2020年2月15日土曜日

フランスのミュージシャンのポーンが、ケイトに捧げるアルバムを目の動きだけで制作

Pone

ガーディアンの特集で、特筆すべきアルバムのことが書かれています。 ポーンさんは本名をグィレム・ガラートと言いますが、 2014年からALSとして知られる運動ニューロン病にかかっています。 彼はケイト・ブッシュへの頌歌として「ケイト・アンド・ミー」というタイトルの インストルメンタルアルバムを作り上げました。 どの曲もケイトの作品からのサンプルが含まれており、それに多様なビートや ジェイZ、スタイルP、ビギースネイクのようなスタイルのボーカルが乗せられています。 自身は身体を動かせないので、コンピュータを目の動きで操作する技術を使って、 複雑な作品の制作を行っています。

ポーンさんがケイトの作品を使って制作をしようと考えた理由は、 「ほかに見られないオリジナリティーと、ご自身もピーター・ガブリエルとサンプリングを使った制作をしていること、 そしてもちろん、彼女の声ですね」だということです。 ガーディアンのアネイス・ブレモンドの記事より:

結果としては感情にあふれ、空間を感じるSF的な作品が出来上がりました。 制作については、持ち前の前向きなコメントで「限界は感じませんでした。 それどころか、いろいろと新しいテクニックを試すこともできましたよ。」と語っています。 以前は、パッと手早く作っていましたが、もっと時間をかけて、 音楽ときちんと向き合って作るようになりました。 特に心を惹かれたのが、30分にもわたる最終曲、ロアン・デ・トゥート・サです。 この曲には1985年の神秘の丘のシングルのB面、アンダー・ジ・アイビーからのボーカルが サンプリングされ、クールで洞窟のような響きがエンドレスで聞こえます。 ポーンさんは言います。「私たちビートメーカーは、同じループを何時間も聴くことはよくありますよ。 そうすると音の聞こえ方が違ってきます。違う世界に連れていかれることになります。 だから私は、そんな感覚をシェアしたくて、これほど長いトラックを作ったんです。」

昨年の8月、ポーンさんは、ケイト・アンド・ミーを完成させ、 無料でオンライン公開しています(パッケージ版はフランスで発売)。 彼は今、ふだん丁寧な記事を上げてソウルミュージックやUSやフランスでのラップについての 深い知識を伝えているブログの更新の手を止め、SNSなどでケイト・アンド・ミーの プロモーションをしており、非常に大きな反響を呼んでいます。 さて、ケイト本人はどうでしょうか? 怒っていなければいいと思うけど、 そもそも聴いているかどうかも怪しいと彼は言います。 「彼女は捉えどころがない感じで、たぶんスコットランドのどこか田舎でママレードでも作って いるんでしょう。」 どうやらポーン氏は人生のレモンからレモネードを作っている最中のようです。

このケイト・アンド・ミーのアルバムはスポティファイ で聴けます。、 CD、アナログ盤も www.fnac.comで 購入することができます。

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