2019年1月31日木曜日

デル、プレストン、スチュワートがサインしたキックインサイドのドラムヘッドを落としませんか?

The Kick Inside signed drumhead The Kick Inside signed drumhead

トリビュートバンドのクラウドバスティングも自身でクライシスのホームレスチャリティー への取り組みをしていて、Ebayのオークションに スペシャルな品を出しています。 バンドのコメントより: 

「2018年2月17日、UKのトリビュートバンド『クラウドバスティング $#8211; ミュージック・オブ・ケイト・ブッシュ』 がイズリントン・アセンブリ―ホールで、ケイト・ブッシュのデビューアルバム『天使と小悪魔』の 発売40年を記念してコンサートを行い、完売の人気を博しました。 ステージには、ゲストミュージシャンやサブライズゲストが登場しました…

プレストン・ヘイマン: 1979年のツアー・オブ・ライフやクリスマスTVスペシャルのドラマーで、 魔物語やドリーミングのアルバム録音にも参加。

スチュワート・エイヴォン・アーノルド: ダンサー。1979年のツアー・オブ・ライフやクリスマスTVスペシャルに参加、 多くのケイトのミュージックビデオに登場し、ザ・ライン、ザ・クロス、ザ・カーヴでも 主要な役を演じる。

デル・パーマー: おそらくはケイトと最も長く近い場所で共同制作をしてきた人物。 デルのケイトとの活動は1977年のKTブッシュバンドへの参加から始まり、 以来ミュージシャン、レコーディングエンジニアとして活動。 1979年のツアー・オブ・ライフやクリスマスTVスペシャルでベースを演奏し、 ライオンハート、魔物語、ドリーミング、 愛のかたち、センシャル・ワールド、エアリアル、雪のための50の言葉といった アルバムにも参加。
また、愛のかたち、センシャル・ワールド、レッドシューズ、エアリアル、 雪のための50の言葉にはエンジニアとしてクレジットされています。

 

この公演のチケットは大人気だったので、 同じ内容でのファイナルアンコール公演が2018年の3月21日、 ウォルヴァーハンプトン・グランドシアターで行われました。 この公演にはデル、プレストン、スチュワートを含むメンバーが この日を記念して特別にデザインされたバスドラのヘッドにサインをしています。 最近のクライシスのために行われたケイト・ブッシュリマスターのポップアップショップ に影響を受けて、メンバー達はケイト・ブッシュにちなんだこの特別な記念の品を オークションにかけてチャリティーにしようと思い立ったのです。 メンバーがサインをしている場面の写真も付属しています。

なお、バスドラのヘッドは、2枚の同じデザインのものが作られました。 1つはクラウドバスティングが所有し、2018年のライブ(上の写真)で使用されたものです。 もう1つが演奏には使用されず、今回サインされてクライシスのためにオークションに かかるものになります。」; 

オークションはこちらから。 2月10日午後10時までです。代金はすべてクライシスに寄付されます。  

KTブッシュバンドがファーンコームで2月2日にライブ

KTブッシュバンドが2月2日の土曜日、ファーンコーム・ミュージッククラブでライブを行います。 詳しい情報はwww.thektbushband.com で見てください。 バンドのコメントから: 「次のライブにぜひお越しください! ファーンコームのファーンコーム・ミュージッククラブで2019年2月2日の土曜日、 ライブを行います。 この素晴らしい教会建築のステージで演奏するのはこれで2度目になります。 待ち遠しくてたまりません。 ホストはあのジュリアン・ルーリーさんです。 ライブの会場とチケットについては下のリンクを見てください。 会場でお会いしましょう! ブライアン・バス、ヴィック・キング、サリー、エミリー、スティーブより x」

KT Bush Band

2019年1月30日水曜日

ケイト・ブッシュ・ファン・ポッドキャスト – ザ・ライン、ザ・クロス、ザ・カーヴを改めて

The Line, The Cross & The Curve
2019年初のフルサイズのポッドキャストでは、 1993年にレッドシューズに合わせてリリースされた ケイトのザ・ライン、ザ・クロス、ザ・カーヴを、 ショーンが改めて見なおし、リアルタイムでコメントを付けてゆくというスタイルになりました。 VHS、レーザーディスクでコピーをお持ちなら、あるいはウェブで、作品を見ながら聞いてください。 この作品はリリース以降、ケイト本人を含めてあまり芳しい評価を受けていませんが、 良いな、すばらしいなと思わせてくれるところもたくさんありました。 ポップコーン、バナナ、マンゴー、干しブドウ、そしてドレスなんかも用意して観るといいですね!

