2020年2月25日火曜日

ドラァグクイーンのケイト・ブッチがロンドンのステージで新作のミュージカル

Kate Butch

UKのドラァグクイーン、ケイト・ブッチから新作ミュージカルのニュースです。 本人コメントより: 「ヴォールトフェスティバルに新作のショーを出すことになってワクワクしています。 本当にいろんな意味でケイト・ブッシュさんのおかげなんですが、 このトリビュートを形にできて本当によかったと思います。 もちろん物まねやパロディーもありますけど(10ポンド紙幣が1枚をマジメに歌うことができるのは 本人だけでしょう)、これは私たちが愛する音楽を自分が良いと思う形で作り直しているという ことなんです。 自分ではケイト・ブッシュの音楽を知っていると思われるでしょうが、 こんな形ではご存知でないですよね?」 チケットは https://vaultfestival.com/whats-on/kate-butch-wuthering-shites/ から。 CLOUDBUSTINGのキーワードで割引きがあります。

発表より: 「ドラァグ界のコミックスター、ケイト・ブッチが、本人が大好きで名前まで借りている アーティストの曲を使って新作のミュージカルを書き上げました。 これをブロードウェイまでもっていくために、あなたの力が必要です! ロンドンでも勢いのあるドラァグスターたちが、ジョーク、歌、ゲーム、クラウドバスティングを 繰り広げます。 コメディースターが神秘の丘を登り、羊の夢を見て、みなさんの丘を嵐にしちゃうのをぜひ お楽しみください。」

ロンドン ヴォールトフェスティバル 4th, 5th, 11th, 13th March, 22:10 (バリアフリー)

ケイト・ブッチについて:
ケイト・ブッチは、お得意のウィットと歌唱力、ペッパピッグの物まねを武器に、 2018に突如ロンドンのドラァグシーンに登場しました。 地元の大会を総なめにし、自身の女装を世界中に広めたことで(南アフリカの人には申し訳ないですが)、 ケイトはロンドンの好き者たちのナイトライフの世界に自分のコメディースタイルを 定着させました。 ルポールのドラァグレースの勝者、サーシャ・ヴェロアやヴィヴィアンヌ、 チーキーガールス本人などとの共演も果たし、もはやケイト・ブッチを知らぬ人もないほどです。 それだけの中身をちゃんと持っている人です。

レビュー:
「これよりも楽しく本当に面白いショーが今年見られるとすれば、びっくりします。」/ バクストン・フリンジ・レビュー(2017) “If you see a more joyous or genuinely funny show this year, I’d be very surprised” – Buxton Fring  「本物の名演」/ スコッツゲイ - バクストン・フリンジ 2017/2019 ベストコメディー勝者

2020年2月15日土曜日

フランスのミュージシャンのポーンが、ケイトに捧げるアルバムを目の動きだけで制作

Pone

ガーディアンの特集で、特筆すべきアルバムのことが書かれています。 ポーンさんは本名をグィレム・ガラートと言いますが、 2014年からALSとして知られる運動ニューロン病にかかっています。 彼はケイト・ブッシュへの頌歌として「ケイト・アンド・ミー」というタイトルの インストルメンタルアルバムを作り上げました。 どの曲もケイトの作品からのサンプルが含まれており、それに多様なビートや ジェイZ、スタイルP、ビギースネイクのようなスタイルのボーカルが乗せられています。 自身は身体を動かせないので、コンピュータを目の動きで操作する技術を使って、 複雑な作品の制作を行っています。

ポーンさんがケイトの作品を使って制作をしようと考えた理由は、 「ほかに見られないオリジナリティーと、ご自身もピーター・ガブリエルとサンプリングを使った制作をしていること、 そしてもちろん、彼女の声ですね」だということです。 ガーディアンのアネイス・ブレモンドの記事より:

