2025年11月17日月曜日

ケイトやポール・マッカートニーなどがフィーチャーされたサイレント・プロテスト・アルバム、限定盤アナログで12月8日に発売

ヴァリアス・アーティスツ – イズ・ディス・ホワット・ウイ・ウォント? 限定アナログ盤
ヴァリアス・アーティスツ – イズ・ディス・ホワット・ウイ・ウォント? 限定アナログ盤

サイレント・プロテスト・アルバム「イズ・ディス・ホワット・ウイ・ウォント?」の限定盤1,000枚が黒のアナログ盤で12月8日に発売されます。ステート51コンスピラシーのストアではこちら、ラフ・トレードUKはこちら、またはその他のレコード店でも予約できます。アルバムの売上から得られた利益はすべてチャリティのヘルプ・ミュージシャンに寄付されます。マッカートニーの参加を強調している本日のガーディアン紙でのこのアナログ盤についてのレポートがあります。

2月にデジタルでリリースされたときに報告したように、これは英国政府の著作権法の改正案に抗議する1000人以上のミュージシャンによるサイレントアルバムです。アナログ盤にはポール・マッカートニーによるボーナストラックが収録されています。ケイトはどれか1トラックを提供しています(どの曲かについての推測は下記を参照)。アナログ盤は12月8日に発売されます。宣伝用のリーフレットがこちらにあります。

2月、ケイトは公式サイトに次のように書いています。

イギリス政府の著作権法の改定に抗議するために、1000人を超えるミュージシャンが今日共同でこのアルバムをリリースしています。

このような変化が進めば、全国の音楽家たちが命を削った仕事がAI企業に無償で引き渡されることになります。私たちの誰もそれについて発言を許されていません。

イギリスには先駆的で創造性と想像力に富んだアーティストがたくさんいます。政府が今回の著作権の変更に同意する意向を示しているのは、私たちの仕事がどれだけ過小評価されているか、そしてこの国の最も重要な資産の1つである音楽に対する保護が存在していないことを示しています。

このアルバムに収録されている各トラックは、人のいない録音スタジオです。沈黙はすべてを物語っているのではないでしょうか。

このプロジェクトにトラックを提供し、抗議に参加できることを嬉しく感じています。

音楽制作者たちの心のこもった仕事を守るのに手を貸してください。私たちは皆さんのために作っているのであり、奪われて自分の敵のために使われるためではありません。

未来の音楽の中では、私たちの声は聞こえないのでしょうか。

ケイト

アルバムは2月に、こちらのスポティファイを含むストリーミングプラットフォームでリリースされました。このアルバムには、ケイト、デーモン・アルバーン、トーリ・エイモス、アニー・レノックス、ペット・ショップ・ボーイズ、ビリー・オーシャン、クラッシュ、ハンス・ツィマー、イモゲン・ヒープ、キャット・スティーブンス、マックス・リヒター、その他にも多くのアーティストが参加しています。

ヴァリアス・アーティスツ – イズ・ディス・ホワット・ウイ・ウォント? 限定アナログ盤

12曲のタイトルをつなげると、次の文章になります。英国政府はAI企業の利益のための音楽の盗難を合法化してはならない。最後のサイレントトラックである12「「Companies」では、夜明けの鳥たちのコーラス、何度も聞こえる猫が喉を鳴らす音、熱いお茶を飲むような音(3分10秒のマーク)がかすかに聞こえます。これはプロジェクトにケイトが提供したものでしょうか。よく聞いて、考えてみてください。

ヴァリアス・アーティスツ – イズ・ディス・ホワット・ウイ・ウォント? 限定アナログ盤
ヴァリアス・アーティスツ – イズ・ディス・ホワット・ウイ・ウォント? 限定アナログ盤

ヴァリアス・アーティスツ – イズ・ディス・ホワット・ウイ・ウォント? 限定アナログ盤は、ステート51コンスピラシーのストアではこちら、ラフ・トレードUKの店舗ではこちら、その他のレコード店で先行予約できます。

