2023年11月4日土曜日

NYでビッグ・ボーイとセント・ビンセントがケイトのロックの殿堂入りをプレゼン

ケイトのロックの殿堂入りを宣言するスピーチをするアウトキャストのビッグ・ボーイ

ケイトは昨夜、ニューヨークのブルックリンにあるバークレイズ・センターで行われた盛大な式典で、ロックンロールの殿堂入りを果たしました。ビッグ・ボーイがステージに登場し、ケイトの業績と影響について素晴らしい熱のこもったスピーチを行いました。すべての受賞者と同様に、非常に素晴らしく編集されたビデオが上映されましたが、その中ではたくさんの彼女の作品のクリップや有名人のファンの彼女についてのコメントが含まれていて、ビフォー・ザ・ドーンを含めてこれまでのケイトのキャリアの全体をカバーしていてすばらしいものです。

ビッグ・ボーイの紹介でセント・ビンセントが登場し、ケイトを称えて神秘の丘を演奏しました。セント・ビンセント(本名アニー・クラーク)は、常にケイトを高く評価しており、2014年のBBCドキュメンタリーでの彼女の出演部分の一部が昨夜のセレモニーで上映されました。

ロックの殿堂の式典で神秘の丘を演奏するセント・ビンセント

今日、彼女は自身のフェースブックのページで次のように述べています。「私は最初のレコードの制作にかかっていたとき、友人のエンジニアが「愛のかたち」を聞かせてくれました。そこには全てがありました。一度聴くと離れられず、感情にあふれていて、完璧な音の世界です。とてもキャッチーなのに恐ろしく変なところもあって、まさにアートの世界、ケイトは独特な比類のないアーティストです。それから初期のレコードを聴きました。私の場合は、「天使と小悪魔」、「ドリーミング」、そして「エアリアル」はまだまだ聴き込んでいます。どうすればこのように天才的で純粋で完全に自由になれるのでしょう。歌も、音楽性も、身体の動きも。ケイト・ブッシュには畏敬の念を抱くばかりです。他に比較できる人などいません。」

ロックの殿堂の式典で神秘の丘を演奏するセント・ビンセント

この夜の他の出演者には、チャカ・カーン、エルトン・ジョン、シェリル・クロウ、ウィリー・ネルソン、スティービー・ニックスがいて、まばゆいばかりの圧巻のフィナーレはミッシー・エリオットでした。イベントで販売されたプログラム冊子には、ケイトの音楽的影響に関してアン・パワーズが書いた8ページのイラスト入り記事がありました。式典はなんと4時間半という途方もない長さでしたが、ディズニー+チャンネルでライブストリーミング配信され、ディズニーのサイト/アプリで全編がリプレイできます

ケイト自身は式典に出席することができず、代わりにロックの殿堂に対して心からの感謝の気持ちを美しく綴った声明を公式サイトに発表しました。

アメリカの音楽業界の大きな鼓動の中心に位置する賞を受けるというとてつもない名誉に、圧倒されているところです。

私に投票してくれた皆さん、本当にありがとうございました。こんな栄誉を受けるなんて想像もしていませんでした。

昨年は、私の曲「神秘の丘」にとって驚くほどの反響があった年でしたし、ロックの殿堂入りで投票してくれた皆さんも、このトラックのチャートインを助けていただいたのだと思います。ありがとうございました。

残念ながら今夜の式典には出席できないのですが、私にその価値があると皆さんに認めていただいていることを何より嬉しく感じます。

ロックの殿堂は、圧倒的な才能が並ぶ壇上に私を迎え入れてくれました。

私が子供のころのヒーローはエルトン・ジョンでした。私は彼の音楽に入れ込み、彼のようにピアノを弾けるようになりたいと願い、私が感動したように人々を感動させるような曲を書きたいと望みました。

ロンドン南東部の少女だった私は、エルトンの曲作りのパートナーであり、私が曲を書き続けるにあたってインスピレーションを与えてくれた素晴らしい作詞家、バーニー・トーピンと今夜イベントを共有することになるとは夢にも思っていませんでした。バーニーさんもおめでとうございます。そして、今夜殿堂入りした皆さんおめでとうございます。

音楽は私自身の本質であり、他のミュージシャンもそうでしょうけど、音楽的に面白いものを作ろうとする旅には、疑いや不安がつきものです。

私の身長は160ですが、今日は少し背が高くなった気がします。

ケイト
ケイトのロックの殿堂入りのスピーチをするアウトキャストのビッグ・ボーイ

ビッグ・ボーイの紹介スピーチの全文は次のとおりです。

さて、私がケイト・ブッシュのことを大好きになったのは中学のころでした。私が慕ってた叔父のラッセルさんが教えてくれて、自転車に乗りながら「神秘の丘」を聴きました。まるでストレンジャー・シングスに出てくる子供のようでした。私のインタビューから拾って、ストレンジャ・シングスにエピソードをいれたんじゃないかと本当に思ったほどです。それ以来、私はケイトの音楽に夢中になり、ずっと彼女の最大のファンです。皆さんの中にはこう考える人もいるかもしれません。ケイト・ブッシュとヒップホップにどんな関係があるのかと。また、とても独特なアーティストですから、ケイト・ブッシュがロックンロールとどう関係するのかと問う人もいるでしょう。

