2021年2月27日土曜日

3月にはさらに2冊のケイト本が書棚に

おもいがけないことですが、2021になってから3冊ものケイト・ブッシュ関連本が UKの小規模な出版社から立て続けに刊行されています。 ビル・トーマス著の「ケイト・ブッシュ オン・トラック: 全アルバム全曲」 (ニュースの こちらに紹介とレビューがあります) に続き、2冊のもう少し薄めのペーパーバックが3月に発売されます。

その1冊目は、ローラ・シェントンの「天使と小悪魔の真実」 (ワイマー出版)です。 プレスリリースによると、 「天使と小悪魔は2021年3月に発表する真実シリーズ4冊のうちの第一弾です。 この本ではアルバムそのもの、その歴史、制作の背景、収録曲などについて詳しく掘り下げるとともに、 ディスコグラフィーや世界中のレコードのバリエーションなども取り上げます。 著者のローラ・シェントン(MA LLCM DipRSL)は、天使と小悪魔について、 いろいろな角度から、たとえばアルバムの成り立ちや発表のされかた、発売当時の反響(レコード、ライブ)、 さらにはケイト・ブッシュの足跡の中でどのような意味を持つか、などについて切り込みます。」

出版社からはレビュー用として1冊送られてきました。 前書きには著者が本の内容について書いていますが、 自身は個人的意見や自分の分析は書き込んでおらず、 「この本には当時からの様々な記事からの引用がたくさん入っています」ということです。 112ページの中には、インタビューや雑誌記事、KBCファンクラブ誌、テレビ出演、プロモーション資料などから たくさんの引用がされています。 GaffawebKate Bush Encyclopediaのような サイトにファンが集めてきた膨大なアーカイブを、この本の著者のような人が利用されているわけです。 引用の出典は、テキストの中に示されています。

実際のところ、著者はケイトのファーストアルバムの物語を紡ぐという難しい作業をおこなうのに、 引用に多くを期待しすぎなような気がします。 おそらく彼女は引用によってアルバム全体が詳細に語り尽くせると思ったのでしょう。 残念なことに、このアプローチでは、ラムールは貴方のよう、フィール・イット、生命のふるさとといった 曲について語られていません。 アルバムについて語るなら、他の多くの本で取っているような1曲ずつ取り上げていくやり方について 考える余地があります。 良い面としては、ライオンハートについてどうしてこんなにスペースを使うんだろうと 思っていたのですが、あとの方で天使と小悪魔についての話の中でも大きな意味を持つ ツアー・オブ・ライフについて書かれた部分を見て、それが意味を持つということに気づきました。 事実の誤りはほとんど見つけられませんでした(天使と小悪魔の全曲が1979年のライブで 演奏されたわけでなく、「恋って何?」は例外だったとか)。 8ページの写真の中には1978~79年のさまざまなアルバムやシングルのジャケットの素敵な写真があります。 この本は、2021年3月12日発売(14.99ポンド)で、 ワイマー出版のサイトアマゾンキンドル版で購入できます。

2冊目の本は、ジョン・ファン・デル・キステの「Kate Bush: Song by Song」 です。 これはまだ中身を見れてませんが、Ebayなどのサイトで一部のファンにはすでに届いているようです。 164ページのペーパーバックで、さいきんのビル・トーマス著の本と構成やアプローチがすごく似ていて、 「全シングル、アルバム、他のアーティストとの共作などを徹底的に掘り下げます」ということです。 この記事には、本の内容を見てから思うところを追記しようと思いますが、 50ページのカラー写真もあり、トーマスやシェントンの本と違い、興味を持った人が もっと詳しい内容を読めるように巻末に参考文献が記されているということです。 この本の価格は18.00ポンドで、 出版社の フォントヒル・メディアAmazon UKでも 注文できます。

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