2025年11月15日土曜日

確定情報:神秘の丘がストレンジャー・シングスのシーズン5にも登場予定

ストレンジャー・シングス シーズン5のポスター

これはおそらく必然なのでしょうが、ケイトの神秘の丘が、大ヒットしたネットフリックスのテレビシリーズストレンジャー・シングスのシーズン5(最終シーズン)でまたフィーチャーされることが公式に確認されました。ご存知のように、この曲はまさに世界的な現象となり、2022年夏には世界中のチャートでの最大のヒット曲となり、ケイトとファン層が非常に喜びびました。

チャートの動きには目を光らせていますが、あのときのような世界的な影響を再び見ることはないと思われますし、今回この曲がどれだけ広く使われるかもわかりません。脚本・監督チームのダファー・ブラザーズ(マットとロス)がガーディアン紙のインタビューで語ったところによると、ケイトのサポートを得てこの曲が再度使われること、そして鳥をテーマにした美しいプレゼントを受け取ったことが明らかになりました。

マックスとオリジナルのケイト・ブッシュのカセット – ストレンジャー・シングス シーズン4(2022年)

「2022年にリリースされたシーズン4は、ポップカルチャーに大きな影響を与えました。『神秘の丘』は、マックス(サディー・シンク)が、アップサイド・ダウンの世界の悪役ヴェクナから最終的に逃れる重要な場面で、ある種のアンカーとしてサウンドトラックとして流れます。その後の露出により、ケイト・ブッシュにとって1978年以来のUKナンバー1シングルとなりました。「私たちは、このような形でバイラルヒットになるとは考えていませんでした。我々は驚きましたし、ケイトも若い層に支持されたことにとても驚いていました。ケイトは本当にクールだと感じていました」シーズン5でも「神秘の丘」が登場します。

「いつものことですが、ケイトはとても素晴らしい人でした」とマット(ダファー)は言います。ケーキとか花を送ってもらったのでしょうか?「ケイト・ブッシュからプレゼントをもらったのですが、花よりずっとすてきなものでした。アニマトロニクスの鳥が入った金色の鳥籠で、巻き上げると鳥がさえずるのです。とてもクールで、ユニークで、ケイト・ブッシュらしい品です。こんなプレゼントをするのはケイトぐらいでしょう」

ストレンジャー・シングス シーズン5のセット写真 – 「愛のかたち」のカセットテープ

マックスが引き続きケイトの音楽への愛を頼りにしていることのヒントの最初は、2024年3月にロス・ダファーが投稿したセット写真でした。その中には、マックスとルーカスのキャラクターを演じる俳優のサディー・シンクとケイレブ・マクローリンのショットがあり、マックスの病室のベッドサイドロッカーに置かれているカセットテープに注目が集まりました。ケイトの愛のかたちです。

このスナップでは女優のサディー・シンクが目を覚まして微笑んでいますが、後には、シーズン4の劇的なフィナーレで怪物のヴェクナから受けた怪我のために昏睡状態にあったことが分かります。ストレンジャー・シングスのシーズン5の予告編では、ルーカスが病院のガウンを着たマックスと担ぎ、カセットプレーヤーを持ってエレベーターに乗っている様子も映っています。おそらくケイトのアルバムが入っているのでしょう。シーズン4のプロットでは、マックスを悪の手から救うことができるのはケイトの音楽だけでした。

ストレンジャー・シングス シーズン5のセット写真 – 病院で昏睡状態のマックスを見舞うルーカス
ストレンジャー・シングスのシーズン5予告編の宣伝写真 – マックスを魔の力から救おうとするルーカス(そしてお気に入りのケイト・ブッシュの音楽)

シーズン5のプレミアパーティーのためのレッドカーペットのインタビュー(上)では、女優のサディー・シンク(マックス)は、興味深いことに神秘の丘を聞くのは今も好きだと言っているだけでなく、「ケイトの作品全部」も好きだと言っています。ダファー・ブラザーズはまたレッドカーペットで、ケイトの番組への関与により、通常は自分の音楽をテレビ番組で使用することを許可していないアーティストから最終シーズン用にもう1つ番組中での使用の権利を確保できたと述べました。どうなるのかは分かりません。

ベスト・オブ・ジ・アザー・サイドのアナログ盤の神秘の丘12インチ・バージョン

ケイトが公式サイトで神秘の丘グッズを買えるように小さなセレクションを作っただけでなく、最近、新しいベスト・オブ・ジ・アザー・サイドのコンピレーションをデジタル、CD、レコードでリリースした際に、神秘の丘の12インチリミックスを収めていることにも、もはや驚かないでしょう。また、このアルバムは、いつもストレンジャー・シングスの匂いがすると感じていたエクスペリメントIVの新しい2025ミックスで始まります。

