビア・レコードUSA 2005

では、「エアリアル」のアルバムはどのような評価を受けたのでしょうか。2005年11月13日、エアリアルはイギリスのアルバムチャートで3位に入り、ビルボードがまとめたヨーロッパチャートで2位を獲得しました。そして、全世界で100万枚以上を売り上げました。言うまでもなく、ケイトはそのことをとても喜びました。新しい公式サイトで感謝を述べています。「嬉しくて舞い上がっています。本当にありがとうございます」

ケイトが公式サイトを通してファンに感謝 – 2005年11月
ケイトが公式サイトを通してファンに感謝 – 2005年11月

レビューを見ると、反応が分かります。世界中のレビュアーから、即座にケイトのキャリアにおけるハイライトと目され、圧倒的にポジティブなレビューが次から次へと現れて、このアルバムの野心的な芸術的試み(多くの人が傑作と評価)、絶妙なプロダクションの品質、感情的な深み、そして特に「スカイ・オブ・ハニー」での映画的な没入感を称賛しています。このアルバムは複雑で成熟度の高いアルバムとして称賛を受け、何年も経ったあともリスナーの心に響き続けると考えられました(そして、その通りになっています)。レビューの中のほんの一部を紹介します。

UKタイムズ:「3枚組の絵のようなラスト3曲、サムウェア・イン・ビトウィーン、ノクターン、エアリアルは、一年を通して聞くアルバムの最も喜びに満ちた陶酔的なフィナーレです」。BBC:「これは傑作です」。オブザーバー(5つ星レビュー):「実験的なポップ・ミュージックという言語で見事に表現するアーティストであり、その文化の中で大切にされ、贅沢な位置を占めています。彼女のような人は他にはいません...シーンに戻ってきてくれてありがたいことです」。インデペンデント:「依然としてインテリジェントな大人向けポップの最先端で活躍しており、これまでのキャリアを通してやってきたのと同様、今の空気を捉えています。ただ、前より少し変かもしれません」。ホットプレス(10/10レビュー):「天才的な作品です…数え切れないほど信じられないような美しさがあります」。アティチュード誌(5/5評価):「束縛されない意識下の究極の傑作」。

2005年11月のドイツのローリング・ストーン誌の表紙のケイト。
2005年11月のドイツのローリング・ストーン誌の表紙のケイト。

音楽販売店のHMVと協力で作った特別な2005年のクリスマス時期のテレビCMでは、こうしたレビューを取り入れています。この偉大なアルバムを祝福するための完璧な声が必要だと考えたケイトは、キャリーオンの映画での役やハリー・ポッターの組分け帽子の声で知られるベテランのイギリス人俳優、レスリー・フィリップスにアプローチしました。興味深いことに、彼は1990年のGLCコミックストリップのキャストでもありました。

ラフコメディの達人で、上流階級風のキャラクターや不滅のキャッチフレーズ「ディン・ドン」でよく知られていましたが、愛すべきレスリーは2022年11月に98歳で亡くなっています。2006年のインタビューで、次のように語っています。「面白いことがあって、ケイトから電話があって、レコードの広告のナレーションをしてほしいと言ってきました。私のアクセントが大好きだと言ってくれていて、それ以来たくさん話して、良い友達になりました」。私がオンラインで打診してみたら、ファンのカレブ・アルウィン・ジェームズさんが、埋もれていたYouTubeクリップを見つけてくれました。下でご覧ください。

レスリー・フィリップス
レスリー・フィリップスは、HMVのクリスマス時期のエアリアルのテレビ広告で声を担当。

11月上旬、ケイトはケイト・ブッシュ・クラブのメンバーに、継続的なサポートについての個人向け感謝状を印刷して送りました。

日本では、アルバムの発売日が世界の他の国々よりもほぼ一週間早い11月2日でした。下の写真は@hiromgogoのもので、「2005年11月1日に大阪のタワーレコード梅田店で撮影。ケイトへの愛に満ちた素敵な空間でした」とされています。

大阪のタワーレコード梅田店 – 2005年11月1日
日本でのエアリアルの店頭ディスプレー

2006年1月10日に、ケイトはブリット・アワードのベスト・ブリティッシュ女性ソロアーティストとベストブリティッシュアルバムの2部門にノミネートされました。

多くの国際的な雑誌の表紙を飾ったトレバー・レイトンによるケイトの新しいポートレート
多くの国際的な雑誌の表紙を飾ったトレバー・レイトンによるケイトの新しいポートレート

