
エアリアルのアルバム20周年を記念して、今週は11月7日(発売記念日)まで毎日1つずつタイムカプセルを作ります。これは、ケイトのすばらしい8枚目のスタジオアルバムに関連するイベント、人、物品などを、その日ごとに集めたものです。多くの人にとって、まだ「新しい」アルバムだと感じられるはずで、とても20年経ったとは思えませんが、このアルバムからはまだまだ美しい贈り物が現れて続けています…

エアリアル – 今日のできごと

2005年8月31日、夏の終わりの日、ケイトがついに8枚目のスタジオアルバム「エアリアル」タイトルと発売日を発表しました。1993年のアルバム「レッド・シューズ」からの間隔は、無限のように感じられることもありました。少し説明を加えると、ホームコメディ「フレンズ」のシーズン10の全放送期間がKB7とKB8のリリースの間に収まっています。そしてインターネットが私たちの生活を変え始めていました。実際、このサイトは1998年1月に始まったのですが、ケイトの親しい友人でさえ、私が計画していることを説明したときに、半信半疑で「ニュースサイトだって?」と言ったものです。
長年のファンにとっては、時間が異なる意味を持ち始め、忍耐は欠かせない美徳になりました。2004年のクリスマス時期のファンクラブのニュースレターで、ケイトはアルバムがやっと発売されることを発表しました:「アルバムはもうすぐ完成で、来年には発売できると思います。発売日はまたお知らせします。このアルバムに参加したみなさんの仕事にはとても満足しています。素敵なパフォーマンスがいくつもあり、待っていた価値があったとみんな感じてくれると思います」。このアルバムの発表は、メディアで爆発的に報道されましたが、メディアとファンコミュニティの両方で地震のような興奮の波が起こりました。ケイトが戻ってきたのです。

11月7日にリリースされる予定で、ダブルアルバムであり、ファーストシングルが10月24日にリリースされるキング・オブ・ザ・マウンテンであることもわかりました。当然、ファンも知ることになりました。何年にもわたって、ゲストミュージシャンやケイト本人が、スタジオアルバムの間隔として最も長い空白である12年間の間に、新しい素材に取り組んでいることを確認していました。そして、大したことではないのですが、このウェブサイトkatebushnews.comは、当時EMIレコードとの特別な取り決めに従って、その朝そのニュースを流した地球上で最初の場所となりました。ケイト自身の公式ウェブサイトはまだ立ち上げ準備ができていませんでしたし、ソーシャルメディアもまだ存在しませんでした。私にとってとても誇りに思える瞬間でした。

エアリアルのカバーアートの公開により、これが味わい深いミステリーに浸ったレコードであることが確認できて、メディアに対するアプローチを全体的に改造したアーティストの控えめなマーケティングキャンペーンの始まりとなりました。ケイトは引退したわけではありませんが、もはやポップスターではありません。テレビのパフォーマンスも、カメラでのインタビューも、トークショーも、アルバムの発売イベントもなく、趣味の良い宣伝写真のささやかなセレクション、数枚の写真やラジオのインタビューだけで、ケイト側の本当の願いは、この信じられないような、豊かな層を備えた新しい音楽を、「シー・オブ・ハニー」と「スカイ・オブ・ハニー」の2枚のディスクに語らせることでした。
カバーアートは、一見すると金色の夕暮れの瞬間に捉えられた岩の島が、穏やかに波打つ琥珀色の海に映し出されているように見えました。テレビCMでのキャンペーン、そして最終的にはアルバムのブックレットのアートワーク自体で、これがクロウタドリの鳴き声の音の波形であることが徐々に明らかになりました。これは日常の中の美しさと神秘から摘み取られた要素で、アルバムの2つのサイドを結びつけるものの1つです。
1枚目のディスクは、7曲の別々の歌であした。エルビスにインスパイアされた先行発売予定のシングルキング・オブ・ザ・マウンテン、数についての驚くべき頌歌π~円周率、当時7歳の息子に愛情を捧げる歌バーティ、ミステリアスなピアノバラードのバルトロッツィ婦人、ことさらに皮肉めいた魔法の曲透明人間になる方法、堂々と戦に向かうジャンヌ・ダルクの歌ジョアンニ。そしてシー・オブ・ハニーを締めくくるのは、彼女のキャリアでのハイライトである私小説的で胸を刺す曲、コーラル・ルームです。

アルバムには、彼女の息子バーティの声、彼自身の描いた絵、さらには母と一緒のバーティの写真も含まれていました。母性と日常生活というテーマがこのレコードのいたるところにあり、一方2枚目のディスク「スカイ・オブ・ハニー」は、真夏の日の光と鳥の歌の変化で満たされた1つのコンセプチュアルな音楽作品として提示されています。「a lovely afternoon」で始まり、最後には翌日の日の出で絶頂を迎えます。
ナインス・ウェーブのコンセプト形式を、20年後にまた別の形で作ったことも、ファンが色めき立っている理由の1つです。プレリュード、プロローグ、建築家の夢、ペインターズ・リンク、サンセット、エアリアル・タル、サムウェア・イン・ビトウィーン、ノクターン、エアリアルという曲たちが店頭に並ぶのを待ちきれませんでした。良いニュースであったのは、ケイトができるだけの力を込めた、今までに録音した中で最高の作品の1つになるに違いないということでした。鳩の鳴き声がこれまでと同じように聞こえることがなく、クロウタドリのさえずりもこれまでとは違って聴こえます。