ケイトの公式サイトストアで販売されている神秘の丘グッズ。

「ストレンジャー・シングス」シーズン5はネットフリックスで3部構成で配信されます。第1部は全4話からなり、11月27日午前1時(イギリスとアイルランド)にリリースされ、続いて第2部(全3話)が12月26日に、最後に「フィナーレ」が元日にリリースされます。

2025年11月13日木曜日

オーケストラ伴奏のクラウドバスティングのレビュー – 見事な成果

カドガンホールでのオーケストラ伴奏のクラウドバスティング、11月9日(土)
カドガンホールでのオーケストラ伴奏のクラウドバスティング、11月9日(土)

ロンドンの有名なカドガンホールという豪華な環境で、完売の公演に集まった観衆は、この土曜日の夜にステージ上で実現されたことにただただ圧倒されて、一体となって盛り上がりました。このサイトをよく見ている方は、私たちがこのバンドを優に10年以上にわたってフォローし続け、バンドが進化し、多数のファンを得るのを見てきたのをご存知でしょう。歌手のマンディ・ワトソンが率いるクラウドバスティングは、何年にもわたって、イギリスとアイルランドでセンセーショナルな公演を行ってきました。キックインサイドの40周年を記念してイズリントンで行われたコンサートを観た人は、デル・パーマーが何十年ぶりに登場しケイトの曲にサプライズで参加したことは、忘れることがないでしょう。偉大な凱旋でした。

演奏会のリハーサル中のバンドとオーケストラ
演奏会のリハーサル中のバンドとオーケストラ

このため、11月9日土曜日に、このバンドがさらに次のレベルに上がることになっても驚くことはなかったはずです。ウェスト・ロンドン・シンフォニアオーケストラ(まもなく創立55周年を迎える)はフィリップ・ヘスケスが指揮し、著名な作曲家ロブ・レーンとチームがアレンジを担当しました。この夜は、クラシックな環境の中で、回想、情熱、ドラマに満ちた、豊かで感動的なケイトの音楽の素晴らしいプログラムを披露しました。

どの曲が演奏されたかを話すのはネタバレになるでしょうが、ケイトの最高の瞬間を捉えた真のウィッシュリストです。その夜は少なくとも22曲が演奏され、特別にアレンジされたテーマ別セクション(趣味の良いグラフィックの投影付き)で構成され、ケイトの録音作品のあらゆる様相を捉えたものでした。マンディの声とステージでの存在感は絶妙で、ケイトのカタログとその範囲を網羅していて、それを軽々とやっているように見せています。ケイトの曲が彼女の最高の手にかかります。

カドガンホールのショーを終えて疲れながらも幸福な歌手のマンディ・ワトソン
カドガンホールのショーを終えて疲れながらも幸福な歌手のマンディ・ワトソン

このようなプロダクションだけがもたらすことができる特別な音楽の細部が公演の全体にちりばめられています。バンドのデイブ・ロバーツはデル・パーマーが使用していたアップライトベースを見事に弾いており、渦巻く弦が感情的なハイライトとなっています。オーケストラ・リーダーのイウォナ・ボエシェのバイオリンの「上昇」の瞬間は、息を呑むようでした。課題は、伝統的なオーケストラの「制約」の中で、ケイトのスタジオの魔術的なダイナミクスを反映することでしたが、バンドとアレンジャーはすべての曲で巧みにこれをなし遂げました。

今夜のバーミンガム公演のチケットは完売していますが、いくらか残っているチケットが明日の11月14日金曜日、クラシカル・ケイト・ブッシュのウェブサイトで入手できます。

クラシカル・ケイト・ブッシュ

2025年11月7日金曜日

エアリアル20周年:7日目

エアリアルのアルバム20周年を記念して、今週は本日11月7日(発売記念日)まで毎日1つずつタイムカプセルを作ってきました。これは、ケイトのすばらしい8枚目のスタジオアルバムに関連するイベント、人、物品などを、その日ごとに集めたものです。多くの人にとって、まだ「新しい」アルバムだと感じられるはずで、とても20年経ったとは思えませんが、このアルバムからはまだまだ美しい贈り物が現れて続けています…ご一緒にエアリアルを振り返って楽しんでいただけたでしょうか。