エアリアル – 今日の人

ダニー・マッキントッシュ、1970年代のバンディットのメンバーとして(中央)、右はラバーバンド・ガールのビデオでのケイトとの姿
ダニー・マッキントッシュ、1970年代のバンディットのメンバーとして(中央)、右はラバーバンドガールのビデオでのケイトとの姿

ダニー・マッキントッシュ、あるいはバーティの「パパ」はエアリアルのアルバムのいたるところに顔を出し、本当に家族がかりという感じです。これは、ケイト・ブッシュのリリースではいつものことですが。ダニーは1956年5月4日にロンドンで生まれ、子供の頃からギターの演奏に強い興味を抱いていました。ダニーは10歳でギターの正式なトレーニングを受け始めましたが、ギタリストとしてのキャリアをスタートさせたのは学位を取得した後でした。

1976年のバンディット。左から右:ジム・ダイアモンド、クリフ・ウィリアムズ、グラハム・ブロード、ジェームズ・リザーランド、ダニー・マッキントッシュ。

彼はすぐにバンドバンディットのギタリストになり、このバンドでアルバム「バンディット」(1976年)と「パートナーズ・イン・クライム」(1978年)をリリースしました。バンディットのリード・シンガーであるジム・ダイアモンドは、イギリスのソロ・チャートでも成功を収めました。ダニーはその後バンドザ・クイックに、アルバム「ワン・ライト・イン・ブラックアウト」(1982年)で参加しました。1980年代にはダラー、デニス・ウィリアムズ、エイミー・スチュワートのアルバムでギターを演奏しました。

1993年には、ケイトのアルバム「レッド・シューズ」では、1990年に達人のアラン・マーフィーが亡くなった後、ダニーはケイトのアルバムのギターワークを引き継ぐという大変な仕事に当たり、これを落ち着いてなしとげました。彼はケイトの曲であるラバーバンド・ガール(ミュージックビデオにも登場)、レッドシューズ心の中の星トップ・オブ・ザ・シティソロモンの唄リリィでギターを演奏しています。

ダニーはエアリアルのすべてのエレキギターとアコースティックギターを担当

エアリアルでは、ダニーは建築家の夢透明人間になる方法キング・オブ・ザ・マウンテンノクターンπ~円周率3セットサムウェア・イン・ビトウィーンエアリアルで、さらに素晴らしいギターを演奏しています。2011年には、雪のための50の言葉ミスティウィーラー街で雪に閉じ込められてスノーフレイクワイルド・マンで演奏しています。圧巻の仕事ぶりです。

エアリアル – 今日の作品

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2005年のクリスマスが近づくと、ケイト・ブッシュ・クラブのメンバーに向けて、アルバムの成功に感謝するために、ケイトはバーティのイラストを添えたクリスマスカードを送りました。

ケイト・ブッシュ・クラブのメンバーに送られた特別なサンプラーCD付きの2005年クリスマスカード。

ケイト・ブッシュ・クラブ(KBC)のメンバーに郵送されるものとしては最後になることを知っていたケイトは、1978年~1993年の曲を収録した9トラックの紙ジャケットEMI CDサンプラーを同封しましたが、このCDはわずか2000枚の限定品でした。このCDには、シングル「イート・ザ・ミュージック」のカバーのジョン・カーダー・ブッシュによる写真が使用されています。

ケイト・ブッシュCDサンプラー2005

このプロモーションCDは、ケイトを報道機関、メディア、サポーターに改めて紹介するために特別に作成されたもので、アルバム「エアリアル」の発売に先立ってプレスパックとして送付されていました。何部かは、イギリスで1ページのA4版EMIプレスリリースと共に発行されました。ケイト自身が選んだトラックリストには、レッド・シューズのアルバムの中のケイトのお気に入りが入っています。ソロモンの唄リリィトップ・オブ・ザ・シティは、2011年の「ディレクターズカット」でも再訪した曲で、後の2曲は2014年にステージでもライブ演奏しています。いつもと同様、あちこちに手がかりがあります。

