2021年10月28日木曜日

私達の仲間リーザ・ジェラードさんを偲ぶ

リーザ・ジェラード ロンドンのリージェントパークで   ケイトの誕生日にプレゼントやカードを持ってイーストウィッカムファームを訪れたあとに撮影(スカイ・ボズウェル)

私たちのケイト・ブッシュファン仲間のリーザ・ジェラードさんが亡くなったという 報せを受けて目眩のする思いです。 非凡な人物で熱心なファンでした。リーザさんは何年にもわたり健康上の問題を抱えていましたが ユーモアと決意をもって乗り切っていました。 彼女の親友でケイト・ブッシュファン仲間でもあるポールさんとスカイさんからの追悼文を引用します。 息子さんのノアさん、ご両親、ご親族の方々に私たちから哀悼の気持ちを捧げます。

リンゼイ・ケンプ(中央)、ポール・トーマスとリーザ・ジェラード   2016年9月

ポール・トーマス: モーメンツ・オブ・プレジャー - リーザ・ジェラードに捧げる

物持ちが良いと良いことがあります。 「どうして処分しちゃったの」というより「よく持ってましたね」と言いたい方です。 私たちの友人だったリーザさんは数え切れないほどの思い出の品を残してくれました。 昔のコンサートチケットや電車の切符、どれも彼女の美しい手書き文字で飾られている絵葉書や手紙、 何百枚もの写真。 レコードやCD、本、Tシャツ、クリスマスデコレーションなど、彼女にもらったものもたくさんあります。 こういった物はすべて40年以上にわたる特別な友人関係を思い出す記念の品となっています。 どれも手元に置いたままで本当に良かったと思いますし、こんどそれぞれを眺めれば 走馬灯のようにいろいろな思い出が浮かび上がって来ることでしょう。

素敵なときを思い出してみましょう。 一緒に過ごした夜、パーティー、コンサート、プリクラ、ロンドンの駅でお互いが寝ないように 声をかけて始発電車に乗ったことなど。 もちろん私たちが知り合うきっかけとなったケイト・ブッシュ関連の思い出もたくさんあります。 1986年のコミックリリーフのチャリティー公演でケイトが「呼吸」を歌うのを手をつないで聞いたこと、 80年代に生家を訪れてケイトをはじめブッシュ家の人達(とりわけケイトのお母さん)と紅茶を いただいたこともありました。 最近ではグイド・ハラリの写真集の発売記念イベントで、グイドさんだけでなく彼女が大好きだった リンゼイ・ケンプに会えて大喜びだったのを思い出します。 リーザさんと会っていなかったら出会わなかったような特別な存在であるひとがいっぱいいます。 彼女は私の友人関係のくさびのようなものです。 リーザさんはケイト・ブッシュのファンの間でもよく知られ、好かれていましたが、 それはどこの集まりでも同じことで、どこでも彼女の茶目っ気と親切で一目置かれていました。

最初に会ったのは世の中のことを知り始めた10代のころで、 もう大人になったと思っていましたが、実際には赤ん坊のようなもので何につけひよっこでした。 同じような音楽を好きだということで友人になりました。ケイトは特別な存在ですが その他にもレナード・コーエン、デビッド・ボウイ、ジョニ・ミッチェル、 最近ではファーザー・ジョン・ミスティーなど。 その他にも、ユーモアのセンスや動物好きなところなど共通する趣味がたくさんありました。 話しやすい人で、愛情に満ちていて、楽しくとても親切で、こういった素質は最愛の息子ノアさんにも 受け継がれているようです。 たくさんの人に好かれていたので、私たちの心には大きな穴が開くでしょうが、 リーザさんというとんでもなく素敵な友人を持っていたことに感謝したいと思います。 今どこにいるか分かりませんが、この気持ちは彼女も受け止めてくれることでしょう。

もう一回「大好きです」 ― これであなたに勝てたかな。

リーザ・ジェラードとスカイ・ボズウェル

スカイ・ボズウェル: リーザさんは知る限り誰よりも利他の精神に富んだ人です。 ここ何年かの苦難にも関わらず自分の運命を嘆くこともなく、がまん強く、きれいな形で、負けることなど知らないようなユーモアのセンスで立ち向かっていました。 彼女は1980年前半にケイトの音楽が大好きだということで知り合って親しく付き合っていた 親友のグループの1人でした。 当時はまだ子供のようなもので、いつまでも生き続けるんだとみんな思っていました。 元気なころはいっぱい楽しいことがありましたし、よく笑いました。 ありがたいことに私にはいっぱい素晴らしい思い出がありますし、彼女の写真や一緒に撮った写真もあります。 本当にユニークで人並み外れた人で、茶目っ気があって楽しく、しっかりしていて 誠実でやさしく、思いやりと利他の精神がありました。 彼女がこの世からいなくなってしまったということがいまだに飲み込めません。 おやすみなさい、リーザさん。しばらく寂しいけどまたいつか会えますね。

[注: 以下は2020年11月に出版されたレコードコレクターのケイト・ブッシュ特集誌への リーザさんの寄稿です。(この記事のPDF版はこちらから)]