エアリアル –今日のできごと

ビフォア・ザ・ドーンのライブステージでのケイトとアルバート・マッキントッシュ(2014)
ビフォア・ザ・ドーンのライブステージでのケイトとアルバート・マッキントッシュ(2014)

今日は、2005年11月7日の「エアリアル」のアルバム発売の20周年の日です。「スカイ・オブ・ハニー」のライブを、それも(かなり拡張した)完全版で聞けたことは、私にとって多くのファンにとっても本当に夢が実現したといえますが、今でもまだシュールに感じます。22回にわたるビフォー・ザ・ドーンの公演は全てのレベルで成功を収めました。「エアリアル」のお祝い投稿を続ける中で、ケイトがオープニングアクトにも「シー・オブ・ハニー」の2曲を入れたことを思い返すとゾクゾクします。

ですから今日は、このエアリアル・ウィークの最後のできごととしては、ケイトが最も壮大で時代に耐えるコンセプチュアルな作品2つと、その他のすばらしい曲をステージ上で演奏したということだけで、十分でしょう。ファンもそのようなことが現実に起こるとは夢にも思ってなかったのです。

ハマースミスアポロでの「ビフォー・ザ・ドーン」の看板、2014年
ハマースミスアポロでの「ビフォー・ザ・ドーン」の看板、2014年
ノクターンを歌うケイト – ビフォー・ザ・ドーンのコンサート(2014)
ノクターンを歌うケイト – ビフォー・ザ・ドーンのコンサート(2014)

ケイトは「シー・オブ・ハニー」収録のジャンヌ・ダルクを主題にした曲「ジョアンニ」をコンサートのオープニングで演奏することを選びました。ケビン・マカレアは、フランスのルーアンで大聖堂の鐘を録音していて、それをリハーサルで流しましたが、まさにジャンヌ・ダルクが運命に出会った場所なのです。ケイトは、より成熟した声に合わせるために曲のキーを変更しており、彼女によれば、「まずみんなが言ったのは『これはずごい。ピッチが合っている』ということでした」と回想しています。「もし曲のピッチを下げていなかったら、ピッチが合わなかったのです」。舞台奥のライトは、この曲が演奏されたときには炎が波打ちながら上がるような効果を生み出していました。ケイト「何千人もの兵士」と対面するのです。

ミノ・シネルとオマー・ハキム、リズム・マガジン 2014
パーカッショニストのミノ・シネルとドラマーのオマール・ハキム、リズム・マガジン、2014年

キング・オブ・ザ・マウンテンは、ショーを観た多くの人にとってライブの1つのハイライトとなりました。アルバムバージョンから大幅に違うバージョンで、勢いをどんどんつけて破壊的な嵐を呼び起こし、ナインス・ウェーブのセクションにつなぎました。ケイトは曲の最後で「there’s a storm rising!」と叫んで締めくくり、金色の紙吹雪と雷の効果の爆発で終わり、ミノ・シネルが回すものすごいブルローラーの音が会場中に響きわたりました。

ライブアルバムがリリースされる前に、「キング・オブ・ザ・マウンテン(ライブ)」は、2016年10月16日にBBC6ミュージックで独占的に流されました。「これはすごい、すばらしい!」というのが、DJのショーン・キーベニーが8分のトラックを全曲流した直後のオンエアでの反応でした。スタジオにマット・エベリットもいて、この2人から「画期的」「美しい」「最高」などおしげない賞賛が続きました。リスナーとプレゼンターの両方からの反応があまりにもすごかったので、この番組では1時間後に再び全曲を流しました。 

実のところ、コンサートについて、特に「スカイ・オブ・ハニー」については一日中でも話すことができるのですが、すでに話したことがありました。それは、ケイト・ブッシュ・ファン・ポッドキャストの「ビフォー・ザ・ドーン」についての3部作のエピソードの中でです。以下の30分の抜粋では、「スカイ・オブ・ハニー」のステージ全体について話しています。開演の夜の公演を見た記憶をできるだけ表現しようとしました。お楽しみください。