フランスのテレビCM(いくつかのバージョンが存在)には3セットの曲の一部も使われていました。
アルバムのリリース直前の11月に公式サイトがデビューしたときには、発売予定のシングル「キング・オブ・ザ・マウンテン」(これについては今後のタイムカプセルの投稿でもっと詳しく紹介します)のリリースを主に取り上げていましたが、後には彼女が新しくオンラインで登場するのにあたって遊びを取り入れ、次の画像をギャラリーの中に入れていました。



エアリアル – 今日の人

2022年2月、残年なことにプロコル・ハルムのリードシンガーでキーボーディストのゲイリー・ブルッカーが亡くなりました。76歳で、癌の治療を受けていましたが、自宅で安らかに息を引き取りました。所属バンドの1967年のヒット・シングル「青い影」で有名になり、1982年7月、ケイトのウェディング・リストのライブパフォーマンスで、ミッジ・ユーロ、フィル・コリンズ、ピート・タウンゼントと共演しています。

1993年、ゲイリーはケイトの7枚目のスタジオアルバム「レッド・シューズ」で、「人生、そして愛 」、「心の中の星」、そして最も印象的な「ユーアー・ザ・ワン」の3曲を、トレードマークのハモンドオルガンで飾っています。「エアリアル」のアルバムでは、ゲイリーは再びバック・ボーカルを「サンセット」で、ボーカルとハモンドオルガンを「サムウェア・イン・ビトウィーン」で、オルガンを「ノクターン」で、それぞれ担当しています。
2010年に雑誌Qのインタビューでゲイリーは次のように述べています。「初めて会ったのはロンドンのドミニオンで行われたプリンス・トラストのコンサートでした。ピート・タウンゼンド、フィル・コリンズ、ミッジ・ユーロ、ケイトと一緒にプレイしました。ケイトは「ウェディング・リスト」を演奏するつもりだと言いました。とても複雑な曲で、「このコードは何でしょうか?」と聞きましたが、返事は「私にもわからない!」でした。本人はどうレコーディングしたか記憶がなく、ただその曲を演奏していたのです。

彼女のレコードで演奏するのはいつも楽しみでした。ケイトは招いたミュージシャンには多くを期待するので、私は以前にしたことがないようなこともしました。レッド・シューズでは、トラックの骨格だけが与えられて、そこにフィットすると思うものを作り出さないといけませんでした。彼女は、「この音を演奏してください」というような完璧主義者的な強いコントロールをしません。自分が行きたい方向に導いていくのです。接していると最近は女性らしい感じでしたが、このところは母親の感じがします。私がどこかで遊んでいると伝えると、彼女がやって来たこともありました。隠れているわけではありません。私は少し防御的であることを非難する気にはなりません。あの圧倒的なNo.1シングルを出した頃のとても若い頃から、メディアの攻撃を受けてきたのです。ケイトは最高のミュージシャンの1人です。ケイトはたくさんのレコードを作ってはいません。でもそれは彼女が選ぶことです。彼女の作品はどれも、驚くべき内容です」と述べています。
ケイトは自身の曲「ユーアー・ザ・ワン」でのゲイリーの演奏にとても感動し、「青い影」から引用した「Doing cartwheels‘cross the floor」という歌詞でゲイリーがこの曲に関わったことに敬意を表しました。
エアリアル – 今日の作品
(katebushcollectables.comのご協力でお届けします)
「エアリアル」のオリジナルアナログ盤リリースは2005年のクリスマス直前までずれこみました。これは、ケイトがプレスの質に当初不満を抱いていたためです。最終的に私たちの手に入ったとき、中には巨大なアルバムのブックレットが入っていて、アートワークを細部まで詳しく見ることができました。CD版とは異なり、「スカイ・オブ・ハニー」はレコードの両面に分割しなければならず、レコードのサイド3は「エアリアル・タル」で終わるので、「サムウェア・イン・ビトウィーン」にすぐつながるのではなく、このサイドが終わるまで追加で鳥が歌っています。ボーナスですね。マニアックな事実:後にこのアルバムをアナログ盤で再発したフィッシュピープルの再発盤には、ずっと小さくなったブックレットが入っていました。


一方、EMIの一部の地域では、CDリリース用にケイトが好んでいた紙製のデジパックをあきらめ、標準的なジュエルケースに入れてエアリアルをリリースしました。インドネシアでは、CDリリースがジュエルケースになっただけでなく、世界で唯一の公式カセットテープリリースがありました。


エアリアル – 今日のトリビア
エアリアルlのマーケティングで最も記憶に残る風景の1つはロンドンに現れたこの巨大な96枚ものの看板でした。圧倒的なアルバムカバーアートワークに追加されている、ちょっとした、それでもすてきなものは、ケイトの新しいアルバム発表を称えている30羽以上の作り物の鳥がビルボードの上に止まっていることです。ピーコック・デザインのチームによる、内容を踏まえた作品です。

エアリアル – 今日の鳥

プロローグ(ビフォー・ザ・ドーン)で聞かれるシスキンは小型のフィンチで、細かく尖ったくちばしと、飛んでいるときによく見える深く切れ込みの入った尾があります。雄は大部分が明るい黄色(特に頭部と胸周辺)で、腹は白っぽく、背中は黄緑色です。雌は雄より控えめで、縞模様が付いています。雄には黒い王冠と小さなビブもあります。両性とも翼と尾に黒と黄色の印があり、尻は黄色です。主に針葉樹の森で見られ、冬にはハンノキの森によく現れます。真冬には庭のフィーダーにもよくやってきます。
素敵な20周年記念バッジアートワークはブライアン・クローリーさんに作っていただきました。
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