9トラックのプロモーションCDに付属のEMI UKプレスリリース(2005年)
9トラックのプロモーションCDに付属のEMI UKプレスリリース(2005年)

エアリアル – 今日のトリビア

ジョセフ・エドワード・サウスオール(1861年~1944年)作「漁師と船」(1920年)。リネンにテンペラ、19インチ x 33インチ。
ジョセフ・エドワード・サウスオール(1861年~1944年)作「漁師と船」(1920年)。リネンにテンペラ、19インチ x 33インチ。

ケイトがエアリアルのブックレットのアートワークに使ったもう1つのイギリス人画家による作品は、ジョセフ・エドワード・サウスオール(1861年~1944年)による絵画、「漁師と船」(1920年)です。アルバムのために、ケイトは絵の方向を反転させ、白いペンキでボート自体に「Aerial」という名前を付け加えました。この絵は現在ケイトが所有しており、2005年にモジョ誌のために彼女の自宅でインタビューした作家トム・ドイルが触れています。「暖炉の上にはジョセフ・サウスオールの絵画『漁師と船』が掛かっていて、悪天候をくぐり抜けた老練の船乗りたちが船と向き合う様子が描かれています。この絵はまもなくエアリアルの中ジャケットのアートワークの一部として知られることになります」

Kateは画像を反転させ、船に「Aerial」という名前を追加

ジョゼフ・エドワード・サウスオールRWS NEAC RBSA(1861年8月23日~1944年11月6日)は、アーツ・アンド・クラフツ運動に携わったイギリス人画家です。19世紀から20世紀初頭にかけてのテンペラを用いた絵画の復活における指導的人物であったサウスオールは、ビジュアルアートにおけるロマン主義の最後の前哨部隊の一つであるバーミンガム芸術家-職人グループのリーダーであり、後のラファエル前派と20世紀初頭のスレード象徴主義者とをつなぐ重要な役割も持っていました。

ジョセフ・エドワード・サウスオールの自画像(1925年)、木製ケース入りブオンフレスコパネル
ジョセフ・エドワード・サウスオールの自画像(1925年)、木製ケース入りブオンフレスコパネル

サウスオールは終生クエーカー教徒で、社会主義者、平和主義者として活動し、当初は自由党、後に独立労働党の急進的な党員でもありました。1898年にロイヤル・バーミンガム芸術家協会(RBSA)の準会員に選ばれ、1902年に会員になっています。1939年には同協会の会長になり、1944年に亡くなるまでその座にありました。

「アップ・フロム・ザ・シー」(1920年)。布地にテンペラ。30.5cm x 41cm

1920年に制作されたもう一つの作品「アップ・フロム・ザ・シー」は、同じ絵の別バージョンで、こちらでは漁師が船を陸揚げする作業を少年が見ています。

エアリアル – 今日の鳥

ヨーロッパコマドリの歌は、かぼそく比較的ゆっくりした音の列で、音程は高くなったり低くなったりしながらところどころ速くなり、音が溶け合っていきます。感傷的な響きもあり、冬の歌はその傾向が強くなります。「チッ」という音が鳴ることもあり、繰り返されると古い時計のネジを巻いているように聞こえることもあります。また、悲しげで密かな「シーッ」という音もあります。

小さく愛らしいヨーロッパコマドリプロローグ(ビフォー・ザ・ドーン)の歌詞にも使用されており、2022年のケイトのファンへのクリスマスメッセージでもフィーチャーされました。こう書いています。「今年は友人へのクリスマスプレゼントに小さなコマドリを選びました。この控えめな小鳥はクリスマスの象徴ですが、エミリー・ディキンソンの美しい言葉を借りると希望の象徴でもあります。『希望とは魂の中に宿る羽根』なのです」

おそらくアイルランドとイギリスで庭にも現れる最も馴染みのある鳥で、明るい赤みの入ったオレンジの胸と顔の部分で間違いなく見分けられます。頭から背中は均一な灰色がかった茶色で、腹と下胸は灰色がかった白です。くちばしは黒くて尖っており、足も黒です。とてもふっくらして丸みを帯びているように見えることがあり、特に寒い時期に羽毛がふわふわになるとなおさらです。人を怖れることが少なく、ガーデニング作業をしている近くで木に止まったまま動かないこともよくあります。ときおり、尾をピンと立てます。