幕間に落とした緞帳に羽毛を描くベリンダ・クリシャム – 次に「スカイ・オブ・ハニー」が演奏されることを示す – ビフォー・ザ・ドーン(2014)
幕間に落とした緞帳に羽毛を描くベリンダ・クリシャム – 次に「スカイ・オブ・ハニー」が演奏されることを示す – ビフォー・ザ・ドーン(2014)
ブリジット・リーフェンシュトゥールがデザインを担当したケイトの「スカイ・オブ・ハニー」コスチューム – www.brigittereiffenstuel.com
ブリジット・リーフェンシュトゥールがデザインを担当したケイトの「スカイ・オブ・ハニー」コスチューム – www.brigittereiffenstuel.com
「画家」役のアルバート・マッキントッシュ – スカイ・オブ・ハニー – ビフォー・ザ・ドーン(2014)
サムウェア・イン・ビトウィーンを歌うケイト – スカイ・オブ・ハニー – ビフォー・ザ・ドーン(2014)
サムウェア・イン・ビトウィーンを歌うケイト – スカイ・オブ・ハニー – ビフォー・ザ・ドーン(2014)
コスチューム姿のボブ・ハームズ – スカイ・オブ・ハニー – ビフォー・ザ・ドーン(2014)
コスチューム姿のボブ・ハームズ – スカイ・オブ・ハニー – ビフォー・ザ・ドーン(2014)
ケイトと人形遣いのベン・トンプソン、人形の「テソロ」、写真家のティム・ウォーカー – スカイ・オブ・ハニーのリハーサル – ビフォー・ザ・ドーン(2014)
ケイトと人形遣いのベン・トンプソン、人形の「テソロ」、写真家のティム・ウォーカー – スカイ・オブ・ハニーのリハーサル – ビフォー・ザ・ドーン(2014)
ディック・バードが担当した舞台装置デザイン – スカイ・オブ・ハニー – ビフォー・ザ・ドーン(2014)
ディック・バードが担当した舞台装置デザイン – スカイ・オブ・ハニー – ビフォー・ザ・ドーン(2014)
鳥の仮面でエアリアルをケイトと演奏するデビッド・ローズ – スカイ・オブ・ハニー – ビフォー・ザ・ドーン(2014)
鳥の仮面でエアリアルをケイトと演奏するデビッド・ローズ – スカイ・オブ・ハニー – ビフォー・ザ・ドーン(2014)
世界中の各メディアで最高評価であった「ビフォー・ザ・ドーン」のレビュー
世界中の各メディアで最高評価であった「ビフォー・ザ・ドーン」のレビュー

エアリアル – 今日の人

私は9月に「愛のかたち」について1日1つずつ30個のタイムカプセルをまとめた時に、多くのミュージシャンをハイライトまし(こちらでチェックしてください)。今日は、ケイトと再び「エアリアル」で仕事をした素晴らしい人々を簡単に紹介しようと思います。まさにケイト・ブッシュの「オールスター」で、その中にはすでに存命ではない人もありますが、エアリアルのような壮大なレコードの溝の中で永遠に生き続けるはずです。

ケイト・ブッシュ・オールスターデル・パーマー、パディ・ブッシュ、スチュアート・エリオット、ジョン・ギブリン、エバーハルト・ウェーバー、マイケル・ケイメン

順番に紹介しましょう。偉大なデル・パーマーは、「エアリアル」の素晴らしいレコーディング・ミキシング・エンジニアであるだけでなく、5曲のアルバム・トラックでもベースギターを演奏しています。キング・オブ・ザ・マウンテン透明人間になる方法ジョアンニサムウェア・イン・ビトウィーンエアリアルがその曲です。

パディ・ブッシュは、妹のカムバック・シングル「キング・オブ・ザ・マウンテン」が2005年10月にチャートを席巻したとき、「The wind it blows…」という自分のバック・ボーカルを聴いてとても嬉しかったことでしょう。スチュアート・エリオットはケイトの作品の多くで才能を発揮しており、π~円周率透明人間になる方法サンセットサムウェア・イン・ビトウィーンの4曲でドラムを演奏しています。