ケイト・ブッシュ・ファン・ポッドキャストの購読は、iTunesやその他のポッドキャストアプリ、例えばStitcherTunein、 あるいは下のサウンドクラウドでも聴けます。

2019年1月29日火曜日

ケイトのリマスターポップアップでのクライシスへのチャリティーが60,000ポンド以上に

Pop-Up Total

約束通り本日オフィシャルサイトで、ケイトが 12月初旬に5日間ロンドンのコール・ドロップ・ヤードで店を開き、その後オフィシャルサイトで 月末までオンラインで販売を続けたリマスター ポップアップで、 クライシスというホームレスのチャリティーのために集めた金額を発表しました。 驚くことに、総額は61,000ポンドにもなったのです。ケイトのコメント: 

謹んで発表させていただきます。クライシスのためのチャリティーの総額が61,000ポンドに なりました。50,000ポンドはクリスマスの前にクライシスに寄贈されていて、 残額もすぐにお渡しします。

このチャリティーを応援してくださった皆様には本当に感謝です。 これで大きな変化をもたらすことができます。 帰る家をもたないというのは本当に大変なことですが、冬はなおさらです。

みなさんの優しいお気持ち、本当にありがとうございます。 みなさんの寛大な心には胸を打たれました。 

          良いお年をお迎えください。
               ケイト

2019年1月11日金曜日

ミッジ・ユーロが語る「シスター・アンド・ブラザー」でのケイトのボーカル

Midge Ure and Kate 1982

クラシックポップの2019年1月号(発売中 - 詳しくはこちらのサイトで)では、スコットランドのシンガー、 ミッジ・ユーロが、 1988年のシスター・アンド・ブラザーにケイトがコーラスを付けたときの ことについて取材を受けています。 彼は1982年にはプリンセズトラスト・ロック・ギャラでのウェディング・リスト のパフォーマンスで、ピート・タウンゼント、ミック・カーン、フィル・コリンズと 並んでケイト・ブッシュとステージで共演していました。

Classic Pop January 2019 「ウルトラヴォックスを離れて初のソロアルバム、アンサーズ・トゥ・ナッシングでは とってもレアなケイト・ブッシュのゲストボーカルというのが聴けるのですが、 シスター・アンド・ブラザーで妹のパートを歌っているのです。 ミッジのアプローチを受けて、ブッシュは時間があったらボーカルを入れて送り返すと 答えたそうです。 彼はこう語っています。 『その時点では、ちょうどセンシャル・ワールドのレコーディングにかかっている ときだったので、何かしてくれるかなとも期待していませんでしたし、 何かしてくれるとしても何か月も待つことになるだろうと思っていました。 それなのに1週間もしたら電話が来て、ちょっとやってみたんだけど、スタジオに聴きに来ます?って 言われたんです。』

あまりにも彼女のボーカルが早く戻ってきたので、ミッジはブッシュの入れてくれたのは 兄の問いに答える妹の役で2~3行のものかと思っていました。 実はそうではなくて、ケイトが入れたのはエフェクト入りのマルチトラックで、 最後の方にはコーラスのセクションも入っていて、 ミッジがこれこそケイトの世界と呼ぶものでした。

それはすごいもんでした、とミッジは振り返って言います。 『ただ一つ残念なのは彼女がどんな作業で作ったか見ることができなかったことです。 』 ケイト・ブッシュのような方が心を込めて私の曲に取り組んでくれるなんて、 とんでもない光栄です。 よくできました。あなたの作文には花丸をあげましょう、と先生に言われてるみたいな感じです。 ほんとうに時間をかけてやってくれたのにはびっくりしました。」

