このボックスセットが30年も前だと思うと信じられない思いです。
発売されたのはセンシャルワールドの発売の翌年で、ケイト本人はその後レッドシューズとして発表される
アルバムの制作で忙しくしているところでした。
これは彼女が初めてB面や12インチミックスなどアルバム外の曲を集めて作った公式版です。
それまでに発売された6枚のスタジオアルバムもすべて収められています。
当時もファンにとっては、特に追加曲だけが欲しい人たちにとっては、高価なボックスでしたが、
今でもコレクター市場では高値で求められています。
じっさい、アナログ盤LP9枚セットのバージョン(CDは8枚、カセットは8本組)は、
コンディションやKTステッカーが付いているかどうかなどによりますが、眼が飛び出るような値段が付くこともあります。
また、このボックスセットには、2018年にでたアザーサイドのリマスターセットに含められなかった
曲も収録されています。
淋しい闘牛場、もう二度と、ケン(コミックストリップGLCより)、オンステージEPの4曲のライブがそうです。
当時は、ケイトは長く続いた音楽のキャリアを振り返ってまとめにかかっているのかと思われました。
写真入りのブックレットにケイトが書いた文章には、こうあります:
もう12年も経つのかと驚きます。リップ・ヴァン・ウィンクルもこんな気分だったんでしょうか?
何年もの間見なかった写真や、もう忘れていたようなB面の曲を聴いたりするのは、
なかなか面白いものでした。
ときを経て私の音楽も私自身も変わったと思いますし、最初のアルバムを作ったときには、
ボックスセットを1990年に出したり、まだアルバムを作り続けることになるなどとは思いもしませんでした。
悪くない気分です。
聴いていただける方、みなさんありがとうございます。
お手柔らかにお願いします。
アルバムの制作に関わってくださったすべての方、そして写真を撮っていただいた
ゲレド・マンコビッツさん、テリー・ウォーカーさん、ブライアン・グリフィンさん、
そしてジョン・カーダー・ブッシュに感謝を申し上げたいです。
この特別な作品はアラン・マーフィーとゲイリー・ハーストの想い出で捧げたいと思います。
愛をこめて
ケイト・ブッシュ
xx
ケイト・ブッシュ, 1990