ジョン・ギブリンは、建築家の夢3セットノクターンの3曲に非の打ちどころのないベースを加えましたた。エバーハルト・ウェーバーも、再びケイトと共演し、π~円周率プロローグエレクトリック・アップライト・ベースを演奏しており、マイケル・ケイメンプロローグペインターズ・リンクのスコアを書き、アビー・ロードでケイトとともにオーケストラの作業を終えましたが、それから数週間のうちに、2003年11月に亡くなりました。今は亡きデル、ジョン、マイケルのことを改めて思い出しましょう。

ケイト – トレバー・レイトン撮影(2005)
ケイト – トレバー・レイトン撮影(2005)

スーパーヒーローと言えば、この下のアートワークは素晴らしいので、どこかで共有しなければならないと思っていました。アーティストのリアム・アレクサンダーは、ケイト・ブッシュのコミックブックのカバーの絵を、各アルバムに1つずつ全アルバムについて描いています。下には、エアリアルの2つのカバーを紹介しています。アルバムに収録されている全曲が、細部のどこかに描き込まれています。印刷したものを、本人のショップのこちらで購入できます。

リアム・アレクサンダーによるケイト・ブッシュのエアリアルのコミックブックカバー
リアム・アレクサンダーによるケイト・ブッシュのエアリアルのコミックブックカバー

エアリアル – 今日の作品

katebushcollectables.comのご協力でお届けします)

ジョーダン・アトキンソンはビフォー・ザ・ドーンで購入できたケイトのグッズを手がけていますが、その細部へのこだわりは驚くほどです。彼のサイトではこのように書かれています:「ファイアブランド、ケイト・ブッシュ、ケイトのクリエイティブチームとの共同で、私はグッズのデザインを担当しました。ケイトのコンサートに関するビジョンを反映したグッズをいくつかデザインしました。アパレル、レスキューキット、ツアープログラムなどです。

羽根や鳥のイメージがたくさんありましたが、「スカイ・オブ・ハニー」に関連するアイテムの中には、特別なデザインのノクターンTシャツがあります。

ビフォー・ザ・ドーン「ノクターン」Tシャツ – ジョーダン・アトキンソンのデザイン
ビフォー・ザ・ドーン「ノクターン」Tシャツ – ジョーダン・アトキンソンのデザイン

ジョーダン・アトキンソンはこう書いています。「そして、ツアーの日程の月周期をベースにして、バックプリントを制作し、情報を含むようなコンセプトで制作することができました。ケイトから、「ノクターン」の歌詞を鳥の翼の中に描くようにリクエストがありました。これがクロウタドリに描き込んだ初期のコンセプトです。最終的には、Tシャツの後ろの翼に描き込んだものが選ばれました

ビフォー・ザ・ドーンの「ノクターン」Tシャツの、羽根に歌詞を取り入れたオリジナルデザイン – ジョーダン・アトキンソンによるデザイン
ビフォー・ザ・ドーンの「ノクターン」Tシャツの、羽根に歌詞を取り入れたオリジナルデザイン – ジョーダン・アトキンソンによるデザイン
ビフォー・ザ・ドーンの「ノクターン」Tシャツのデザインの細部 – ジョーダン・アトキンソンによるデザイン
ビフォー・ザ・ドーンの「ノクターン」Tシャツのデザインの細部 – ジョーダン・アトキンソンによるデザイン
ビフォー・ザ・ドーンのツアー日程の月周期を取り入れた鳥デザインのTシャツ – ジョーダン・アトキンソンによるデザイン
ビフォー・ザ・ドーンのツアー日程の月周期を取り入れた鳥デザインのTシャツ – ジョーダン・アトキンソンによるデザイン
ビフォー・ザ・ドーンの羽根デザインのピンバッジ(小さなKTシンボルを組み込んだもの) – ジョーダン・アトキンソンによるデザイン
ビフォー・ザ・ドーンの羽根デザインのピンバッジ(小さなKTシンボルを組み込んだもの) – ジョーダン・アトキンソンによるデザイン

エアリアル – 今日のトリビア

エアリアルのジャケットに登場するサウンドウェーブを一週間見てきましたが、もちろん今ではこれがクロウタドリの鳴き声の波形であることは誰もが知っていますね。では、クロウタドリの唄の具体的にどの部分かを考えたことはあるでしょうか。ネット上では賢い人たちがそれを解明してくれています。大きな手がかりはエアリアルのブックレットのアートワークからタイミングが分かることです。このサウンドウェーブはちょうど2秒弱の音だということが分かります。