結果としては感情にあふれ、空間を感じるSF的な作品が出来上がりました。 制作については、持ち前の前向きなコメントで「限界は感じませんでした。 それどころか、いろいろと新しいテクニックを試すこともできましたよ。」と語っています。 以前は、パッと手早く作っていましたが、もっと時間をかけて、 音楽ときちんと向き合って作るようになりました。 特に心を惹かれたのが、30分にもわたる最終曲、ロアン・デ・トゥート・サです。 この曲には1985年の神秘の丘のシングルのB面、アンダー・ジ・アイビーからのボーカルが サンプリングされ、クールで洞窟のような響きがエンドレスで聞こえます。 ポーンさんは言います。「私たちビートメーカーは、同じループを何時間も聴くことはよくありますよ。 そうすると音の聞こえ方が違ってきます。違う世界に連れていかれることになります。 だから私は、そんな感覚をシェアしたくて、これほど長いトラックを作ったんです。」

昨年の8月、ポーンさんは、ケイト・アンド・ミーを完成させ、 無料でオンライン公開しています(パッケージ版はフランスで発売)。 彼は今、ふだん丁寧な記事を上げてソウルミュージックやUSやフランスでのラップについての 深い知識を伝えているブログの更新の手を止め、SNSなどでケイト・アンド・ミーの プロモーションをしており、非常に大きな反響を呼んでいます。 さて、ケイト本人はどうでしょうか? 怒っていなければいいと思うけど、 そもそも聴いているかどうかも怪しいと彼は言います。 「彼女は捉えどころがない感じで、たぶんスコットランドのどこか田舎でママレードでも作って いるんでしょう。」 どうやらポーン氏は人生のレモンからレモネードを作っている最中のようです。

このケイト・アンド・ミーのアルバムはスポティファイ で聴けます。、 CD、アナログ盤も www.fnac.comで 購入することができます。

2020年2月13日木曜日

スティーヴンWテイラーからケイトの近作とライブについての新情報

音楽ジャーナリストのエイニル・プラサドが ミキサー、エンジニア、プロデューサーを務めるスティーヴンWテイラーインタビューをしています。 ご存知の通りこの方は、ディレクターズカット、雪のための50の言葉、そしてビフォー・ザ・ドーンの 公演にも深く関わっています。 スティーヴンの言葉からはケイトとの仕事についてのいろいろな事実が分かりますが、 たいへん興味深いものです。 スティーヴンが最近発表したオスティナートのアルバムのパッケージには、 ステッカーで「映画のように美しく魅惑的な音の世界の旅」というケイトの言葉が見られます。

以下の引用には、雪のための50の言葉のアルバムでケイトが求めたサウンドを どうやって表現しようとしたかを語っています:

雪が降る夜の闇の中、外を歩いたらどんな感じかを想像してみました。 そこには少し異質な静寂があります。 静まり返っているだけでなく、どこかに感じるものがあります。 それを音でどうやって表現しようか、ということです。 音のテクスチャ、次元、深さを体験してもらうためにどうするか? 抽象的に聞こえるかもしれませんが、こんなことをケイトとは話し合いました。 聴いた人が歌詞や演奏に反応するだけでなく、何か特別な感覚を受けるように と彼女は考えていました。 それをサウンドでどうやって表現したらいいか? これはたいへんな難問でしたが、そんなことを実現しようとしたのです。 そんなようなことをずっと話し合っていました。

ビフォー・ザ・ドーンの公演で彼が果たした役割についても話しています:

田舎にある秘密の場所で 公演の準備のために100人ほどの人が集まって作業をしているところを訪れました。 プログラムではケイトは私に「ケイトのボーカルナビゲーター」という称号を付けてくれています。 私の役割は彼女の声のサウンドを取り扱うことでした。 公演のさまざまな場面に応じていろいろなエフェクトを調整するのが仕事です。 彼女のボーカルを処理して会場のモニターに送りました。 私は座席ではなくステージ上に陣取りました。 座席でどう聞こえているかはいちども聞いていないのです。 大事なのはそれぞれの曲に最適な音作りをすることでした。 私はイヤモニでケイト自身が聴いているのと同じ音を聴いていました。 オーディエンスが聴く音だけでなく、ケイト自身が聴く音も調整していたんです。 彼女のパフォーマンスにちょうど合った音を届けるということですね。

こちらのサイトにはインタビューの全文があってケイトとの仕事についてもさらに たくさんの内容が見られます: https://www.innerviews.org/inner/stephen-w-tayler