こうやって、尊敬する人からお返しのリスペクトを受けたことで、 ミッジは自分のやっていることが正しかったんだと確信を持てたようです。 こう言っています。『ポップソングを3分に収めて作るのに一生懸命にならなくてもいいんだって ことが分かりました。だれも支持してくれなくても自分が愛する音楽を作っていけば いいということなんです。』  [クラシックポップの購読はこちらから]

2019年1月8日火曜日

保守党か?の噂にケイトがサイトに声明を発表

Kate in 2014

この2年間というもの、例の件が出ているニュースサイトを見るたびに、 とても悔しいやりきれない思いがありましたが、 本日ケイトがついに公にかつきっぱりと、 2016年からソーシャルメディアやマスコミでじわじわと拡散されつづけていた ケイトの政治的姿勢についての噂話を否定しました。 以下がケイトの声明です:

声明

リマスターのプロジェクトと詩集には とてもポジティブな反響をいただいていて、とてもうれしく思っています。 皆さんに大事にしていただいているようで、本当にありがとうございます。 制作に関係したもの皆にとってとても嬉しいことです。
       どちらのプロジェクトについても、作品そのものが語るものだと考えて、 私はインタビューを受けませんでした。 間違ったことがいっぱい書かれている記事も読みましたが、 反応しないようにしています。 しかし、2年前に受けた電話インタビューから発したある件については 放っておけないと思いました。 文脈から切り離して引用された発言が、ちょうどライブアルバムの 発売時期と重なって、作品そのものよりもその引用のほうが注目を浴びてしまったのは、 とても残念なことでした。 とても悔しい思いでした。 当時も親しい人たちと何か反応した方が良いかどうか話し合いましたが、 そのまま放っておくのが一番という結論になりました。 その発言は何度も何度も引用され、私の立場から説明した方がよいと思いました。 ずっと長い間、私は政治的なことはインタビューでは言わないようにしてきました。 例のインタビューでの私の発言は、政治的な姿勢の問題ではなく、 権力を持った女性の立場を擁護するものだったのです。 インタビュアーの人は権力を持つ女性について非常にネガティブな立場で、 ヒラリー・クリントンを引き合いに魔女狩りなどと言っていました。 それを受けて私は、わが国の元首は女性だと言い、 権力のある女性がいるということは良いことだと言ったのです。 それに続けてこんなに素晴らしいことはいままで長らく無かったと言ったときには、 もう少しはっきりとさせるべきでした。 前の首相の行いは良くないと思っていましたし、 国民をないがしろにして皆は怒りを感じていたから、そういうことを言ったのです。  
     最近になってまた同じようなことを書く記事が出てきて私から何も言わないと、 私が保守党支持だというように皆さんが思うかもしれないので、 そうでは無いということをはっきり申し上げておきます。
          これについては、これ以上は何も申し上げませんが、あまりにも話が広まりすぎたので、 一度だけはちゃんとはっきりさせておかないといけないと思いました。
  皆さま良い年をお迎えください。
          ケイト

メディアでの紹介: BBC | The Guardian | The Irish Times | RTE | Sky News | Daily Mail | Politico | PitchforkThe Independent | Indy100 | The Guardian (分析)

これについては、できるだけ多くの人に知っていただきたいと思ったので、 ケイト・ブッシュ・ファン・ポッドキャストで本件を取り上げた ミニエピソードをまとめました。

ケイト・ブッシュ・ファン・ポッドキャストの購読は、iTunesやその他のポッドキャストアプリ、例えばStitcherTunein、または下のサウンドクラウドでも聴くことができます。

