2022年12月28日水曜日

「ファインディング・ケイト」の著者マイケル・バーン追悼

クリスマスイブに私たちの友人で仲間のケイト・ブッシュファンであるマイケル・バーンさんが亡くなったというニュースを受けて、とても悲しく衝撃を受けました。熱狂的なエネルギーの渦を持っていた人でしたが、この数ヶ月間に突然病気に襲わ、短い闘病を経て亡くなったそうです。ほんの数週間前、私と同じダブリン出身のマイケルと話していたとき、ケイトの歌のアイルランド語版をスモック・アレー・シアターで私と一緒にうたってくれないかという話をしていたところですが、そのことについて有頂天になっていたようでしたが、もう良くなかったようです。

マイケルさんは、ダブリンでクリエイティブな出版社を経営していた親切で仕事のできるソフトな話し方のひとでしたが、最初に知り合うようになったのは2020年のロックダウン中でしした。野心的で高品質なケイト・ブッシュの大型本ファインディング・ケイトのプロジェクトで、彼は同僚で才能のあるアイルランドのデザイナーでイラストレーターのマリウス・ハーバートと一緒に仕事をしていました。ビジネスがパンデミックに見舞われている間にも、彼の無限のエネルギーを注ぐ対象が必要でした。彼のファンとしての情熱と誠実さを知っていたので、これが特別なものになるだろうという革新が私にはありました。それで、彼のクラウドファンディングキャンペーンを宣伝しましたし(安く制作できる本ではありません)、応援もしました。マイケルは、この本についてアイルランドの全国ラジオでのインタビューを受け、プレス記事を出してもらうことに成功しました。そして、ケイト・ブッシュファンポッドキャストのエピソードを一緒に録音する機会を得られたことを嬉しく思います。ここで聞くことができます。昨年、彼が夢のプロジェクトを実現したことについての話を聞くことができたのは素晴らしい思い出です。それぞれのイメージを作り上げる中での緻密な努力は、彼の声にはっきりと表れています。

「ファインディング・ケイト」から「こんにちは地球」
「こんにちは地球」 – マイケル・バーンとマリウス・ハーバートの『ファインディング・ケイト』より

出版前にその本を見せてもらいましたが、息をのむほど美しいと感じました。ファンからの反応も非常に好意的で、この本は大成功と賞賛されました。このサイトで以前書いたことがあります(日本語版)。「この本のページをめくりながら、制作への満足を隠さないクリエイターと一緒に すばらしい作品について語り合うのは楽しいものでした。すでにお伝えしているように、この本には26曲のケイトの曲がそれぞれ見開きで贅沢に表現されていて、見ると圧巻です。曲はマイケルさんが選んでいて、さすがケイト・ブッシュの大ファンらしく、それぞれの曲についてケイトのキャリアの中でどのような位置を占めるか、そして自身にとってどういう意味を持つかを素晴らしい文章で書いています」

クラウドファンディングの出資者が早期の注文に対して受け取った豪華な報酬アイテム

「マイケルによる予想しないほど惜しげ無い紹介セクションでは、ケイトのレコーディングキャリアの素晴らしく簡潔な概要になっているので、ケイトに浅いファンでもハードコアなファンでも、楽しく読めるはずです。しかし、本来この大きなLPサイズの本は目を楽しませることを意図していて、マリウスは2人の間で何ヶ月もかけて苦労しながら描きあげた細部とタッチでいっぱいの息をのむような画像を作成しました。ディーリアスには、色鮮やかな自然の中でほとんどサイケデリックに爆発するようなケイトから飛び出して画面を横切るミツバチの群れ(そしておなじみの黄色い太陽のデザイン)、死者たちでは天使の翼がついた浮遊するエレキギターに、この世を去ったミュージシャンの名前が書かれて心を打ち、こんにちは地球では水中を泳ぐケイトが同時に地球を見下ろして浮かぶ夢のような姿、ジグ・オブ・ライフには、アイリッシュダンサーの足が敷石の床の上を旋回するさま、スカイ・オブ・ハニーには堂々と4ページを割いて、茜色、赤、金の時の動きが女性の姿を鳥の翼と鳥の仲間のかたちに変え、空に舞い上がっています。この他にもたくさんの目を見張るビジュアルがあります」 

マイケル・バーン、マンディー・ワトソン(クラウドバスティング)、モーリス・ハーバート ー ダブリン、2022年7月

マイケルは、この本を書くきっかけの一つは、ケイトのトリビュートバンドであるクラウドバスティングがダブリンのシュガークラブで演奏しているのを見たことだと私に話していました。数ヶ月前の7月、マイケルとマリウスがバンドとダブリンでのギグの前にバックステージで会うように手配し、そのときにバンドメンバーに本をプレゼントしました。マイケルが自分の本について説明し、ケイトの音楽を世界に広めてくれてありがとうとバンドに言葉をかけるのを見ていると、マイケルの顔に喜びと誇りが表れているのがよく分かりました。浮遊しているようでした。それが彼に会う最後になるとは知る由もありませんでしたが、彼にとっても楽しい機会となったことを嬉しく思います。つい最近、マイケルはアイルランドの全国ラジオで再びこの本について言及されました。司会者のライアン・トゥブリディは、この本に本当に感銘を受けたようで、おかげで新たな注文が殺到しました。それも当然のことでしょう。

私たちの彼を偲ぶ思いは、マイケルの奥さんのディアドラ、子供のホリー、コナー、アリソン、そして彼の家族と友人すべてとともにあります。多くの人に惜しまれるはずです。オンラインでの追悼帳はこちらです。特にマリウスさんには気持ちを捧げたいと思います。彼は、マイケルが世界中のケイトのファンに向けてまったくユニークな作品を作るのを、辛抱強く苦労しながらサポートしたのです。マリウスさんのイラストは格別です。自分自身でもマイケルさんにとっても、誇れる仕事です。この本を読んでいる人には、ぜひこの本を手に入れて自分で見てもらいたいと思います。世界中のどこからでも、https://findingkatebook.com/ で注文できます。改めて立派な作品を残されたマイケルさんに哀悼の意を捧げます。

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