私たちの音楽はとても違っています。しかし、重要な点では、私たちはまったく同じなのです。ケイトの音楽が好きなのは、次にどんな音が聞こえてくるか予想できないことです。彼女は定式のようなものを無視し、自分がやりたいことなら何でもします。それは私も同じです。ケイトはリスナーとしての私を試し、私の耳と心を広げてくれます。ドリーミング雪のための50の言葉のようなアルバムが、何度聴いても毎回新鮮に聞こえて、驚かされます。こうしたアルバムから私の頭にアイデアがあふれ、音楽で何が達成できるか、私の野心も広がります。歌手としても、ケイトの声は信じられないほどオリジナルです。他にケイト・ブッシュのように歌う人がいるでしょうか。[歌って]誰もいない! キース・スウェットの言うとおりですね。ステージ上のケイトは、奇跡です。その歌は曲自体を聴くときと同じように響きますが、パフォーマンスでは、本当に劇場になります。ケイトは、他に類を見ないソングライター、プロデューサー、パフォーマーです。この人がヒップホップでないというなら、何がヒップホップでしょう。

ケイトのことをよく知らなかったときは、山の頂上にある城に住んでいて、おとぎ話を書いたり、バッグスバニーみたいに大きなピアノを弾いているんだと思っていました。真実は少し違います。ケイトに出会って長い会話をし、私の家族を紹介しました。ロンドンでのショーの後には彼女のお子さんに会いました。とても素晴らしい体験でした。私たちはソウルメイトです。彼女がシーンに登場してから数十年も経ってからまた人気が高まったことは驚くことではありません。そもそもケイトの音楽を初めて聞いたのなら、現在のアーティストだと信じてもおかしくないですよね。実際にはケイトが影響を与えたアーティストの影響を受けていると勘違いしてしまうかもしれません。でもそれはまったく逆の話です。ケイト・ブッシュは今の音楽を形作っていて、彼女のことを聞いたことのないアーティストの音楽にさえ影響を与えています。真のアーティストであり、ビジョンを持ったアーティストです。だからこそ、ケイト・ブッシュはロックンロールの殿堂に入るのがふさわしいのです。

ビッグ・ボーイ
イベントで販売されたプログラム冊子 – 写真はロブ・マキャフリーさんから

オハイオ州クリーブランドのロックンロールの殿堂博物館は、2023年の殿堂入りアーティストを記念して、受賞者から寄贈された品物などがこれから1年間展示されます。ケイトは、ストップモーションのアニメーション映画「ミストラルディスペア」用のベッドルームセットを寄贈しています。公式サイトで、ケイトは次のように述べています。「アニメーション『ミストラルディスペア』のセットを見て楽しんでもらえたらと思います。何年も私の家の廊下に置いてあったんです。無くなってしまうのは本当に寂しいですけど、良いところに行ってくれるのでそれはいいことですね。」ケイトからは、エクスペリメントIVのビデオのストーリーボード、クラウドバスティングの手書きの歌詞、「透明人間になる方法」の本が寄贈されています。

オハイオ州クリーブランドのロックンロールの殿堂博物館でのケイトの展示
ケイトのフィルム「ミストラルディスペア」のセットの展示
ケイトの手書きのクラウドバスティングの歌詞の展示
ケイトのエクスペリメントIVのビデオのストーリーボードの展示

最後に、ケイトは1979年のツアーのために作られたオリジナルのワイヤーコートハンガー製のヘッドセットも寄付しました。素晴らしいことです。新しくデザインされたサイトのライオンハートのアルバムページで、ケイトは次のように述べています。

「このアルバム発表のすぐ後にライブコンサートをやりました。歌いながら踊るために、手持ちする必要がないマイクが必要でした。ステージのサウンドエンジニアと一緒に、私たちは世界初のヘッドセットを発明しました。私は特許を取ることを提案しましたが、『古いコートハンガーを曲げるだけで特許を取れますかね?』と言われました。トラブルシューティングを行う時間がなかったため、よく同じ周波数を使っている地元のタクシー会社の無線を拾ってしまうことがありました。サウンドシステムで鳴ってしまい、観客が面白がったものです」

1979年のライオンハートツアーのオリジナルのワイアレスマイクヘッドセットの展示

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