2019年1月7日月曜日

さらに続くケイト・ブッシュ リマスターと透明人間になる方法へのレビュー

Kate Bush Remastered CD Box 1 雑誌クラシックポップの2019年1月号(販売中)では、ケイト・ブッシュリマスターCDボックスセットパート1を 2018年のリイシューの3位に入れました。$nbsp; 「年末近くになってから、ケイト・ブッシュの過去作品のすべてをパッケージした ものすごいスケールのリイシューが出てきました。 ここで紹介するのは1978年の天使と小悪魔から1993年のレッドシューズまでの アルバムを集めたセットで、もっとも夢を描くアーティストによる15年にわたる貪欲で 幻想的なフォークポップです。 まさにドリーミングです。」  

一方、ビルボード・マガジンでは、ケイトのリマスターボックスセットを 2018年のベストリイシューのトップ10に選んでいます。 ロン・ハートのコメントより:  「ポップスの世界では、ケイト・ブッシュの旧作のリマスタリングというのは、 システィーナ礼拝堂の天井画の修復のようなものです — 完璧なものをどうやってそれ以上にするんでしょう? この2つのすごいボックスセットには、英国の幻想家のいままでの作品が、かつてないほど美しいパッケージ、 かつ良い音で収められています。 さらに追加の4枚組には、いままでにファンに好まれながらも手に入りにくかった 作品が含まれています。 たとえばレッド・シューズの時代の12インチリミックス、1979年のオンステージEPの中の曲、 さらにレアなのはいままで未発表だった1975年のハミングという作品や、 1994年にアイリッシュミュージシャンのデヴィー・スピレーンと録音したものの オフィシャルのリリースは2005年のエアリアルのシングル『キング・オブ・ザ・マウンテン』の B面であったマーヴィン・ゲイのセクシャル・ヒーリングのカバーなどが含まれています。」

Kate Bush Remastered Part 2

オーストラリアのサイトユア・ミュージック・レーダーでは リマスターに関してのブライアン・パーカーの素晴らしい記事をこちらに載せています。記事より: 「ケイトはこれまでに素晴らしい感動的なアルバムを作り続けてきましたが、 旧作すべてを自身のレーベルであるフィッシュピープルからリマスターで発売しました。 過去を振り返ることをあまりしてこなかった彼女にとって、全アルバムをリマスターするという作業は なかなか進んでいませんでした。 完璧な音をもっと完璧にする作業の結果はどうだったでしょうか? それは夢のような音でした。 単にトラックのボリュームを上げるのではなくて、ケイトは(ジェームズ・ガスリーとともに) 音の明晰さにこだわり、アルバムをさらに新鮮な音にしました。 しっかりとしたドラムス、クリアなバックコーラス、はっきりしたシンセのモチーフなど。 過去のアルバムに新しい息吹が吹き込まれたようで、 音がさらに鮮やかに、彩りを持ち、彼女のイマジネーションから生まれた作品たちに 新たな生命を与えています。

パッケージはCDもアナログ盤も贅沢な仕上がりです。 アルバムを個別に買うこともできますし、アナログ盤4セット、CD2セットのボックスもあります。 B面曲や12インチリミックスなどのレア曲(少年の瞳と同じころの接所で録音され、 まったくどのようなフォーマットでも未リリースだった『ハミング』など)も入っています。 どんな理由からか、オンステージのEP(最初の1979年のツアーのライブ盤)とか ビックスカイのB面の名曲『ノット・ディス・タイム』は含まれていないのですが、 これはまあ良いことにしましょう。 このリマスターされたアルバムを通じて改めて思い知るのは、 彼女がいかに特別で並外れた才能の持ち主かということです。 妥協を知らないアーティストによる聖典、美の神に忠実であり、 自らのプライバシーを守りながら音楽産業にも同時に貢献しているという ことのすばらしさ。これがケイトです。」

Stuart Maconie UKの著名な音楽ジャーナリストでありBBC6ミュージックのパーソナリティでもある スチュアート・マコニーは、 長年にわたってケイトのレビューを出してきましたが、 UKのフリーペーパーのウェイトローズ・ウィークエンドに最近書いたコラムでも 惜しげない賞賛を送っています:          