レコードからクロウタドリの鳴き声を分離すると、下のクリップのように、オリジナルのクロウタドリの声でサウンドウェーブを聞くことができます。

2005年、ケイトは黄色のサウンドウェーブグラフィックが前面と背面に施されたモーブコットンのTシャツを作りました。当時はオンラインストアでも販売され、プロモーション目的でも配布されました。マニアックな事実:背面のプリントには別のサウンドウェーブがありました…

オフィシャル「エアリアル」サウンドウェーブ・グラフィックTシャツ
オフィシャル「エアリアル」サウンドウェーブ・グラフィックTシャツ

しかし、象徴的なサウンドウェーブのイメージはまだ終わりではありませんでした。2018年、ケイトは拡大版のリマスタープロジェクトに向けてカタログ全体に行われていたサウンドのリマスタリングを伝えるために、エアリアルの鳥の声のサウンドウェーブのイメージを再度使用しました。エアリアル収録の透明人間になる方法のフレッシュなリマスターがテレビ広告に使用され、アイルランドの俳優ジョン・リンチがナレーションを務めました。

サウンドウェーブ付きのリマスターロゴは、ポスター、トートバッグ、リトグラフにも採用され、クライシスというホームレスのチャリティーの支援として、ロンドンのコールドロップヤードで2018年12月5日~10日の5日間、特別ポップアップショップイベントでのプロモーションに使用されました。このショップの詳細については、こちらニュースアイテムを参照してください。

ロンドンのコールドロップヤードで開催されたポップアップショップイベントでのサウンドウェーブによるブランディング、2018年12月
サウンドウェーブのデザインが入ったケイト・ブッシュのリマスターの宣伝ポスター – 2018年11月

ケイトが希望した素晴らしいデザイン作品の1つは、この素晴らしいフーディーのデザインでした。このサウンドウェーブは、ケイトのすべての曲のタイトルを小さな文字で書いたものに、リリィの歌詞を少し加えたものです。。これはスチュアート・クラウチの作品であるはずです。ケイトの公式サイトでは、これ(同じデザインのトートバッグも)を購入することができます。

歌のタイトルでサウンドウェーブを描いたデザインのケイト・ブッシュ・リマスターのフーディー
歌のタイトルでサウンドウェーブを描いたデザインのケイト・ブッシュ・リマスターのフーディー
リマスターでの曲のタイトル(2018) - 細部1~3
リマスターでの曲のタイトル(2018) - 細部4

エアリアル – 今日の鳥

クロウタドリの歌はかなりゆっくりで、まろやかでふわふわとした音色で、音域は広くかなり遠くまで届きます。音質はツグミに似ていますが、フレーズは繰り返さず、少しずつ変えて続けます。鳴き声には、興奮気味の「チッ、チッ、チッ」や「チャッ、チャッ」というものや馬のいななきのような音、かすかな「シュー」という音もあります。

今日はもちろん、主役のミスター・サウンドウェーブであるクロウタドリを選ぶしかないでしょう。アイルランドとイギリスで最も一般的に見られるツグミ族の一員です。真っ黒い羽と雄の黄色いくちばしですぐ分かります。しかし、雌はかなり茶色く、上胸に斑点があり、一見するとウタツグミに似ています。警戒したときや地面を走るときには、よく長い尾を立てます。

ケイトがどれだけクロウタドリを愛しているかを把握しようと、作家のリア・カルドスは、自身のお薦めの本「愛のかたち(33 1/3)」の中の章でケイトのキャリア全体から取った例を詳しく説明しています。本はこちらで購入できます。レアが紹介している例のいくつかを簡単に紹介します。

1980:ニック・プライスによる「魔物語」のカバーアートワークには、ケイトのスカートの下から飛び出すクロウタドリが描き込まれており、リアはそれについて「音符が生まれて後に続く」と書いています。
1985:ナインス・ウェーブの「魔女」では、海で遭難した女性が魔女だととして責め立てられ、「Help this blackbird! There’s a stone around my leg…」と叫びます。この言葉は、2014年のステージでは、ナインス・ウェーブとノクターンの両方で聴くことができました。
1993:2007年にオンラインで流出したホワイ・シュッド・アイ・ラブ・ユーの初期デモバージョンでは、「If I could sing like a Blackbird, just like my heart was filled with summer」という歌詞がありました。
1993:アンソニー・クリックメイが撮影した「レッド・シューズ」のプロモーション写真でのケイトの衣装について、レアはこう書いています。「黒と赤のガウンで、胸には真珠のような輝きの羽根があしらわれています。頭の上には、クロウタドリがファシネーターハットのように置かれています。