「クリエーターとして、ケイト・ブッシュは大ピラミッドを建造した人と同じように、 尊敬の対象であり後世に名を遺す記念碑的な存在だ。 ケイトは急がない。アルバムを出す周期はサッカーのワールドカップとハレー彗星が見れる周期の間ぐらい。 だから自分の人生をそれに重ねてみることもできる。私にとっては、そう。 初めて彼女を見たのは、私が音楽ぐるいのティーンエージャーだったころで、 嵐が丘と天使と小悪魔でたちまち骨抜きにされてしまいました。 愛のかたちのころにはエセックスとウィガンで施し物で生き延びてる始末。 レッドシューズの時期には北ロンドンのスタジオで彼女と会う幸運に恵まれ、 音楽雑誌について喋ったことで運命が変わったような気分に。 TSエリオットのプルーフロックはコーヒースプーンで人生を測ったが、私はケイト・ブッシュの アルバムでそうしたことになる。

あなたが同じようにケイトとの人生を送っていて、アナログ盤やCDがちょっとすり減っている 感じだったりしたら、ちょうどクリスマスシーズンに向けて発売された待ち望まれていた ボックスセット、ケイト・ブッシュ リマスターが欲しくてたまらないだろう。 古臭い批評によれば、とてもユニークで魅力的な初期のアルバム、たとえば嵐が丘は、 その後長い時間をおいて最先端のスタジオで制作されたエアリアルやセンシャル・ワールドのような 熟成されたアルバムに向けてのまだ未熟な助走期間だったということだ。 しかし私にとって楽しめてちょっと変わっているけど純粋でダイレクトに伝わってくるのは 初期の作品なのです。 ポップソングでありながら彼女の人並外れた感覚をもって漉し取られ、仕上げられている。 嘆きの天使、ディーリアス(夏の歌)、ライオン・ハートといった曲は 当時のほかの誰の作品とも違うものでした(その後無数の真似が出てきたけど)。 ローリング・ザ・ボールやハンマー・ホラーといった曲は、 とっても楽しい感じだったり、天使と小悪魔やワオは不気味な雰囲気だし、 暖かい部屋でとかフィール・イットのようにめちゃくちゃセクシーな曲もある。 ケイトのどの時期が好きだとしても、すべてがここに集まっている。 安くはない。しかしこれはUKのポップス界で孤高の輝きを持つアーティストの作品集である。 自身も歌っているように、ワオ! アンビリーバブル!」

ガーディアンでは ケイトの新しい詩集透明人間になる方法レビューを載せています。 ローラ・スネイプスが、ケイトを歌詞を通じて、しかも引用抜きで解き明かそうという記事です:

「この(ジェンダーと力についての)理解は、透明人間になる方法を貫く一つの筋で、 彼女の作品群を10つのセクションに明確な分け方を示さずに分類されています (エアリアルのスカイ・オブ・ハニーの組曲と愛のかたちのB面のナインス・ウェイブだけは そのままのかたちで入っています)。 ここには新しい視点が生まれます。スノーフレークと愛のかたちは、愛に流されてしまいそうな 時というくくりで結びつけられ、 親に不信をいだく子供を描いたクラウドバスティングから 自分を変えてしまった息子に捧げたバーティ―で、錬金術と変革について語っています。

彼女の叙述は静かです。エアリアルのコーラル・ルームでは亡き母のことを『小さな茶色のマグ』で 回想し、センシャル・ワールドのザ・フォッグでは愛の対象が透明なら どうやって愛せばいいのかと問いかけます。 ハウディ二と狂気の家では楽しみに対してオープンでありながら裏切りを避けるには どうしたら良いかという問いかけがなされています。 ジェンダーについてのセクションが2つあります。ジョアニは彼女の持つジャンヌダルクのイメージで、 男性的な戦争好きを告発する曲 (夢みる兵士)と対比されています。 後半ではブッシュは男性と女性の視点の違いを探り、欲望(リーチング・アウト)や 義務(夜舞うつばめ)を題材にしますが、ありきたりの結論にはけっして行きません。