アンソニー・クリックメイによる1993年のケイトの写真 – クロウタドリのヘッドピースと羽根のコスチューム。

1993:「ライン、クロス、カーブ」のミュージックビデオの「じんせい、そして愛」ではケイトが「暗いダンススタジオに閉じ込められたクロウタドリを捕まえて放すが、ガラスの窓にぶつかって死んでしまいます。彼女はその亡きがらを拾い上げ、キスをします。赤い靴の呪いを解くために鏡の世界に入ったとき、クリックメイの写真にも使われた羽根のガウンに身を包み、その髪には翼を上に向けたクロウタドリが置かれています」とリア・カルドスは本の中で説明しています。 

1996:作詞家のドン・ブラックはBBCラジオ2の番組「ゼイ・ライト・ザ・ソングス」でケイトについて次のような逸話を語っています。「数週間前にケイトに会いました。..彼女に好きな歌手がいるかと尋ねると、一番のお気に入りはクロウタドリで、2番目はツグミだという返事でした。ケイトは独特ですね」

「エアリアル」アルバムのアートワークにあるクロウタドリのサウンドウェーブ
「エアリアル」アルバムのアートワークにあるクロウタドリのサウンドウェーブ

2005:そして、エアリアルです。まず、クロウタドリののサウンドウェーブを使ったアルバムカバーのデザインがあります。クロウタドリは、「スカイ・オブ・ハニー」のいたる所に現れ、特に「エアリアル・タル」では、「ブッシュがインドのタラ音楽のスタイルで鳥の歌を模倣しています」とリア・カルドスは書いています。「そしてタイトルトラックのフィナーレでは、クロウタドリが曲の全編で登場し、それに合わせてブッシュが笑います」 

2005年モジョでのトム・ドイルによるインタビューでは、ケイトは次のように述べています。「まるで光を歌っているようです…そして、私たちには理解できない言葉だと考えてみると面白いですね。「出ていって。ここは私の場所よ」と聴こえるのもあります。「まあ、あなたは良いわよ」と言っているのもあります。でも、それ以上のものがあるのです。信じられないほど複雑です」

2011:リアは著書の中で、タイトルトラックの雪のための50の言葉の4番目が「Blackbird Braille」であると指摘しています。 

2014:ビフォー・ザ・ドーン(上記の「今日のできごと」とポッドキャストの抜粋を参照)について、リア・カルドスは次のように書いています。「ブッシュは『魔女』の曲の終わりで一瞬黒い翼を身につけ、コンサートの終わりにも再び、『エアリアル』の最後の瞬間に翼をつけて飛行します」 

リア・カルドスの「愛のかたち(33 1/3)」は、こちらで購入できます。

ケイトの詞集「透明人間になる方法」に入っているエアリアル・タルの歌詞

今週の羽のある仲間たち情報は、バードウォッチ・アイルランドウェブサイトからいただきました。今日の作品についてはkatebushcollectables.comサイトのジェームスにお世話になりました。ブライアン・クローリーは美しい20周年記念グラフィックをつくってくれました。トリスタン、ピーター、クリス、デイブ、ダレル、ペッカ、ポール、そして助けてくれたすべてのKBの仲間に感謝します。何もかも、「エアリアル」を作って世に送り出してくれたケイトのおかげです。そしてこの1週間のお祝い投稿を読んでくれた皆さんにも感謝です。

素敵な午後のお土産…

最後に、2005年10月にEMIミュージック・アイルランドのメディア責任者として働いていたピート・マーフィーに感謝したいと思います。リリースの数週間前に、ここダブリンにある美しいオフィスでエアリアルを試聴させてもらったのです。そのときは胸が爆発するかと感じたものです。ケイトがこんなアルバムを作ってくれたらいいのにと思っていたようなアルバムで、自分の体が浮き上がってビルから空に昇る気分でした。上にあるのは、その忘れられない日にもらったピンバッジとはがきです。–ショーンより