透明人間になる方法から引き出せることが一つあるとすれば、 それはブッシュを理解することが難しいということではなく、 人生は分かりずらいものであるということかもしれません。 愛について、私たちが失ったものについてどれだけのことが分かっているでしょう? 彼女は分からないといって怖気づいてはいません。 それをしのいでゆくには好奇心をもって臨むしかないと彼女の曲は告げているようです。 ちゃんとした文学とばかばかしいようなことを大胆に並べ、 精神的な内省とあらわな現世の欲とをバランスさせ、日常の真実とファンタジーを結び合わせ、 矛盾を恐れることがありません。 最後のセクションには欲望があふれています。 バルトロッツィ夫人での官能的な洗濯物の夢物語や風の吹きすさぶ嵐が丘など。 このような探求を続けてきたことが今のブッシュをかたち作ったのでしょう。 大事なのは彼女から何を学べるかではなく、彼女についてゆくことで何を学びうるかなのです。」

ニュー・ステイツマンでのレビュー 「歌詞が文学になるとき」では、ニール・テナント(ペットショップボーイズ)、 フローレンス・ウェルチ、レナード・コーエンと並べて、4つの音楽家による詩集を題材に 書いています。 筆者のジュード・ロジャースはケイトの透明人間になる方法に格別の賞賛を与えています。

How To Be Invisible 「彼女の本はテナントのものとは異なり、とても魅力的に仕上がっています。 これはおそらく彼女の歌詞が不思議な後世になっていることが多いからでしょう。 彼女は前書きでこう書いています: 『歌詞はすべて曲とは切りなして詩として見直しましたので、 ところどころアルバムにつけた歌詞よりも詳しくなっています。』 ちょっと調べてみましたら、"o'er"というような詩的な表現ぐらいしか 見当たりませんでした。 ちゃんと確認しようと思ったら、何週間もかけてアルバムを聴いて、曲を深く理解しなければ ならないでしょう。 ブッシュはちゃんとすべて分かってやっているようです。

透明人間になる方法では、ブッシュ自身が曲のグループ分けをしていますが、 その分け方は示していません。 そのグループをつなげる金の糸は読者が見出さないといけません。 たとえば雲についての曲(クラウドバスティング、ビッグ・スカイ、ユー・ウォント・アルケミー) があって、雲をめぐる不思議な驚きを歌っています。 また、明に暗に戦争のことを歌っている曲(ピンを引き抜け、呼吸、 エクスペリメントIV)もあります。 夢みる兵士も入っていますが、本の中で読み直すと改めてはっとさせられる曲の一つです。 1980年にチャートの16位に入りましたが、亡くなった戦士についての歌詞を読むと シルヴィア・プラスの荒々しい詩を思い出します。 その中でも圧倒的なのはたとえば“Now he’s sitting in his hole,He might as well have buttons and bows.” というような部分です。

神秘的な関係性についてのテーマも繰り返されます。 サット・イン・ユア・ラップで恋人同士をつなげるロープは、 亡霊のように『ウィーラー街で雪に閉じ込められて』に現れます (それぞれ1981年と2005年の曲ですが、本には発表時期は記されていません)。 愛のかたち(1985年)とエアリアル(2005年)の後半の組曲、ナインス・ウェイブと スカイ・オブ・ハニーにも、普通の文字の連なりだけではない表現が 登場します。 ナインス・ウェイブでの溺れる女性のつぶやきは見開きのページにいろいろなフォントを 使ってリズミカルに表現されていますし、 スカイ・オブ・ハニーの鳥の歌は踊るような手書き文字で書かれています。 ケイトがこれまでにして来たように、表現の幅をどんどん広げています。」

2019年1月1日火曜日

ケイトからファンへの新年のメッセージ

Kate Bush Remastered

新年おめでとうございます。 オフィシャルサイトでケイトが、12月に開いたリマスターのポップアップショップに対しての サポートについてファンに感謝のメッセージを書いています。 ケイトのコメントから:

クライシスに向けて寄贈することになる金額は、集計ができしだい発表します。 たぶん1月の末ごろになると思います。 みなさんのご支援に感謝します。
       皆さまが清々しい新年を迎えられますように
             ケイト